アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
釧路湿原 大湿地帯に?
2016年09月08日みなさんこんにちは、釧路湿原自然保護官事務所の平川です。北海道は8月中旬からの台風7号、11号、9号そして10号と上陸が続き、大きな被害をもたらしました。釧路湿原のある道東地区も鉄道や道路など一部が現在も運休、通行止めが続き、交通に支障がでている状況です。このため釧路湿原のなかでも人気の高い細岡展望台も一時、アクセス道路が冠水のため通行止めとなっていました。このたびようやく水が引き開通となりましたので他の展望台と合わせて現在の様子をご報告します。
〇コッタロ湿原展望台 コッタロ川の支流から多くの水が集まり、大きな池となっています。(2016年9月7日撮影)
通常のコッタロ湿原(2014年8月撮影)です、コッタロ川に沿って細長い池が見られますが現在と比べると広がりがなく細長い形状です。
なお、塘路湖側からのアクセス(道道クチョロ原野等路線)は冠水のため通行止めとなっており大きく迂回する必要があります。また、コッタロ湿原駐車場のトイレが冠水被害により故障し使用できなくなっています。(2016年9月8日時点)
〇サルボ展望台
同地点から2007年7月に撮影したものです。写真を比較すると、湖岸線に大きな違いはなく変わっていないように見えます。しかしこれは、湖岸のヨシを始めとする植生帯が浮島となっていて増水していても一見変わってないように見られているものと思われます。写真では伝わらないのですが、画面中央を走る国道391号からみるとアレキナイ川を通過する橋と川面がかなり近くなっているのを実感することができます。
なお、サルボ展望台へのアプローチは駐車場から約25分未舗装の道を登ることになります。雨が続いて滑りやすくなっていますのでご注意ください。
〇細岡展望台
蛇行する釧路川の本川のほか、水がいたるところにあふれ本川がはっきりと見えづらくなっています。また画面奥の湿原には大小の池沼が出現し、さながら大湿地帯といった印象を受けます。
通常の釧路川です(2011年6月撮影)。蛇行する釧路川のながれがくっきりと見えます。
紹介した3つの展望台は、現在利用可能な状況です(2016年9月8日時点)。釧路湿原全体の水位が高く通常では見られない水の湿原の風景が広がっています。湿原というよりもむしろ大湿地帯という表現が似合うのではないでしょうか?いましか見られない景色を展望台へ行ってぜひ実感してみてください。ただし、展望台に来られる際は事前、直前の気象情報、アプローチまでの交通状況をチェックすることを忘れずに、安全に配慮して計画を立てることをお進めします。