アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
四十三山(よそみやま)とは?
2020年07月09日初めまして!
4月から洞爺湖管理官事務所のアクティブ・レンジャー(以下;AR)に着任いたしました、
小松 瑠菜(こまつ るな)と申します。
これから支笏洞爺国立公園(羊蹄山・登別・洞爺湖周辺)の美しい自然やイベント等の情報を
発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
(支笏湖・定山渓周辺につきましては、當山ARのAR日記をのぞいてみてくださいね☆)
さて、早速ですが、記念すべき第1回の投稿を飾るのは「四十三山(よそみやま)」です☆彡
「なんで四十三山?!洞爺湖じゃないの?!」と思った方もいるでしょう。笑
なぜなら、四十三山は私が初めての野外業務を担当した思い出の山だからです♪
実はこの四十三山、2009年8月に日本初の「世界ジオパーク」として登録された
「洞爺湖有珠山ジオパーク」のエリア内なのです!
ジオパークとは?
地球(ジオ)を楽しむ自然公園です。
地形・地質学的にも重要で価値のある場所を保護・保全しながら、ビジターセンターや
展示施設・自然観察路、解説看板やガイドブックを通じて教育や観光に活用しています。
洞爺湖有珠山ジオパークはユネスコが支援する世界ジオパークネットワークの一員です。
(小冊子:洞爺湖有珠山ジオパークガイド01『四十三山(明治新山)ルートを歩く』
著・宇井忠英、岡田弘、加賀谷仁左衛門)より
四十三山の名前は、1910年(明治43年)の有珠山噴火の際に誕生した山であることから、
命名されました。別名・明治新山とも言うみたいですよ♪
噴火直後は不毛の地であったこの山は、110年の時を経て、こんなにも緑が回復しました♪
四十三山開通の際、パークボランティアさん(以下;PV)と一緒に、
看板の清掃作業、倒木の撤去作業、登山道の整備などを行っています!
四十三山では、他にもPVさんたちと一緒に、ゴミ拾いや草刈り、
金比羅山(噴火後20年経過)と四十三山(噴火後110年経過)の植生の違いを調査しました☆
【4月に観察した植物】 @四十三山
【6月に観察した植物】 @四十三山
今回、見つけることは出来ませんでしたが、他にもフクジュソウ、コハコメ、ツルアジサイ、
カンボク、ニセアカシア、コメツブウマゴヤシ、オオイヌノフグリなどのお花も、
この時期の四十三山で見ることができるようです♪
樹種はミズナラ、ホオノキ、ハリギリ、エゾヤマザクラ、トドマツ、オオカメノキ、アズキナシ
などを見ることができました!
場所によっては陰樹も数多く生育しており、遷移を確認することができます!^^
樹種も安定しているようです♪
【6月観察した植物】 @金比羅山
写真にはありませんが、このほかにもノラニンジン、シロツメクサ、アメリカオニアザミ
などのお花が確認できました!☆
きれいなお花がたくさん咲いていますが、実はこれ...外来植物も多いんです...;;
遷移が移りゆき、植生が回復する中で、外来植物も入り込んでしまうんです。
そのため、PV活動で要注意外来生物であるアメリカオニアザミの駆除活動を行いました!
樹種はヤナギ、ニセアカシア、ドロノキ、カラマツ、シラカバ、カツラ、タラノキ、アキグミ、カエデ、
ホオノキ、ヤマグワ、ミズナラ、ハリギリ、ミズキなどが見られました!
こちらは、一時遷移が始まってまだ20年しか経過しておりませんが、
ここまで植生が回復していることに驚きました...!
火口付近はまだ裸地が多く見られますが、ヤナギが優先して生育しており、
シラカバなども確認できました!☆
皆さまいかがでしたか?
金比羅山は1時間、四十三山は2時間程度で登れるお手頃な山です♪
フットパスも整備されているため、日帰りでサクッと登って、
帰りは有珠山の恵みである洞爺湖温泉に入ることもできますよ☆
※令和2年7月8日現在、周辺でクマの目撃情報が相次いでいるため、
閉鎖しているフットパスがございます。ご注意ください。
植生の遷移をこんなにも間近で感じられるのは、"火山があるから"こそです。
『火山』 は人間生活に支障をもたらすイメージが大きいですが、
その分大地に与える 『恵み』 も大きいです。みなさんも一緒にその魅力に浸ってみませんか?♪