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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の西別岳

2019年03月01日
川湯 杉山万里子

みなさま、こんにちは。

日がだんだんと長くなってきました。

2月上旬には最強寒波がやってきて、川湯もマイナス30度以下を記録しましたが、気づけば厳冬期も過ぎ去っていました。近頃では雪も湿り気を帯び、春が近づいてきていると感じます。

2月27日はパークボランティア有志の方と西別岳に巡視に行ってきました。

冬の山は初めての私ですが、熟練のPVさんが同行してくださったので、安心して登ることができました。

西別岳は冬期林道が除雪されておらず、登山口まで約6キロを歩かなければなりません。

みんなでスキーシューを装着し、もくもくと歩きはじめましたが、林道にはウサギのとめ足や、エゾリスの足跡、ネズミが顔を出した穴、キツネが顔をつっこんだ穴、鳥が飛び立った羽の跡など動物たちの痕跡が私たちを楽しませてくれ、あっという間に2時間で登山口に到着しました。

登山口/西別小屋に到着!

西別小屋の利用記録を見ると、冬期も使用されているようで、遠くカナダから来られている方もいました。トイレもあるので、休憩地点として丁度良く、きちんと整備されているのが有り難いです。

小休憩のち気をとりなおし、スキーシューで緩い斜面を登っていきます。もうこれ以上斜面は登れない、というところでスノーシューに履き替えたのですが、滑るように移動してきたスキーシューに足が慣れていたせいか、待ち構えていたのが急傾斜のがまん坂だったせいか、一歩一歩が重く感じてしまいました。甘えに甘えて、踏み固められた最後尾を歩かせてもらい、なんとか尾根に出ることができました。

緩い斜面をスキーシューで登る

がまん坂

やっと尾根に出ました!正面にリスケ山があります。

リスケ山から見る摩周カルデラと摩周岳の姿は圧巻です。天候にも恵まれ、遠くウトロとオホーツクの流氷まで見ることができました。左手には西別岳の頂上が見えます。リスケ山から西別岳頂上の尾根は、風の吹き付けが強く、高山植物がむきだしになっているところがありました。そのような積雪が少ないところは、登山道沿いにある植生保護のための杭も頭をのぞかせています。杭の内側からはずれないように歩き、高山植物を踏みつけないように気をつけたいですね。

リスケ山山頂

リスケ山山頂から西別岳を望む

西別岳頂上に到着すると、オオワシが旋回していました。この後、オジロワシもやってきました。

つい息をとめて見とれてしまいます。

予定より少し時間が押してしまっていたので、頂上ではあまり長居をせずに下山を始めました。行きは大変でしたが、帰りは気持ちも軽く、さくさく進みます。体力温存のため(?)がまん坂は滑って降りようと小道具を持ってきていたのですが、残念ながら雪もだいぶゆるくなっていて、思うように滑ることができませんでした。その分、スキーシューに履き替えてからは、怖いほど滑り、何度も頭から雪につっこんでしまいました。

頂上から降りてリスケ山方面へ歩く

帰りの林道もあっという間でしたが、丁度2時間かかりました。朝7時半に出発して、夕方4時半に出発地点に戻ってきました。振り返ると西別岳が雄大に夕日に照らされていました。