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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

知床岳を知っていますか?

2017年08月08日
羅臼 宮奈光一郎

 8月。夏本番を迎え、知床は賑わいをさらに増しております。ヒグマやエゾシカを道路沿いで見かけれると隣に車両の列が出来ているという、なんだか知床の夏の風物詩の様な状況をよく見かけます。

※車両の中であろうとヒグマに近づくことは非常に危険です。また、人に慣れさせないためにもヒグマの周辺

で車両を停車して観察するようなことは避けてください。

 観光地として非常に有名な知床。もう何回も足を運んだよという方も多いかと思われます。そんな人でも知床岳を知っている、登ったことがあるという人は少ないのではないでしょうか。それもそのはず、知床岳は羅臼の道路が終わる相泊というところから14時間ほど歩いていかないと辿り着けない山なのです。

 今回は知床の中でも秘境の様な知床岳、その道中で見た景観をご紹介します。

森に囲まれた溜まった水が青く見える青沼(2017年7月撮影) まずはこちら、青沼です。沼全体が濃い青色をしており、見たままの名が付けられております。周辺ではコマドリやキビタキなどの鳥たちの声が響き渡っていました。

むき出しの岸壁がそびえ立ち、崩れた岩が堆積した崩壊地(2017年7月撮影) お次はこちら、崩壊地です。むき出しの岸壁がそびえ立ち、少し突けばガラガラと音を立てて崩れて行きそうな危うい岩が堆積しています。岸壁にはアマツバメが巣を作っており、勢いよく頭上を旋回していきました。ここからは国後島を一望することもでき、山と海が同時に見渡せる半島ならではの景観を楽しむことができます。

知床岳から太平洋とオホーツク海を二つに分ける知床半島を望む(2017年7月撮影) 最後はこちら、知床岳山頂周辺から見る知床連山です。知床半島が太平洋とオホーツク海を二つに分けていることがはっきりと見て取れます。後ろを振り向くと知床岬を眺めることができ、ポトピラベツ川を遡上するようにオジロワシが上空へ舞い上がっていく姿も見ることができました。

 その道中で多様な景観を望めることができる知床岳。皆さんにも是非おすすめしたいのですが、残念ながらここには登山道がありません。知床岳は知床半島先端部地区にあり、知床の中でもより原生的な自然が残されている場所の一つだからです。

 知床は自分の足で歩かないと中々その豊かな姿を見せてくれません。この夏に知床を歩き回ってその姿を見に行ってみては如何でしょうか。

※どこでもヒグマが出るので安全なところはありませんが・・・

※巡視状況についてはルサフィールドハウスのHP上に公開しております。

 こちらもご覧ください(ご覧になりたい記事のタイトルをクリックしてください)。

   ↓↓↓

 記事1:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告1相泊から知床沼へ

 記事2:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告2知床沼から知床岳へ

 記事3:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告3知床沼の使い方

-おまけ-

道中で見かけたイワイチョウの花。知床で見られるのはここだけらしい。

白く淵が波打つ花びらを5枚つけたイワイチョウ(2017年7月撮影)