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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

野鳥と冬芽の観察会

2021年11月18日
支笏洞爺国立公園 荒川真吾

こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。

紅葉シーズンも終わり、支笏湖周辺の山々も雪化粧を始めました。そんな冬の訪れを感じる11月上旬に、支笏湖地区パークボランティア(以下、PV)の皆さんと「野鳥と冬芽の観察会」を開催しましたので、今回はその様子をお届けします。観察会は休暇村支笏湖園地~野鳥の森散策路周辺で例年、春、夏、秋の3回実施しているのですが、緊急事態宣言や悪天候で春・夏に予定されていた回が中止となり、今回が今年度初めての開催となりました。

当日は観察会日和の晴天に恵まれ、定員一杯の20名の方にご参加いただきました。手指消毒と検温、マダニやスズメバチといった要注意生物についての説明を行った後、グループに分かれて散策開始!

観察会の様子観察会の様子

解説を行ったPVの方々は、支笏湖周辺の自然を長年に渡って観察している方が多く、自然に関する知識や話題が豊富。赤く熟したホオノキの実や、冬眠中のカタツムリ(サッポロマイマイ)、樹木の冬芽など、この季節ならではの自然の魅力を楽しい解説とともに観察し、ご参加いただいた皆さんにもとても楽しんでいただくことができました。

今回観察した樹木の「冬芽」は「ふゆめ」または、「とうが」と読みます。樹木が成長に不適な季節につける、休眠状態の芽のことで、鱗に覆われていたり、粘りのある樹脂に覆われていたりと、厳しい冬の環境から身を守るための樹木の戦略を伺うことができます。丸いもの、尖っているもの、二股になっているもの、樹種によって形も様々で、じっくり観察するととても面白いです。

今回の観察会では、野鳥たちは残念ながら見やすい位置にあまり出てきてはくれませんでしたが、樹木が葉を落とし、雪も積もっていない今の時期は野鳥がとても観察しやすい季節でもあります。夏鳥が南方へ旅立つ一方で、冬鳥や旅鳥が北方から渡って来る時期でもあり、暖かい時期とは違う顔ぶれの鳥たちを見ることもできますよ。

いよいよ平地でも雪が降る季節となり、室内に閉じこもりがちになってしまいがちですが、冬の自然を感じに皆さんもぜひ支笏湖を訪れてみて下さいね。散策の後は温泉で温まりましょう。