アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
2019年を振り返って~支笏洞爺国立公園指定70周年~
2019年12月26日日中でも気温が氷点下になり、寒さが身に染みる支笏湖。
報告書作成等に勤しんでいる當山です。
さて、今年は支笏洞爺国立公園が国立公園に指定されて70周年目♪(1949年5月16日指定)
この節目を記念し、「今、見つめ直そう。いちばん身近な山と森と湖を」をコンセプトに、本公園の魅力を広く地域内外に向けて発信すると同時に、多くの方々に本公園の魅力を発見してもらう取り組みを実施しました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム☆
9月28日に洞爺湖文化センターで「支笏洞爺国立公園指定70周年シンポジウム」を開催!
「どう活かす?どう守る?みんなに愛される国立公園の未来形」というテーマで、各地域の関連自治体、企業、団体、一般のお客様等、約160名の方々にお越しいただきました。
始めに、「基調講演1」一般財団法人自然公園財団専務理事の阿部宗広氏から「国立公園~地域で活かし、守る日本の宝~」と題して、洞爺湖でのレンジャー時代の思い出話を織り交ぜながら、日本の国立公園の歴史・概要や支笏洞爺国立公園の特徴、保護及び利用者の増加策、将来の課題等について説明していただきました。
次に、「基調講演2」ミュージアムアドバイザーの染川香澄氏から「人々の経験を豊かにするには-ミュージアムでの先進的なプロジェクト」と題して、関心を持たない人に利用してもらうために数々の事前調査、試験イベント等による多角的な意見の集約と試行錯誤を繰り返した事例が紹介されました。現場の一人一人が自分の頭で考え、チームで取り組み、慣習に囚われることなく、利用者も巻き込んで、楽しいプロジェクトをつくっていくことの重要性等について語っていただきました。
パネルディスカッションでは、「支笏洞爺国立公園 指定100周年に向けて」というテーマで国立公園内の各地区関係者が、本公園についてどのような自然・景観の保護、利用・サービスの提供、管理運営を行い、どういった空間に作り上げていくかについて議論されました。
各地域に共通する課題としては、自然体験プログラムを充実させ、各地域の滞在時間の延長を図る(もう一泊してもらう)ことが示唆されました。
私は特に、「高齢化等により営業の問題を抱える商店街への対策の必要性」や「国立公園利用者向けのアプリの開発(羊蹄山の冬季B.C.スキーの遭難対策として)」、「広大なエリアを管轄する国立公園のレンジャーを増員させること」が印象に残りました。
オーバーユースや商店街の後継者、レンジャーの少なさ、外来種問題等、多くの課題が山積みではありますが、新千歳空港が近くアクセスの良い立地で、地球の鼓動を感じる活火山と清澄な湖、それを囲む森林、道内屈指の温泉を満喫できる魅力が溢れ、まだまだ可能性を秘めている公園だと思います。利用に傾き過ぎるのではなく、この自然を活かしつつ、多くの方々に楽しんでいただき、"この自然を後生まで残していきたい"と思うファンが増えると更に良くなるのではないかと感じました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念マーク及びポスターの作成☆
広報・普及啓発に役立てるため、ロゴマークとポスターを作成しました。これらを見かけた際は、本公園のことを思い出していただけると嬉しいです(^^)
☆支笏洞爺国立公園指定70周年記念インスタグラムフォトコンテスト☆
インスタグラムアカウントを開設し、6月~11月までフォトコンテストを実施しました♪
※「10年後に残したいあなたのお気に入りの風景」をテーマとし、投稿された写真の中から毎月5名様に記念品をプレゼント!
投稿者の皆さんの写真は、普段、私が見ている景色とは違ったものが多く、視野が広がり、新たな魅力を再発見することができました。
☆支笏洞爺国立公園指定70周年 関連イベントカレンダー☆
地域のみなさんにご協力いただき、本公園の自然・まつり・アクティビティを楽しめるイベントを掲載したカレンダーを作成し、観光案内所や道の駅等に配布しています。3月まで掲載されているので、ご参加下さい。
※詳細はこちら↓↓
●支笏洞爺国立公園指定70周年事業について
http://hokkaido.env.go.jp/post_73.html
●イベントカレンダー(2019.10-2020.3)
ちなみに・・・
1月24日(金)から「千歳・支笏湖氷濤まつり」が始まりますが、そのプログラムで「支笏洞爺国立公園指定70周年記念○×クイズ」を実施する予定です。最後まで勝ち残った方々には、素敵な景品もご用意していますので、こちらにも是非、検討しながら、素敵な新年をお迎え下さい♪
※詳細はこちら↓↓