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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

日本景観生態学会エクスカーション

2016年07月10日
支笏洞爺国立公園 高橋祐子

日本景観生態学会 第26回 北海道大会のエクスカーションが、先日ここ洞爺湖で行われました。

景観生態学の研究者や学生さんなどのスペシャリストたちが大集結した濃い一日。参加者のみなさんは、朝8:00に札幌駅に集合し、バスで洞爺湖まで...

バスガイドは、な、な、なんと、岡田弘北大名誉教授!!

有珠山の第一人者にて主治医といわれている先生で、2000年の有珠山噴火において住民を事前避難成功に導いた立役者の一人です。バスの中では、定山渓などの火山地形の成り立ちやそこから得られる恩威などについて、地質のいろいろな解説を聴きながらいらしたそうです。う、うらやましすぎます...

洞爺湖ビジターセンターも利用してくださるとのことで、今回は私もお手伝い。小雨が心配でしたが、天気はなんとか保ち一安心。金比羅噴火遺構と有くん珠ちゃん火口を見学しました。メインガイドはもちろん岡田先生です。

お昼は屋根のあるところでBBQ、テーマは『火山がはぐくんだ大地の恵み』だったそうです。

別件で動いていたため、残念ながら写真はありません(>_<)

地元でとれた野菜や果物と、肉は農業被害で駆除されたエゾシカを使用したそうです。これらは全部「ジオの恵み」です。

そして午後一、ウチダザリガニの駆除・調査見学、実際にどう(籠)を湖から引き上げました。

酪農大吉田教授が洞爺湖の現状や課題などを説明し、ポスドク上原さんがウチダザリガニの生態を使って計測方法等を説明しました。たまたま居合わした方たちも一緒に参加です。

ここ洞爺湖地域は20~30年に一度、火山が活動する時期を迎えます。その短いスパンで被災し続けるリスクがある反面、火山の恵みに大きく助けられていることもしっかりと見つめていきたい。また、今抱えている外来種の問題も忘れてはいけません...そんな思いから、今回のエクスカーションは企画されたそうです。一方向の視点からでは到底語りつくせない、いろいろな想い。

火山の歴史とそこに住まう人々、そこに関係する様々な生物たち。

詳しく知りたい方は、ぜひ洞爺湖へ!!