アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
知床・羅臼の身近な植物1
2018年04月26日東京ではとっくに桜が散っておりますが、知床・羅臼周辺はようやくフクジュソウが咲き終わろうとしているところです。桜が咲くのは早くてもGW終盤ではないでしょうか。
春。雪解け後真っ先に花を咲かせるSpring ephemeralたちに目を奪われる季節です。そんな植物が身近にあると思わず脚を運んでみたくなるものです。皆さんの周りにはどんな植物が生えているでしょうか。
知床には大小様々、およそ1000種の植物が確認されています。海岸から高山帯に至る様々な環境が凝縮されたこの半島はまさに植物の宝庫。そんな知床で見られ身近な植物を今回から1年間(予定)紹介していきたいと思います。
さっそく見ていきましょう!
まずはこちらから!
雪解けすぐの岩場で大きな葉っぱを見つけました。
なんでしょう。もう少し近付いてみます。
長さ20cm以上の表面に光沢がある葉っぱが3枚。これはいったいなんでしょう?
お、葉っぱの裏側に何かがついている!
お気付きでしょうか。そう、こちらはシダ植物の仲間です。茶色の帯は胞子嚢(ほうしのう)と呼ばれる胞子をつくる器官が集まったもの、胞子嚢群(ソーラス)です。シダ植物の特徴の一つで、種類を見分けるときの重要なポイントです。
これはコタニワタリ(Asplenium scolopendrium)。※見つけた場所:温泉園地遊歩道
北海道から九州にかけて分布しており、山地の樹林下でよく見られる身近な植物です。一年中葉をつけており、春先のまだ緑が少ない知床を彩ってくれています。見つけたら葉を裏返してきれいに並んだソーラスを観察してみてください。
今回の様に身近だけどマイナーな植物も含めて紹介していきたいと思います。
紹介する植物は知床だから身近というわけではありません。身の回りにないか是非探してみてください。