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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

鳥インフルエンザ研修会2021

2021年11月29日
苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

昨年は全国で野鳥における鳥インフルエンザが蔓延し、

今年は静かでいてほしいと思っていましたが、願いむなしく

野鳥では3件、家きんでは国内4件で高病原性鳥インフルエンザが発生し、

現在、対応レベル3になっているところです。(11/29 12:00現在)

◆対応レベルとは

 高病原性鳥インフルエンザの発生状況により環境省が対応レベルを設定しています。

 対応レベル1:発生のないとき。(通常時)

 対応レベル2:国内単一箇所において、国内の野鳥、家禽及び飼養鳥で

        高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された場合。

        (国内単一箇所発生時)

 対応レベル3:国内単一箇所発生から30日間以内に国内の他の個所において、

        国内の野鳥、家きん及び飼養鳥で感染が確認された場合。

        (国内複数個所発生時)

 ※近隣国における高病原性鳥インフルエンザの発生状況により対応レベルを引き上げることもある。

11月19日のウトナイ湖での野鳥監視。この日は野鳥の異常はありませんでした。

鳥インフルエンザは、感染力の強さ、とくに家きんに対して高致死性を示す病性などから家きん産業に及ぼす影響が大きいため、家きんの防疫対策として野鳥対策が重視されています。

渡り鳥などの野鳥の移動が、高病原性鳥インフルエンザウイルスの長距離の広がりに関与していることが疑われています。しかし、通常渡り鳥などの大型の野鳥が家きん舎に入ることはなく、家きん舎を出入りするのは人や物、スズメなどの小鳥、ネズミなどの小型哺乳類の例が知られているところですが、今までに、国内では家きんへの感染経路は明らかになっていません。

なので、家きんへ鳥インフルエンザウイルス感染させないように、野鳥との直接的・間接的接触の防止、衛生管理の徹底が求められています。

◆鳥インフルエンザ対策への協力のお願い!!

・同じ場所でたくさんの野鳥が死亡している場合には、環境省もしくはお近くの自治体にご連絡ください。

・もし、野鳥など野生動物の死亡個体を片付ける際には、素手で直接触らず、使い捨ての手袋などを使用してください。

・日常生活において野鳥など野生動物の排泄物等に触れてしまった場合、手洗いとうがいをしっかりと行って下さい。

・野鳥の糞が靴の裏や車両につくことにより、鳥インフルエンザウイルスが他の地域へ運ばれる恐れがあるので、野鳥に近づきすぎないようにしてください。特に靴で糞を踏まないよう十分に注意して、必要に応じて消毒を行ってください。

・不用意に野鳥を追い立てたり、捕まえようとするのは避けてください。

10月26日のウトナイ湖での野鳥監視。ツルシギがいました。

環境省では、高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と被害の最小化に努めており、野鳥による鳥インフルエンザウイルスの早期発見、対策を心がけています。

北海道地方環境事務所では、国指定鳥獣保護区を軸に、野鳥の異常などの発見・報告があった場合に早急に対応できるように、毎年野生生物課職員及び、各現地事務所の職員にも鳥インフルエンザ対策の研修を行っています。

今年も鳥インフルエンザについての基礎知識と、鳥インフルエンザ簡易検査の仕方などの研修を行いました。

今年も昨年に引き続き気を引き締めるシーズンとなりそうです。

鳥インフルエンザウイルスについては、むやみに恐れる必要はありません。正しい情報に基づき、行動してください。

死亡した野鳥を見つけた場合には、触らず、お近くの自治体までご連絡ください。