アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
春一番 ペンケ沼清掃
2020年04月10日今朝は一面真っ白な冬景色に戻っていた稚内。雪の白さと晴天の青さに感激しつつも、三寒四温に戸惑っている、サロベツ担当の青山です。
4月のカレンダーがめくれてすぐの4月4日(土)、今年度最初のパークボランティア活動「ペンケ沼清掃」を行いました。
ペンケとは、アイヌ語で"上にある"を意味しているそうで、実際にサロベツ川の上流にあるのがペンケ沼です。下流には、パンケ"下にある"沼もあります。
パンケ沼はサロベツ最大の沼で、パンケ沼園地として駐車場や木道を整備していますが、
この日活動を行ったペンケ沼の方は、道路が通じていないため普段はなかなか行くことができない場所です。そのためペンケ沼は、ねぐらや繁殖地として多くの鳥たちに大人気の場所となっています。
そんな鳥たちの楽園にたくさんのゴミがあることを、鳥の調査で訪れたパークボランティア(PV)さんから聞き、昨年度からゴミの清掃を始めました。
ペンケ沼へは牧草地を通らせて頂き向かいます。
※牧草地は勝手に入ってはいけない場所です!今回は、確認をとった上で通らせて頂きました!
牧草地には、北上途中のマガンなどがたくさん来ていました。
南から北へ渡る鳥たちは、植物よりも早く、私たちに春の到来を教えてくれます。
そして、沼近くまで行くには藪漕ぎが必要です!
年々、ササが高くなり、看板も人も埋もれそうな程です。
このササができるだけ寝ているうちに行きたい!という事で、PVの春一番の活動になりました。
ササに足を取られながら、頑張って足を上げて進むと、ペンケ沼が見えてきます。
まずは野鳥観察からです!
マガンやオオヒシクイ、オオハクチョウにオジロワシ、カワウもいました。
声も大音量で聞こえてきます。
飛ぶときの羽音がまた大迫力です。
最初にご褒美を堪能し、本題のゴミ拾いがスタートです。
沼岸に流れ着いているペットボトルやガラス瓶などのゴミが目立ちます。
どこかで捨てられた物が流れ流されたどり着いた場所がここだったのでしょうか?
人の手が入っていない場所で、人の出したゴミが散乱している景色は、とてもせつないです。
しかも今年は既に水で満たされていたため、そのたくさんのゴミの所までたどりつけない歯がゆさがありました。
それでも、手を伸ばしたり、木などを利用しながらできるだけ回収しました。
風もなく、うっすら日差しが注ぐなか、
一枚二枚と着ていたものを脱ぎながら、汗を流しながらの作業を1時間半ほど行いました。
用意したゴミ袋がなくなり終了。
帰りは、雪が残っていた場所を通り、ずぼっと落ちたりしながらも楽にササの上を通り過ぎました。
昨年の反省を踏まえ、大きなゴミを切ったりできるように用意したナタやノコギリなどを駆使し、回収したゴミは全てゴミ袋に収めることができました。
今年回収したゴミの量は、40ℓのゴミ袋14袋分、重さにして40kgでした。
ご褒美つきながら、翌日の筋肉痛もついてきてしまう春一番の活動、お疲れ様でした!