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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アザラシの住み家にお邪魔しました

2018年11月09日
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

例年に比べ暖かい日の続く北海道。えりもでは雪の便りもしばらく先になりそうです。

みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか。

8月末から行われている定置網漁。アザラシに関する調査の為、乗船の日々が続いています。

いくら暖かい日が続いているとはいえ、早朝の強風は一層寒さを増し身に沁みます。沁みます。。

私、熊谷は今年5月の着任当初から、周囲の多くの方より「えりもの風はえらい(すごい)から大変だど~」「こっちの波はすんごいんだから!」などと声をかけていただいていたので、少々緊張気味でしたが聞いていたよりも穏やかな日が多く「このくらいなら大丈夫!!」と感じていました。

ですが秋の定置網漁が進むにつれ、強風・高波等の日も増え「みんなが言っているのはこれか...」と、大自然ゆえの厳しさを思い知らされ再び気を引き締めたところです。

(勿論、海況が悪いときは休漁になることもあり、出漁しても安全第一で業務にあたります)

特に今日は海が時化、繰り返す波しぶきの中での漁となりました。

漁も終盤、今後も気を緩めずに逞しく調査に取り組みます!!

そんなある日、漁から戻ると風も落ち着きスカッと晴れ初秋を思わせる天気になっていました。

これは!!と思い準備していたドローンを飛ばしてみると...

思った通り。アザラシたちが気持ちよさそうに岩場で休んでいました。

そんなところで休めるの?という岩礁にいることも...

長い時間こうしていたのでしょうか。陽を浴びている側は体毛が乾き、ぬいぐるみのようにフワフワです。よく見てみると、岩場とアザラシの色柄はよく似ていてどこが境目か分かりづらいところがあるほど。よくできています。

こうしてアザラシの日常を覗いていると、観光でいらした数名が「何をしているんですか?」と話しかけてくださいました。

えりも岬周辺はゼニガタアザラシの貴重な住処となっていること。ゼニガタアザラシは日本で周年見られる唯一のアザラシであること。そしてそのゼニガタアザラシの調査のためドローンでの撮影をしていること...撮影をしているその場所から、アザラシを肉眼でみることはできませんでしたが遠隔操作中のカメラ映像を見ていただくことが出来ました。

「どんなアザラシ?」「わぁ、波が来たら嫌がって顔避けてる!」「これを見なければアザラシがいると知らずに帰るところだった」などなど...色々なことを知って感じていただけたようです。関係者以外とお話しできる機会は少ないので、貴重な機会となりました。

今後も❝ここだからこそ❞の写真や活動の情報を発信していきます!

どんな強風が吹いているのかご興味ある方、ぜひいらしてくださいね(驚きます)