アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道の生き物あるある
2017年07月11日
羅臼
7月を迎え、知床にもじんわりと汗をかく季節が訪れました。観光客も次第に多くなり、羅臼ビジターセンターには連日観光バスがやってきます。(7月から9月の夏期期間、羅臼ビジターセンターでは通常休館日である月曜日も開館しております。是非、足を運んでみてください。)
ヒグマも活発に活動しているようで、沖ではシャチやミンククジラも見られており、野生動物の姿を間近で見ようと来られる方も沢山います。そんな方々からよくこの様な声を聞きます。
「痩せていて可愛そう。食べ物がないんだね。」
誰に向けてかけられている声かというと・・・
そう、北海道では野良猫よりも見かける生き物、ご存知キタキツネです。多くの方が思い浮かべるキタキツネは、この写真の様な毛がふさふさした状態ではないでしょうか。しかし、これは冬の姿。今の時期はというと・・・
こんな感じです。確かに冬の姿と比べると毛が抜け落ち、尻尾もほっそりとしているため、飢えに苦しんでいるように見えてしまいます。ですが、キツネは犬の仲間。夏になれば毛が抜け落ちるのです。見た目は可愛そうに見えてしまうかもしれませんが、じっくり観察していると、彼らはとても快適に過ごしておりますよ。
この時期になると食べ物欲しさに近づいてくる「おねだりキツネ」をいつもより見かけるようになります。キタキツネは警戒心が強い生き物ですが、一度安全だと分かると大胆な行動に出るものもおります。人に慣れてしまうと車にも近づくようになり、思わぬ事故につながる恐れがありますので、不用意に食べ物を与えて事故の危険性を高めることがないよう、ご配慮ください。
※もちろん、ヒグマには絶対に食べ物を与えないでください。
ーおまけ-