アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
オオハンゴンソウの除去作業報告!
2017年08月10日夏休みに入り、平日でも家族連れの方々で賑わいを見せている支笏湖。
清掃活動や観察会の準備に勤しんでいる當山です。
さて、先月、特定外来生物に指定されている「オオハンゴンソウの除去作業」を実施しました。
特定外来生物?オオハンゴンソウ?と疑問に感じた方がいらっしゃるかもしれませんので、
簡単に説明させていただきます(^^)
まず・・・
「特定外来生物」とは、もともと日本にいなかった外来生物(海外起源の外来種)で、
生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、
または及ぼすおそれがあるものの中から指定された生物のことです。(哺乳類、昆虫類、植物等)
生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。
これに指定された生物は、「飼育・栽培」、「運搬」、「保管」、「輸入」、
「野外に放したり、植えたりすること」、「許可を受けていない者に対しての譲渡、引渡し」が
原則禁止されています。
これらに違反した場合、罰金が科せられます。
詳しくは、こちらをご覧ください。↓↓
参考:『どんな法律なの? | 日本の外来種対策 | 外来生物法 - 環境省HP』
www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html
次に、オオハンゴンソウとは、北アメリカ原産のキク科の多年草
(2年以上、生育を繰り返す草本植物のこと)で、黄色い花を咲かせる植物のことです。
明治時代に観賞用として導入され、野生化し、現在では全国に分布しています。
高いもので2mを越える個体もあり、開花期は8から9月です。
寒さや湿地に強く盛んに繁殖するため、もともと日本にいる植物の減少が見られ、
全国各地で除去作業に取り組んでいます。車に付いた土や靴の裏などに付着した種子が落ちるなど、
主要道路などを中心に拡大しています。
支笏湖周辺でも毎年抜き取りを行っており、今回はパークボランティアさんと
北海道ロードメンテナンス株式会社さんと合わせて8名で作業を進めました。
初めて参加なさる方もいらっしゃったので、オオハンゴンソウと間違えやすい植物を紹介しました。
*ヨモギの葉
葉の形状が似ていますが、裏を見てみるとオオハンゴンソウが薄い緑色。ヨモギが真っ白。
*フッキソウ
葉に光沢があるのがフッキソウ、光沢がないのがオオハンゴンソウ。
ハチに注意しながら作業開始!
花芽のついた個体を大量に発見...(汗)
9月以降は種を飛ばすため、増殖を抑えるために花が咲く前に処置することが必要になります。
オオハンゴンソウは、地上部が枯れたり、刈り取られても、残った地下茎から茎を出して再生し、
生息域を拡大するため、スコップ等で株を根ごと掘り、除去しなければなりません。
朝10:00から12:00頃まで実施し...総量97.2㎏のオオハンゴンソウを除去しました。
ご協力いただいた皆様、有難うございました(>_<)
外来生物による生態系への被害防止三原則は『入れない』『捨てない』『拡げない』。
作業は大変ですが、生態系への影響がこれ以上拡大しないよう、
『拡げない』努力が大切になってくるのだと感じた一日となりました。