アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ひょうたん沼スノーシューハイキング
2021年02月03日みなさん、はじめまして。
阿寒湖管理官事務所の鈴木達郎です。
これから、阿寒の自然や私たちの活動について紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
1月22日(日)、阿寒湖畔エコミュージアムセンター主催の自然ふれあいイベント「ひょうたん沼スノーシューハイキング」に同行してきました。
ひょうたん沼は阿寒湖畔から東へ10kmほど離れた、鶴見峠の入り口に位置する沼です。この沼は、春から夏の釣り利用を除いてほとんど人の立ち入りが無く、ひっそりとした雰囲気が魅力のスポットです。
特に冬期は、林道の閉鎖にともない車の通行が制限されるため、沼周辺は一層静まりかえって、耳を澄ませば動物の息づく声さえ聞こえてきそうなほどです。
今回はツアー参加者とスタッフ合わせて総勢21名で森にお邪魔しました。
スノーシューを装着し、森に入ろうとしたところで早速動物の足跡を発見しました。
▲前後に長い後ろ足と、真ん中にちょんと着いた前足の跡。この特徴的な足跡は、エゾユキウサギですね。
▲足跡と一緒にまん丸い糞も転がっていました。
木材を細かく砕いてそのまま丸く圧縮したような面白い見た目です。
可愛らしい痕跡に皆さん顔を綻ばせながら、木々の間を抜けていきます。
今季は雪が少なかったためか、斜面でもどこでも随分歩きやすくなっており、余裕を持って自然を楽しめました。
▲地面の段差から垂れ下がって大きく成長した霜の結晶。
場所によって風向きや湿度などの条件が異なるのか、まるでビーズで出来た針葉樹の葉のような形状もあれば、もこもこした羽毛のような形状もありました。
▲阿寒湖畔エコミュージアムセンター野竿さんによるオヒョウニレの解説。
エゾシカによる食害の傷跡が痛々しい...。オヒョウニレ内皮は強靱な繊維質になっており、アイヌの人々はかつて布や衣服に利用していたそうです。
▲結氷したひょうたん沼の湖上から仰ぎ見る雄阿寒岳。
雲一つ無い青い空と真っ白な雪原に挟まれて非常に美しかったです。
▲ひょうたん沼のアイスバブル。
氷の層が10層以上も重なり、中に多数のアイスバブルが閉じ込められた幻想的な様相を呈していました。
今回は残念ながら動物と出会うことはありませんでしたが、写真で紹介した他にもエゾリスの食痕、エゾシカやキタキツネの足跡、したたかに根付く樹木の数々など、様々な自然の営みを観察出来ました。
来月は、阿寒湖から国道240号線を挟んで南側にある、前田一歩園財団が管理する「光の森」をスノーシューで歩くイベントが開催されます。光の森は、温泉街近郊であるにもかかわらず、一般には開放されていないエリアで、ひょうたん沼と同様に動植物のありのままの姿を楽しむことが出来ます。
冬のハイキングが初めてという方でも参加しやすいイベントですので、是非お気軽にご参加下さい。
・一歩園の森展望ハイキング
■日時 :2月14日(日)午前10時~午後3時半
■集合場所:阿寒湖畔エコミュージアムセンター
■参加費 :1,000円
■主催 :阿寒湖畔エコミュージアムセンター
※申込受付は阿寒湖畔エコミュージアムセンター(0154-67-4100)までご連絡下さい。
イベント詳細は阿寒湖畔エコミュージアムセンターのインスタグラム(https://www.instagram.com/p/CKs7H11nLs7/)にも掲載しております。
※新型コロナウイルスの状況により、開催を中止させて頂く場合がございます。悪しからずご了承下さい。