アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
しれとこのこと
2021年06月17日のびをするよう葉を展開させ、緑が美しい季節がやってきました。
こんにちは、羅臼自然保護官事務所の高林です。
「知床」と言えば手つかずの自然といったイメージを持たれる方も少なくないと思います。
しかし、知床半島には、数千年にさかのぼる先史時代の遺跡が数多く残されています。
その中でも10 世紀前後にオホーツク海沿岸で栄えた北方の漁猟民族によるオホーツク文化の影響を受けて、アイヌの人々は、シマフクロウやヒグマ、シャチ等を神と崇め、狩猟や漁労、植物採取等をしながら、豊かな自然を大切にした文化を育んだと言う歴史があります。現代史においても、特に羅臼町側は知床半島の先端部地区まで漁業が盛んであり、知床は先史時代から現代にかけて豊かな自然と人々の暮らしがあるといえます。
そんなことを感じたある休日の出来事をご紹介します。
羅臼町内を散策中、野生動物が歩くことにより土が露出している場所や、雨水や崩落により土が露出することがあります。よくよく目をこらして歩くと・・・
きらりと光る黒い石を見つけることがあります。
羅臼町郷土資料館
そして時にはこのように土器を発見することがあります。
こちらの土器は羅臼町の郷土資料館の学芸員さんに確認したところ、続縄文文化期のものでしょうとのことでした。
ロマン溢れる土器・・・一度手にしてみたい!と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし!埋蔵文化財ですので、掘り起こさないで下さいね。
発見したときには、その街の博物館や郷土資料館へ連絡しましょう。
町内を歩いていると、住居跡であろうくぼみや石鏃、獣骨を発見することもあります。
この写真の周辺にも年代の違う遺跡が2つ確認されています。
この景色を当時生きた人たちも見ていたのでしょうか?
オホーツク文化期の遺物には動物意匠(モチーフ)のものが多く存在します。(動物意匠遺物といいます。)
羅臼町松法川北岸遺跡から出土した熊の形を模して作られた熊頭注口木製槽は国の重要文化財に指定されています。
いつか、動物意匠遺物に出会えることを夢見て・・・