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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

洞爺湖中島の外来種駆除活動

2021年11月09日
洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

時差投稿になりますが、洞爺湖風景林(洞爺湖畔地区・洞爺湖中島地区)保護管理協議会主催の

「洞爺湖中島の外来種駆除」に、パークボランティアさんたちと参加してきました。

洞爺湖中島には、様々な植物が生育していますが、近年は本来分布していない生態系被害防止外来種であるアメリカオニアザミも生育しています。アメリカオニアザミは繁殖力が非常に強く、刈り取り後の茎(上部・下部どちらも含む)も、種子を散布するまで成長を続けます。さらに、葉や茎に堅く鋭いトゲを持っているため、知らずに触れると針が刺さり、強く痛みを感じます。

近年、そんなアメリカオニアザミが急激に増加し、洞爺湖中島にある約8キロの散策路を利用する方々の障害になっています。今回の活動では、散策路を中心に外来種駆除を実施しました。

今回の作業は、中島・湖の森博物館から散策路に出て、左右二手に分かれて実施しました。

環境省・林野庁・パークボランティア・有志で集まった町民ボランティアのメンバーでひたすら刈り取りと根の掘り起こしをし、

洞爺湖町職員のみなさんが刈り取った茎と掘り起こした根を袋に詰めていく、という役割分担をして実施しました。

前述のとおり、触れると針が刺さるため、参加者には軍手・ゴム手袋・皮手袋の3種を貸し出されました。

それだけ装備を固めても、素手まで針が到達することもあるため、作業は一苦労です。

密を避け、皆で黙々と作業する中、洞爺湖地区パークボランティアの会長に突然呼び出されました。

声のする方へ向かっていくと...

会長の身長ほどある大きなアメリカオニアザミの姿が...!

「とったぞー!」と言わんばかりの満面の笑みで見せてくださいました^^

中島にはこんな大きなアメリカオニアザミも生育しているんですね。

約2時間の作業を終え、こんなにものアメリカオニアザミを駆除することができました。

駆除する作業も大変ですが、これを全て船に乗せ、陸まで運ぶ作業も大変でした...!

駆除しなければいけない命を増やさなためにも、外来生物被害予防3原則「入れない・捨てない・拡げない」を意識した生活をできると良いですね。

そのために、私たちがまずできることは、「種子を移動させない」ということです。

時々、種子を手に取り、移動後に捨てる方がいらっしゃいますが、

意図的なものだけではなく、野外活動の後に靴底の土などをブラシ等で落とすことも大切です。

靴底の土の中に種子が入っていることがあるため、移動後に土とともに種子が落ちると、

人為的に種子を散布することになってしまい、生態系に被害を及ぼす可能性があります。

洞爺湖汽船の乗船口には靴底の土を落とすブラシが設置されています。

船の中を汚さないためにも、中島に上陸・離陸する際はご利用ください♪