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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

乗船調査、キックオフ!

2021年09月14日
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさん、こんにちは。

最近のえりもは、各地でススキがそよそよと揺れていて紅葉も始まりました。風もひんやり、すっかり秋になりました。

こんな風に季節の移り変わりを感じたとき、えりものアクティブ・レンジャーならではの職業病でしょうか。私の中でどこかソワソワし始めます。

それは、秋サケ定置網漁が解禁するから〇 春に続き、秋にも定置網漁が行われているえりも町。

立派なサケを期待したいところですが、水揚げ初日となった9月2日、そのほとんどはサケではなく、立派なブリでした。その後も、サケよりブリが多く水揚げされています。要因の一つとして、近海の水温が高く推移しているためと考えられます。

ブリは成長過程によって名前が変わる「出世魚」として有名です。ここ3~4年、えりもでもブリがあがるようになりましたが、9月中旬ごろまでフクラギ(~40㎝程度)がほとんどでしたが今年は立派なブリ(60㎝以上)且つずっしりと重さもある特大サイズばかりです‼

漁が開始される季節は毎年同じです。

魚の種類は同じでも、獲れる時の成長過程に変化が見られました。何が影響しているのでしょうか。今後、水温や他の魚の漁獲状況を見守りながら考えてみたいと思います。

▼網のあるポイントに移動中   朝陽がキレイ~!

現状はサケよりもブリが多く揚がっている状況ですが、秋サケ定置網漁は11月20日までと約3ヵ月続きます。この間、さらに季節が進み水温が下がったこの海に多くの秋サケが来遊してくれることを願います。

私たちえりも自然保護官事務所の職員は、この定置網漁の期間中、襟裳岬周辺海域に生息するゼニガタアザラシとそのアザラシがもたらす漁業被害調査のため、地元漁師みなさんの協力を得て乗船調査を実施します。

今はまだ、穏やかな海況が続いているえりもですが、この先はそうも言っていられません。10月になれば猛烈な突風や高波も増えます。

 ■危険と隣り合わせということをよく理解する

 ■必要な準備はぬかりなく

 ■"慣れ"を理由に気を抜かず、緊張感を持って長期戦の調査に臨む

これらを改めて意識し、気持ちを整えたところです。

 

映したいところをしっかりと捉えられるよう、紐の長さや結び方を整えます。

結び方には「こういう状況や場所にはこの結び方がよい」という適性があります。私たち職員がこれでいいかな、と思うものでやったとしても海中でのうねりが強かったり潮の流れが早かったりで解けてしまうこともあるので、漁師さんに良き結び方を教わります。

このように、準備に不足はないか、今期の業務が上手く進むか...

今年は豊漁となるのか、水温や潮の流れはどうか、いつ頃から気をつけなければいけない風が吹き始めるか(秋ごろから、下からかと思えば上から...複雑かつ突風が吹き始めます)...これら自然環境は私にコントロール出来なるものではありませんが、業務の進捗に大きく関わります。これから起きる色んな場面を想定してソワソワソワソワ。

長い漁期、またタイミングを見て経過報告等ご紹介します!

この季節の楽しみはコレ!早起きしていてよかったと思える瞬間です。

美しい朝焼けは絶景✨