アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
子どもパークレンジャー、任務完了!
2017年03月09日こんにちは、釧路湿原の渡辺欣正です。イベント盛りだくさんだった今年の冬も、この活動で最後!
3月4日(土)は、釧路湿原国立公園で子どもパークレンジャーを開催しました!これは、レンジャーのおしごと体験を通じて自然の大切さを学ぶ、とっても楽しいイベントです。
今回のミッションは、「釧路湿原のエゾシカ追跡大作戦」。広い湿原のどこで何をしている?数は増えてる?実際の調査を手伝ってもらい、エゾシカについての大発見を情報発信することです。参加してくれたのは、地元の小学校1年生~中学校1年生までの18名!
まずは、お見送りの保護者たちとお別れをして、塘路湖エコミュージアムセンターへ。子どもパークレンジャーの任命式をしたあと、双眼鏡の使い方を練習しました。
遠くのほうに、「見えたらレンジャーと握手!」、「子ども同士でハイタッチ!」などのメッセージボードが立っています。こうしたアイデアの準備や進行は、てしかが自然学校の萩原さんがおこなってくださり、一気に明るく楽しい雰囲気に!さらに、経験豊富な大人スタッフの皆さんがサポートしてくださったので、安心かつスムーズ!
そして、コッタロ湿原展望台や細岡展望台を巡り、エゾシカ調査体験!一見、何もない湿原に見えますが、よーく観察すると・・・
「あそこに群れがいる!」、「どうやら手前の湧き水を飲みに来て、湿原の草を食べて、森の中で休憩していそうだ!」、「カウントしたら308頭もいた!」など、たくさんの発見がありました。
追跡調査のためにGPSの首輪をつけているシカも登場!
釧路湿原はとても広いので、移動時間がどうしても長くなってしまいます。ということで、僕も貴重な経験をさせていただきました。生まれて初めてバスガイド!!「右手に見えるのは~、特別保護地区~。」なんて解説をしたり、バスレクもみんなノリが良くって、ついつい自分が一番楽しんでしまいました(笑)。
最後の目的地は、国立公園の中にあるエゾシカの囲いわな。これは、湿原の植生などに影響をおよぼす増えすぎたエゾシカを捕獲するためのもので、寺内レンジャーに特別に案内してもらいました。
僕たちは、シカになったつもりでわなの中を見学。子どもたちから「捕獲したあとは、どうするの?」という質問に、反応を少し心配しながら「シカの命を無駄にしないよう食肉にします。」と正直に答えると、「給食で食べたことある!」と明るい返事が。さすが、シカ肉が身近な北海道の子どもたち!
そのあとは、塘路湖エコミュージアムセンターに戻り、エゾシカ調査のデスクワークをして、いよいよ本日のまとめです。まずは、その日わかったエゾシカのスゴイこと!伝えたいこと!を、ふせんにひたすら書き出していきます。
次に、「細岡展望台に来た観光客は、湿原の中にこんなにエゾシカがいるなんて知らないよね!」、「GPSをつけたシカがいることを伝えよう!」など、班ごとに相談しあいながら、まとめのポスターをつくります。いろんなアイデアを思いつく子、絵や飾り文字を描くのが得意な子、仕事を割り振るのが上手な子、それぞれの個性を活かしてつくりあげていました。
最後は、発表会!前に出て、エゾシカの大発見を報告しました。緊張しないのかな?どの班も、笑顔でハキハキ、本当にすばらしい発表でした!
子どもたちが工夫をこらしてつくった6班のすてきなポスターは、釧路湿原周辺のビジターセンター等で展示していく予定です。時期と場所の詳細が決まりましたら、AR日記でお知らせします。
子どもパークレンジャーのみんな、丸1日、任務おつかれさまでした!おとなスタッフの皆さん、ありがとうございました!仲間が増えて、嬉しい楽しい1日でした。将来、この中からレンジャーを目指す子どもが現れるといいですね!