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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

洞爺湖地区 四十三山遊歩道閉鎖のお知らせ

2016年09月13日
洞爺湖 高橋祐子

みなさんこんにちは、洞爺湖自然保護官事務所の高橋です。

今年の北海道は台風の上陸が続き、いろいろな場所で大きな被害をもたらしました。

私たちの管轄地区では特に台風10号が猛威を振るい、建物が破損されたり、ライフラインが途絶えてしまったりと、いろいろなところで被害が出ていました。

有珠火山の一つ四十三山も今回被害が大きく、誠に残念ですが、今期は遊歩道を閉鎖することになりました。

四十三山は1910年の火山活動により隆起してできた場所です。

噴火による被災のため、一度その植生は破壊されましたが、

100年以上経った今、人の手を加えずとも植物たちは見事に再生し豊かな自然林へと成長していました。

今回、火口周遊コース周辺の樹木が特にたくさん倒され、

のどかだった遊歩道は、文字通り「嵐の後の静けさ」とともに自然の猛威や生き様が色濃く残る場所に変貌しました。

破壊されてしまったこの場所ですが、土が露出しているので小さな植物でも芽吹きやすく、

春には新たな命をさらにたくさん育んでくれることと思います。

嵐にはやられるし、噴火もあるので、きっと極相の森には到達できないのだろうけれど、

いろいろなことが起こるからこそ、混交林としてたくさんの種を育むことができるのかと思えば、

それも四十三山の性格(植生)の一つなのかと思います。