アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
えりもの山で登山調査
2017年12月15日日高山脈で昨年度から実施している「登山調査」の報告です。11月中旬の二日間を使い、えりも町の「ルチシ山」と「豊似岳~観音岳」に登りました。札幌事務所の職員2名も一緒です。
初日はルチシ山に登りました。ルチシ山は標高754mと2時間ほどで登れる山です。ルチシ山には登山道がないので、動物たちの踏み跡をたどって山頂を目指さなければなりません。低山ながら侮れないアグレッシブな山です。カラッと晴れた秋晴れの空の下、冷たい風に吹かれながら道なき道を歩きました。冬も間近で木々の葉は落ち、稜線からの眺めはバツグン。お手頃ながら、大満足の登山調査でした。
さて翌日は豊似岳~観音岳です。日高山脈の最南端にドシッと聳え立つ豊似岳を登り、東の稜線をたどって観音岳、さらにその東の豊似湖まで歩き通す計画です。ルチシ山の数倍はハードな行程でしょう。
そして当日の朝をむかえましたが、なんと深夜に積もった雪で稜線は白く輝いているではありませんか。怪しいコンディションが予想されましたが、安全第一で登ってみることにします。しかし積雪量はわずかに10㎝ほど。少々足下がひんやりしますが、歩けばすぐに体は温まりました。そして雪の代わりに我々を苦しめるのは、日高山脈名物の藪漕ぎです。ねじ曲がった強力なハイマツに苦戦しつつ、予定より少し遅れて豊似岳山頂に到着。苦労した分、前日とは違った絶景を堪能できました。
豊似岳でゆっくりしたいところですが、あまり時間はありません。足早に山頂を後にして次の観音岳を目指しましょう。こちらの稜線はササが行く手を遮ります。ハイマツよりは楽ですが、手足をフル活用しなければ突破できません。観音岳を越えるまで長い道のりでした。この写真は、途中で見つけた地図にない池です。
暗くなるぎりぎりに、猿留山道を使って豊似湖に無事に下山しました。ナキウサギの声を聞きながら、長い縦走の旅は終わりです。お疲れ様でした。