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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ダニにご注意を

2016年06月01日
知床国立公園 高橋法人

 最近はここ羅臼町でも気温が20度を上回るようになりました。

 屋外に出て、自然散策や登山ができる機会が増え素晴らしいことではあるのですが、野外には多くの危険があります。

 その一つがヒグマです。知床ではヒグマとの接触が多く、巡視中でもたびたび目にします。


 ヒグマは大きいもので体重300kg以上もあり、また時速50km以上で走行が可能と言われており、確かに、その身体能力は人間にとって脅威です。できるだけ野外では接触したくないものです。


 しかし、それ以上に接触する機会があるのが、


 こちらのマダニです。

 北海道の山野ではヤマビルに咬まれたということは聞きませんが、ダニに咬まれたということはよく耳にします。ダニは疾病を感染(ライム病など)させるおそれもあり、微小な生物ですが侮ることはできません。


 通常、マダニは茂みの中にひそみシカやクマなどの哺乳類が通過した際にとびうつり吸血します。

(エゾシカの目のまわりの赤い点やできものが、「マダニ」です。目の周りの柔らかいところに

 寄生する傾向があります。)

 しかし、そうした環境を人が利用するとダニが付いてしまうことがあります。それはマダニが哺乳類の二酸化炭素や熱を感知して宿主を探りあてるためです。


 個人的な経験では、素肌をさらして野外を歩かない、特に笹などの植物に触れたらすぐに接触した箇所を調べたりはたいたりする、といったことでダニに咬まれる確率を減らせていると感じています。



 ちなみにダニは水中にもいます。

(アカミズダニ属の一種)

(ヨロイミズダニ属の一種)

 こちらも水生のダニです。


 いずれにしても「ダニ」なので、生物に寄生し体液を吸入することで栄養を摂取します。

 こうした水中のダニは主に水生昆虫等に寄生しているようです。

(水生ダニに寄生されるクロカワゲラ)


 ダニも色々な種類があり興味がつきませんが、皮膚の上をマダニが歩いているとどうしても慌てて取り除いてしまいます。

 昆虫や動物と異なり、細かな作業ができる手をもつ人間は、ダニがついても取り払える余地があるといえます。



 皆様も外出の際はお気をつけ下さい。