アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
外来ザリガニ捕まえ、学び、食べる
2018年08月07日こんにちは、釧路湿原国立公園の渡辺欣正です。
今日の日記は、先日参加した「親子で参加!ウチダザリガニ捕獲&試食体験」のレポート。
主催は、釧路湿原国立公園パークボランティアの皆さんで結成されている「釧路湿原国立公園ボランティア・レンジャーの会」、そして釧路湿原で様々な環境調査や自然体験をしている「こどもエコクラブくしろ」。12組38名の親子が参加されていました。
まずは、こどもエコクラブくしろのメンバーが、手作りの紙芝居でウチダザリガニについて分かりやすく教えてくれました。
環境のことを大人から子どもへ伝える機会はありますが、こうして子ども同士というのは新鮮で、参加してくれた子どもたちにより深く伝わっているようでした。
いよいよ捕獲現場へGO!ここは温根内ビジターセンターから5分ほど歩いて行った先にある温根内川。30年前から活動されているパークボランティアの方々は「昔はバケツいっぱいに在来種のニホンザリガニが捕れたんだ。」と言います。
捕獲カゴを引き揚げると...。
お!ザリガニがたくさん入っている!歓声?悲鳴?がいたるところから聞こえて賑やかに。
今度は袋いっぱいに獲れたザリガニをビジターセンターまで持ち帰って計測です。大きさは~?体重は~?オスかな?メスかな?などなど。ウチダザリガニ138匹を捕獲しました。今回は、残念ながらニホンザリガニはいませんでした。
※特定外来生物を生きたまま移動することは禁止されていますが、今回は環境省職員立会いのもと特別に実施しました。
最後はイベントのクライマックス・大試食会!外来生物とはいえ、大事な命。粗末にしないよう塩ゆでして食べました。あっさりしたエビ、という印象で実に美味しかったです。
しかし、楽しかった~♪で終わりにして欲しくありません。こどもエコクラブくしろから「外来生物に罪はありません。持ち込んだのは人間。私たちに責任があります。」と締めの言葉をいただきました。
ちなみに釧路湿原にウチダザリガニが侵入することによる悪影響は、ニホンザリガニがいなくなることだけではありません。ネムロコウホネやヒツジグサなどの水草や釧路川で産卵しているシシャモへの影響なども危惧されています。
<ウチダザリガニのリーフレット>
http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/wildlife/mat/data/pamphlet_1.pdf