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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

釧路湿原東部三湖沼とそこに飛来する水鳥たち

2018年04月11日
釧路湿原国立公園 佐野 綾音

 皆さまこんにちは。

 4月に入り、釧路湿原にも少しずつ春の訪れを感じるようになりました。

 先ほど、日記を投稿した釧路湿原自然保護官事務所渡辺アクティブレンジャーよりバトンを受け取り、今回は春の訪れとして、釧路湿原国立公園内にある、3つの湖とそこに飛来している水鳥(カモなどの渡り鳥)についてご紹介したいと思います。

 北海道東部の湖は水鳥にとって、渡りの途中に翼を休める「経由地」となっています。越冬のため南方に移動する9~12月、越冬地から繁殖地へと移動する4~5月に、いろいろな種類の水鳥が見られます。一方、1~3月は湖全体が凍ってしまうため、水鳥のすみずらい環境になってしまいます。

 釧路湿原の東部にある、シラルトロ湖・塘路湖そして達古武湖にも現在多くの水鳥が飛来しています。私たちは、いつ、どんな水鳥が、どのくらい飛来しているのか、毎年9月頃から湖面の完全結氷までと、湖面の氷が解ける4月から5月頃まで調査を行っています。

 3月20日に調査を行った際は、シラルトロ湖及び塘路湖では、解氷面が一部出てきていましたが、達古武湖では全面結氷していました。

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シラルトロ湖

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塘路湖

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達古武湖(全面が凍結している)

 

 湖のほとんどが凍っている真冬の時期は、水鳥はほとんど見られず、オジロワシやオオワシ、タンチョウといった鳥が多く見られます。

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シラルトロ湖に集まる鳥たち

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達古武湖の凍結した湖面上にたたずむオジロワシ

 その後、4月5日に湖へ調査へ行くと...

 いずれの湖も全て解氷していました。

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シラルトロ湖

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塘路湖

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達古武湖

 そして双眼鏡や望遠鏡で湖を覗いてみると...

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 上の写真でみると、中央上部にいる2羽がヒシクイ(国の天然記念物、環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類)です。写真下部にいるのはオオハクチョウ、そして左側にいるのがヒドリガモです。

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 上記の写真の鳥は、白ベースに目の周囲が黒いことからパンダガモとも呼ばれているミコアイサです。他にも多くの種類の水鳥が飛来していました。

 これらの水鳥は、これから、シベリアなどの繁殖地に向けて渡っていきます。

 また秋に、繁殖地で生まれた子どもたちを連れて、釧路湿原に戻ってくるのでしょう。

 釧路湿原はまだまだ寒いですが、ぜひ一度、この時期ならではの水鳥観察にいらしてください。水鳥はもちろんのこと、晴れた日には湖面がキラキラと輝き素敵な景色を眺めることが出来ます。

 4月21日(日曜日)には、平成30年度自然ふれあい行事イベントとして、「早春の湿原 野鳥観察会」が標茶町にあるシラルトロ湖・蝶の森周辺で開催されます。このイベントでは、森の野鳥やシラルトロ湖に飛来している水鳥について、専門家の解説を聞きながら観察できるので、是非ご参加ください。お申込みやお問合せ先は塘路湖エコミュージアムセンターへ。

お申込み・お問合せ先

塘路湖エコミュージアムセンター

電話番号:015-487-3003

開館時間:午前10:00~午後5時(4月~10月)

休館日:毎週水曜日