アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺、日高山脈襟裳十勝国立公園があります。
春の息吹観察会を開催しました
2022年05月23日
支笏湖
北海道地方環境事務所
はじめまして。
5月に支笏湖アクティブ・レンジャーとなった阿部万純(あべますみ)です。
今回は5月14日(土)に開催した「春の息吹観察会」のご報告をいたします。
支笏湖の春は遅く、札幌などの都市部と比べると1~2週間ほどずれています。
そのため、今がちょうど春らしい自然の見頃。
芽吹き始めたばかりの柔らかい新芽や可憐な春の花々に加え、森には様々な野鳥の囀りが響いています。
そんな春爛漫の支笏湖を楽しむ観察会が、「春の息吹観察会」です。
当日朝はあいにくの小雨となりましたが、スタッフ・参加者とも意気込みはバッチリ!
集合場所の休暇村から、しっとりぬれた緑の森に向かって元気にスタートしました。
春の息吹があふれる森へ
解説を担当するのは熟練のボランティアスタッフたち。
広い森の中から見どころをピックアップし、
巧みな話術と小道具を駆使して自然の面白さを気付かせてくれます。
言われて初めて気付く、足下の小さな春
それぞれが独特の生き方を持つ林床の草花たち
シナノキの繊維で作ったロープは丈夫で耐水性もあり、アイヌの人々に利用されてきた
最後は、野鳥の森と呼ばれる緑が深いゾーンへ。
ここで聞こえてきたのは「チヨチヨ、ビィーッ」という元気な声。
日本最小級の小鳥、センダイムシクイの囀りです。
一度聞いたら忘れられない特徴的な鳴き方で、その後は聞こえる度に「あ、センダイムシクイ鳴いたね」と参加者から声が上がるほどでした。
支笏湖畔の森をゆっくり歩く2時間で、たくさんの春が見つかりました。
しかし、賑やかな夏と比べると、この季節の生命の息吹はまだ小さなもの。
支笏湖にお越しいただいた際にはぜひ自然の中で一息ついていただき、
足元に目をこらし、森の奥へ耳を澄まして、春の気配をじっくり感じてほしいと思います。
(支笏湖アクティブ・レンジャー/阿部)