アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
樽前山は生きている
2017年10月03日赤や黄色に色づいている葉っぱが、だんだん多くなっている支笏湖。
紅葉シーズンの到来に嬉しさを感じている當山です。
さて、先月の9月26日、通常立ち入りが禁止されている樽前山の火口原内で
「樽前山合同現地視察」に参加しました。
樽前山7合目ヒュッテ駐車場にて挨拶
これは毎年、春と秋の2回に、「樽前山防災協議会」のメンバー
(樽前山周辺の自治体、自衛隊、消防等の関連機関で構成)で実施している視察です。
今回は59人が参加し、室蘭地方気象台の職員の方から説明を受けながら、
火口や噴気孔の噴煙状態を見て回り、登山道では携帯電話の電波状態も確認しました。
ここで、樽前山という山を知らない方々に簡単なご説明を♪
奥の丘が溶岩ドーム
樽前山は、アイヌ語で、「川岸の高いところ」が語源とされ、
苫小牧市と千歳市との境にある標高1041mの火山です。
約9000年前に火山活動を開始し、特に江戸時代から明治時代は活発に噴火を起こし
周囲に軽石を降らせています。
また、頂上部には、北海道の天然記念物に指定されている「溶岩ドーム(溶岩円頂丘)」
があります。1909年(明治42年)に2、3日で形成され、
世界的にも珍しい三重式火山として知られています。
7合目までは車で行くことができ、様々な種類の高山植物や支笏湖のパノラマを見渡せる
スポットとして人気の高い山でもあります。
※7合目駐車場までの道路は、冬期間(11月下旬から5月下旬)は通行止め。
登山道からの眺め(前方に見える湖は支笏湖)
まず、7合目駐車場から登りはじめ、外輪山で携帯電話の電波をチェック!
次に、樽前山神社奥宮付近で監視カメラの説明を聞きました。
樽前山神社奥宮 奥宮近くにある監視カメラ
※こちらは内部向けのカメラですが、下記の気象庁のHPでは別々川からの映像を一般に公開しています。
http://www.data.jma.go.jp/svd/volcam/data/volc_img.php
この他にも、地震計や傾斜計等が設置されていて、樽前山の活動を24時間体制で観測・監視をしています。
次に、赤外熱映像装置を設置し、樽前山の地表温度を確認しました。
温度が低い順に、青色→水色→緑色→黄色→赤色→白白で表しています。
白色が最も温度が高く、100℃を超えています。
普段は大人しそうに見える山でも、活発に動き「生きている」ということを肌で感じ、
事前に気象庁の火山情報の収集をすることも、登山を楽しむ上で大切なことだと、改めて思いました。
気象庁の火山情報の詳細はこちら↓↓
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/map_0.html
おまけ♪
樽前山の秋は、すぐそこまで来ています。
大地の鼓動を感じる樽前山に是非、足を運んでみてはいかがでしょうか♪