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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

サロベツの木道

2019年10月08日
利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

サロベツ湿原には、二つのタイプの木道があります。

一つは、多くの方に利用してもらう事を想定した木道です。

代表例として、豊富町にあるサロベツ湿原センターの木道です。

そしてもう一つは、限られた場所にしかなく、限られた人しか使わないため、木道幅が一人分しかない木道です。「調査用木道」と呼ばれています。

どちらのタイプの木道も設置から10年近く経ち、年々痛みが激しくなっています。

そのため、今年は、木道の改修に向けた打合せが多く行われており、現地での打合せに同行させて頂く機会が何度かありました。

日頃、木道を歩く時は、植物や鳥や虫などに一喜一憂する人たちと歩くことが多いため、

そうではない木道歩きはとても新鮮です。

立ち止まる場所が違い、凝視する対象が違い、きれいに咲いている花に目もくれず進んでいきます。

それもそのはず、札幌などから来た担当者や業者さんたちが、限られた時間の中で確認していくからです。

日帰りでトンボ帰りする方もたまにいて、驚くばかりです。

初めは、設計のための打合せでした。今後、実際に設置するための打合せや、完成後の検査などでまた集まる事がありそうです。

大きな工事は、多くの方の手が関わってできていることを実感します。

木道のない湿原を歩いた時の大変さ(平坦に見えて意外とアップダウンがあります)や、ヤチマナコや深みにはまって抜けられなくなるような怖さを思うと、木道のありがたさが身にしみます。

その木道を作り出す作業は、まだ始まったばかりです。実際に工事が行われだすのも冬になってからです。

そして、一度の工事で全てが新しくなる訳ではないので、今後もご不便やご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。

私も、木道のありがたさをかみしめつつ、これからも木道の上から湿原を楽しんでいきたいと思います♪

※※927日、幌延ビジターセンターの木道上で、ヒグマの足跡が確認されました!

木道を利用しているのは、人だけではないようです。

サロベツは、ヒグマが生息・活動している場所です。

その事を理解の上、早朝や夕方に木道を利用される方は、十分ご注意下さい!!