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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

オジロワシ・オオワシ 越冬調査

2021年03月04日
苫小牧 大久保 智子

こんにちは。

先日の早朝、元気よく鳴いていた小鳥たちに春が近いことを教えてもらった、野生生物課の大久保です。

オジロワシ・オオワシは冬になると北海道にやってくる大型の猛禽類です。

空高く、大きな羽を広げ、優雅に旋回する姿に目を奪われる人は少なくないと思います。

                                オジロワシ

オジロワシ・オオワシは、夏の間は極東ロシアで繁殖し、冬に北海道などで越冬して、春には極東ロシアへ戻っていきます。

彼らは、主食の魚がよく捕れる川や海沿いに生息していて、繁殖地の水辺が凍り始める10月下旬頃から、北海道を中心とする国内の越冬地に移動してきます。オホーツク海が流氷で閉ざされる2月頃には北海道での生息数が最大になり、3月初めに北へ戻り始めます。

環境省では、オジロワシ・オオワシの保護を進めるうえでの基礎資料とするため、数年おきに全道越冬数調査を行っています。先日私は札幌圏内の調査に同行してきました。

調査日の2月21日は気温は-1℃前後でしたが、快晴で風もほぼ無く、日差しが暖かく感じられた調査日和。よくワシ類が目撃されているという石狩川沿いの数カ所で調査を行い、川沿いで木に止まっているワシ達を見ることができ、オジロワシ14羽、オオワシ7羽を確認しました。

                                 調査風景

今回の調査では、ワシの越冬状況を知る以外にも、自分の生活圏付近でワシ類を見られるという、北海道の自然環境の素晴らしさも再認識することができました。

札幌近郊にオジロワシ・オオワシが生息していると知ったのは、去年の冬、市内の道路沿いで怪我しているオジロワシを保護したときでした。人の暮らしの近くで生息している分、交通事故なども見受けられるようになっています。

環境省では、人間の活動が要因となっている事故が少しでも減るように、原因を究明し再発を防止するための様々な取り組みを行いオジロワシ・オオワシの保全に努めています。

                                 オオワシ

                               オオワシ幼鳥

まだ寒さが厳しい日もありますが暦の上では春なので、そろそろワシたちも北へ向かう時を見計らっているかもしれません。

また来年の冬にもワシ類達の元気な姿を見ることができますように。