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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

帰ってきてくれたハクガンとシジュウカラガン

2022年03月31日
帯広自然保護官事務所

こんにちは。帯広自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーの丸岡です。

今回は天馬街道方面に巡視に行った際に、出会った鳥についてご紹介したいと思います。新ひだか町三石の鳧舞地区で数少ない渡り鳥であるハクガン(※絶滅危惧1A類)に出会えました。

     ▲白いのがハクガン、手前の白黒の顔がシジュウカラガン

ハクガンは、浦幌町の三日月沼方面で見られることが知られており、数年前にハクガンを見に行ったことがあるのですが、今年はプライベートでの観察も含めて2回見に行ったのにも関わらず、浦幌では会えませんでした。

最近浦幌町に見に行った方からも、ハクガンが見られなかったというお話を伺いましたが、浦幌町の3月末の探鳥会ではあちこち探してやっと2カ所で合計30羽ほどのハクガンに会えたという記事が新聞に掲載されていました。沢山飛来する年もあるのですが、今年は渡りの状況が例年と違うのかもしれません。

通常よりかなり早い時期である1月頭に、鳧舞地区の海岸で上陸したばかりのハクガンの確認情報が新聞に掲載されていましたし、同じく1月頭に浦幌でもハクガンの確認情報があったようです。

他の鳥の例でも、休日にぬかびらビジターセンターに行った際に、今年はまだ渡り鳥のアトリが来ていないと伺いました。

しかしこのアトリ、天馬街道で、少数の群れが飛翔する様子を確認することができました。漢字で書くと花鳥と書く美しい鳥ですが、動きが速くて写真に撮れなかったため、お見せできないのが残念です。

その年の気象条件や、その日の天候や、越冬地や群れの状況などいろいろな条件で渡り鳥の行動は変わってくることもあると思うので、こういう年もあるのでしょうね。

ハクガンは見れなかったものの、三日月沼から十勝川河口までの水辺の多いエリアには、沢山のマガン(※準絶滅危惧)、オオヒシクイ(※準絶滅危惧)、ヒシクイ(※絶滅危惧1B類)、シジュウカラガン(※絶滅危惧1A類)、オオハクチョウがいて、北の繁殖地への移動にむけて鋭気を養うための賑やかに採餌する様子が目を和ませてくれました。

     ▲畑で採餌中のマガンとシジュウカラガンの群れ

     ☆マガンとオオヒシクイの見分け方☆

     ▲マガンとシジュウカラガン(こちらはマガンより小さい)

     ▲オオヒシクイ(マガンよりふたまわりほど大きい)

※カテゴリーの詳細は下記の環境省レッドリストのホームページへのリンクをご覧ください。

https://www.env.go.jp/nature/kisho/hozen/redlist/rank.html 

     

この中でも特にシジュウカラガンは、絶滅寸前まで追い込まれましたが、近年の国際的な保護増殖活動の成果でいち早く数が増え始め、今では計5000羽以上の群れが日本に渡来していると言われており、浦幌・三石でもシジュウカラガンだけの群れを確認することができました。  

かなり個体数が減っていたハクガンも14年間はなかなか飛来数が増えなかったようですが、2019年に27年かかってようやく飛来数が1000羽を越えたそうです。

※ハクガンとシジュウカラガンの絶滅寸前から個体数が回復するまでの40年以上における保護活動の詳細についてはサントリーの愛鳥活動のサイト

―日本の空に復活したシジュウカラガンとハクガン@宮城県・伊豆沼、蕪栗沼―

https://www.suntory.co.jp/eco/birds/fund/message/vol06/

で知ることができます。

このように多くの渡り鳥を確認することが出来るのも繁殖地と越冬地の国際協力と大変な保護活動の成果だと思うと、感謝の思いをいだきました。

来年も元気に十勝と日髙エリアにきてくれることを願います。

     ▲おまけ 三日月沼周辺にいたタンチョウ(こちらは留鳥です)