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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

樽前山コマクサ除去

2021年07月06日
支笏洞爺国立公園

こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。

コロナウイルス感染症拡大の影響で、パークボランティア活動ができない状況が続いていましたが、先日、今年度初めての活動となる樽前山のコマクサ除去作業を実施する事ができました。今回はその様子をお届けいたします。

コマクサは「高山植物の女王」とも呼ばれ、北海道では大雪山系や日高山脈・知床半島の一部に分布しています。樽前山には本来生育しておらず、現在生育している個体は過去に人間によって持ち込まれたものです。そのため、環境省では樽前山本来の自然を取り戻すため、平成16年から継続的に抜取り作業を行っており、今年度は初めて支笏湖地区パークボランティアの皆さんと一緒に作業を行いました。

コマクサを除去する地点は山頂付近にあるため、自然観察をしながらまずは皆で登山です。

除去地点に到着後、長年除去作業に携わって下さっている講師の方からコマクサの生態や特徴について解説いただき、作業開始!

綺麗なコマクサの花を抜き取ってしまうのは少しかわいそうな気持ちもありますが、樽前山のコマクサは園芸用の品種が持ち込まれた可能性もあるそうです。放置しておくと元々生育しているイワブクロ(タルマイソウ)やコメバツガザクラといった植物や樽前山の生態系に悪影響を与えてしまうかもしれず、コマクサ生息域の拡大を防止しなければなりません。

当日の樽前山山頂付近は濃霧と強風で、午前中で作業を終了しましたが、皆さんとても熱心に作業を行って下さいました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございます!

気軽に高山植物を見ることができる樽前山には、年間を通じて多くの登山者が訪れます。皆さんも「登山道を外れない」「ゴミを捨てない」といった基本的なマナーを守って樽前山の自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。