アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
外来植物除去作業
2021年09月06日こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。
今回は、8月中旬に※1支笏湖地区パークボランティアの皆さんと行った「外来植物除去作業」の様子をお伝えします。
「外来種」とはもともとは生息していなかった地域に、人間によって持ち込まれてしまった生物種のことを指します。それらの生物の中には、本来生息していた生物と競合して生態系のバランスを壊してしまったり、ときには私たちの身体に悪影響を及ぼしてしまう危険なものもあります。支笏洞爺国立公園では、この地域の本来の自然の姿を保つため、外来種の生息調査や除去作業を毎年行っています。今回はパークボランティアの皆さんと、オオアワダチソウという植物の除去を行いました。
オオアワダチソウは、北アメリカ原産の植物で、明治時代に観賞用に日本国内に持ち込まれました。黄色い花が咲くととても目立つので、空き地や道路脇で見たことがある方も多いと思います。繁殖力・生命力が非常に強く、在来の植物を押しのけて分布を拡大し、生態系に悪影響を与える恐れがあるため、環境省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」※2に掲載されています。
オオアワダチソウ
除去作業の様子
今回はモラップキャンプ場の周辺で作業を行いました。1時間半の作業で、約113.7kgのオオアワダチソウを除去することができました。ご協力いただいたパークボランティアの皆さん、ありがとうございました。
外来種は人間によって持ち込まれ、駆除の対象となっている生物で、彼らには何の罪もありません。ときには駆除してしまうのは可愛そうだと感じてしまうものもありますが、もともといた在来の生物や本来の生態系を守るためには必要なことです。外来種問題は国立公園内など自然が豊かな土地だけの問題ではなく、皆さんにとってもとても身近な問題だと思います。外来種被害予防三原則の「入れない」「捨てない」「拡げない」にご理解とご協力をお願いいたします。
外来種問題についてもっと詳しく知りたい方はこちら
環境省 日本の外来種対策(http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)
※1 北海道への緊急事態宣言発令前に実施された活動です。
※2 正式名称:我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト