アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ゼニガタアザラシ ~登別水族館へ~
2016年07月01日
えりも自然保護官事務所
登別マリンパークニクスに譲渡されたゼニガタアザラシについてお伝えします。
6月24日の早朝6時、えりも岬の近くのサケ定置網でこのゼニガタアザラシは捕獲されました。
今年の5月頃に生まれたメスの幼獣で、親離れした直後のこどもだと考えられています。
捕獲されてから、はじめのうちは落ち着かない様子でしたが、次第に水槽のなかでおとなしくなりました。
でも、近づいたり水をかけたりすると、「ウゥ~ウゥ~」とよく吠えます。
6月27日、登別マリンパークニクスで飼育されることが決定。
無事に譲渡先が決まり、我々も胸をなでおろしました。
まずは、体重測定を行います。飼育員さんに抱えられて専用のかごに移されます。
体重は、31.5キロでした。
続いて、採血を行います。野生のアザラシなので、病気の有無などを確認しています。
アザラシは分厚い皮下脂肪を持っているので、注射針は足ひれに刺します。
そのあと、ゼニガタアザラシは屋内の水槽に移されました。さっそく水槽の中を泳いでいました。
今後、血液検査の結果をみて、水族館の餌に慣らしてから一般公開される予定になっています。
環境省では、ゼニガタアザラシの管理計画を策定しています。
これは、えりも地域における漁業とゼニガタアザラシの共存を図ることを目標にして策定されたものであり、この計画に基づいて、ゼニガタアザラシの捕獲・譲渡などを行っています。
今後も各地の水族館などに、えりものゼニガタアザラシが譲渡される予定になっております。