アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
外来種除去リレー
2016年06月15日利尻礼文サロベツ国立公園内にも貴重な固有植物がひっそりとたくましく生きています。しかし繁殖力旺盛な外来種が勢力を拡大し固有種の存続を脅かしています。特定外来生物(植物)のひとつであるキク科のオオハンゴンソウ駆除を利尻島自然情報センターと利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの会と共催で6/11(土)に行いました。
パークボランティアの方と鴛泊フェリーターミナルから利尻島南部の南浜湿原へ向かう途中で海面の様子がおかしいです。何かたくさん動いています。安全な場所に停車し双眼鏡で見るとそれは幅150m長さ1.5kmの範囲で約200頭ものイルカの群れが飛び跳ねながらの集団移動でした。震える手で慌てて双眼鏡で観察。感動のあまりただ茫然と見つめていました。今まで水族館以外でイルカを1回も見たことがありません。慌てて写真を撮りましたが群れの最後尾だけしか写せませんでした。水面が20個ほど盛り上がっているのがわかるでしょうか?わかりませんね・・。翌日近所の方にこのことを話したら岸からイルカが見えることすら非常に珍しいとのこと。本当にラッキーでした。大げさではなく一生忘れないと思います。北海道・利尻島は素晴らしいです。
横道にそれ過ぎました。外来種除去リレーは利尻島南部にある南浜湿原にて9:30から総勢6名で実施しました。天候は曇り。気温13℃、曇で風も弱く、「ポポー、ポポー♪」と大好きなツツドリの鳴き声を聴きながらの心地よい日和でした。
実際に作業を始めるとその種の同定と引き抜きが思いのほか難しく、少し抜いてはベテランの方に恐る恐るたずねて確認しました。時には間違えて保護するべく種を抜いてしまい慌てて埋め戻すこともありました。オオハンゴンソウはその成長過程で葉の形が丸みからギザギザに変わったり、葉の大きさ・形がヨモギの葉にもそっくりなので慣れが必要です(葉の裏が白かったらヨモギ)。横に伸びる地下茎によっても広がるためしっかりと根を塊ごと抜くことが肝要ですが隣接する貴重種の根は傷付けないような慎重さも必要です。
だんだん調子良くなったところで終了時刻。今泉は60本の収穫で満足していたら皆さんの1/6しか取れておらず愕然となりました。6人で1800本強除去して作業終了。今年の目標はここ南浜湿原で35000本。2001年から始まった活動は今後も継続します。みなさん、お疲れ様でした。