アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
えりもにも、きています〇
2022年02月25日みなさん、こんにちは。
えりも自然保護官事務所の熊谷です。
みなさんはどの季節が好きですか?
私は、冬。中でも北海道の冬が好きです。キーンと冷えた静けさと乾いた空気の中でキラキラと舞う雪は、限られた地域でのみ感じられる美しさだと思います。
そんな、"冬にだけ"出会える動物もいます。
出会うと「冬が来たな~」と季節を感じさせてくれる動物、それは...
越冬のため、冬時期に北海道や東北地方にやってくる猛禽「オジロワシ」と「オオワシ」です。
▼オジロワシ
▼オオワシ
羅臼には毎年多くの個体が集まることで有名ですが、道内広い範囲で見ることが出来、えりもにもオジロワシ・オオワシが飛来します。
ここ数年見てきた中で、今年は飛来数が少ないように感じられ、一部専門家からは秋に道東の広範囲で発生した"赤潮"が影響しているのではないかとも言われています。エサが少ないのでしょうか。。
オジロワシ・オオワシが厳しい寒さの中で優雅に飛ぶ様、木に留まり周りの様子を伺っているその様はとても凛々しく逞しく感じます。
彼らは私の出身地関東では見ることのできない鳥で、アクティブ・レンジャーを始めたての頃はトビにも似た見慣れぬ鳥をすぐに識別することは出来ませんでした。しかし、遠目でも識別できるようになった今、猛禽への興味も増してきているように感じます。
野鳥ビギナーだった私が、オジロワシとオオワシを識別するのに分かり易いと感じる点をご紹介します。
観察を始めた当初、オジロワシの"オジロ"は尾羽が白い、だけれど...オオワシの尾羽だって白いじゃないか!と、難しく感じていました。。しかし、形に注目してみるととても分かり易かったです〇
これらの違いは、少し離れた場所からでも分かるのではないかと思います。
違いを気にしながら何度も見るうちに、いつの間にか、特徴の一つが見えなくても全体の様子から種を識別することができるようになっていました。
みなさんも、「あ、鳥!」ではなく「あ、オオワシ!」と種まで分かることできっと楽しさや出会えた嬉しさが増すことでしょう♪
また、オジロワシ、オオワシは環境省のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されています。これは、個体数が少なく絶滅の危険度が高い種であることを示しています。
どこかで出会った時には、無理に追ったり刺激せずそっと見守ってください。もしも怪我をして動けずにいる個体を見つけたら...死亡している個体を見つけたら...直接触れることは避け、お近くの環境省事務所、ビジターセンターまでご連絡をお願いします。
冬の終わりにはユーラシア半島北部へと戻っていきます。
ずっといてくれたらいいと思う反面、限られた時期にしか見られないそのことが、彼らに惹かれる理由のひとつだとも感じます。日本で過ごす越冬期間、快適に過ごしてくれることを願いながら、今年の冬はどれだけのオジロワシ、オオワシに出会えるか...楽しみに過ごすこととします◎