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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

現場の後は事務仕事...

2020年07月15日
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは!

えりも自然保護官事務所の熊谷です。

えりも町では、春(5月上旬~7月初め)と秋(8月末~11月下旬)にサケの定置網漁が行われています。

ここに併せ、えりも自然保護官事務所では周辺海域で生息する「ゼニガタアザラシによる食害調査」を実施しています。

今年の春も、毎日乗船しての調査を実施しました。

この数年、記録的な不漁が続いているため期待半分不安半分で始まった今年の定置網漁でしたが、結果は奮わず...サケマスの大漁を見ることなく漁期終了を迎えました。

定置網は定められた場所に置かれた網に泳いできた魚がかかります。

漁期が長いのでシーズンが進むにつれ水温や海況に変化があり、例年であればかかる魚種も少しずつ変化していくところですが、今年は最初こそその傾向は顕著でソウハチガレイやスケトウダラの漁獲が目立ったものの、5月後半以降は漁獲は少なく魚種が多い状況が最後まで続いたことが、今年の特徴だったように思います。

この他にも、イワシ、ニシン、イカ、ゴッコ(ホテイウオ)などもかかりました。

漁が終わった今、私の主な仕事は2カ月間とり溜めたデータをまとめること。

船に揺られながら書きとった数値や情報をPC入力したり、グラフを作ったり。体力気力勝負の調査から、頭を使う作業へとパッと切り替えせっせと事務仕事を進めています。その際、調査用紙にはウロコが付いていたり、船上で漁師さんとどういった調整をしていくのがよいか等話し合ったメモが残っていたりと海水まみれの調査の日々が思い出され、漁期が終了したことをしみじみと実感しています。

表やグラフを起こしてみると、乗船期間中に抱いた感覚が目で見て分かり「この感覚は正しかった」「この感覚は少しずれていた」など確認することもでき、どんどんえりもに詳しくなれる気もしています。

データまとめの後には、調査用紙の様式変更、水中カメラテストなどが待っています。

現場仕事の多い私たちも、こんな風に事務所にこもって事務仕事という日も少なくありません。

まとめが済んだら今期見えてきたことなど、何等か皆さんにお伝え出来るとよいと思っています。

また、現在 襟裳岬「風の館」では7月20日正午までアクティブ・レンジャー写真展を開催中です。

各地域のアクティブ・レンジャーが業務中に出会ったとっておきの瞬間を収めた写真、どんな風にして撮ったものか、被写体にはどんな特徴があるのかなどの情報もお伝えしています。

私からはもちろんゼニガタアザラシ、なぜか春にしか姿を現さない場所で撮影した"えりも町らしい"自慢の1枚を出展しています。よろしければこの週末お出かけください。

令和2年度「アクティブ・レンジャー写真展~北の自然の舞台裏~」

開催場所・期間等の詳細はこちら↓をご覧ください。

http://hokkaido.env.go.jp/pre_2020/post_122.html