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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

森の生き物~10月、紅葉盛る豊似湖~

2021年10月25日
えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは。

えりも自然保護官事務所の熊谷です。

グッと冷えてきましたね。

そろそろ紅葉も見ごろかなと楽しみにしていましたが、先日の雨風で「天馬街道」の一部はいくらか散ってしまったようでした。しかし、ハート♥の湖として有名な「豊似湖」やその周辺ではまだまだ楽しめそうです。

えりもにお越しの機会があれば是非足を伸ばしてみてください。

ただし足元はぬかるんでいることもありますので長靴があると安心。また、山に入れば気温が低いことが多いです。風を避けられるは織物をお忘れなく!

普段、魚やアザラシと海の生き物の話題をお届けすることが多い"えりも"から、今が紅葉真っ盛りの豊似湖への道中、森で出会った生き物をご紹介します。

...この日、私は数年越しの存在に出会いました!!

その正体は「ナキウサギ」。

日本では北海道のみで確認されており、標高1,500m付近の冷涼で石や岩のある場所に生息するとされています。これに比べ豊似湖は標高約260mととても低い場所に位置していますが、ここにもナキウサギが生息しています。これまで豊似湖にナキウサギがいることは把握しており、行く度に鳴き声は聞けるものの姿が見れない...という日々を過ごしていました。

しかし、この日は違ったんです!

視界の片隅で、なにかが動いた気がしました。

しばらく同じ方向を見ていると、また動いた!これを数回繰り返し、やっと肉眼で捉えることが出来ました。

昨年か今年生まれでしょう、まだ幼いナキウサギがせっせと巣穴に葉っぱを運び、行ったり来たり。

私は海の生き物や環境に目が行きがちで、こんなに近くにナキウサギが生息していると聞いた時にも特にピンときていませんでした。しかし、何度行っても鳴き声しか聞こえないナキウサギに会いたい気持ちが募ります。数年越しの思いが届いたようで、また自分で見つけることが出来た喜びも相まって嬉しかったです。

▼まだまだ小さなナキウサギ

    

別の場所でカサカサと何かが素早く動く様子を察知。ナキウサギが動いたときの音と少し違っています。でもその正体はすぐに見つけられません。そっと前へ歩みを進めると、目の前に何かが飛び出してきたその正体は...大事そうにナナカマドの赤い実を持った「シマリス」でした。ちょうど私の足元付近にナナカマドの実が落ちており、次々拾って忙しそう。フワフワで可愛らしい。

▼シマリス

この日出会ったのはこの2種だけではありません。

もう一度ナキウサギを見ようと先ほどいた場所に目を向けると、シマリスの様に素早く動くものを発見。カメラをできるいっぱいまで望遠してみると、今度はふっくらかわいい「エゾリス」。

木の皮を剥いでみたり、エサを探しているようでした。

▼エゾリス

そして豊似湖から山を下りていると、今度は大物に出会いました、「エゾシカ」です。

この時期オスは大きな角を携えています。色は森に溶け込んでいるため、近くまで来てやっと存在に気付くことが多いほか、ジャンプ力の優れたエゾシカです。急に飛び出してくることもありますので運転時はスピードを出しすぎないよう注意が必要です。

北海道ではよく出くわすエゾシカ。たまにはと思いカメラを向けると、なんだか雰囲気のある写真が撮れました◎このまま森に導いてくれそうな、そんな感じがしました。

▼エゾシカ

 

この日だけで複数種の野生生物に出会えました。

今回は森ですが、空に目を向ければ多くの種類の鳥が生息または飛来してきていることにも気づきます。冬は鳥が沢山見られる楽しみにしている季節です。

えりも自然保護官事務所の業務の多くは「ゼニガタアザラシ」に係るもののため、どうしても海関連の内容が多くなりますが、その他にも、えりも町には沢山の野生生物が暮らせる豊かな環境があることも知っていただけたら嬉しいです。

季節に合わせ、ご紹介の予定です。お楽しみに!