アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺、日高山脈襟裳十勝国立公園があります。
ポン山山頂でロープ張りをしました
2022年05月26日
稚内
北海道地方環境事務所
はじめまして。
本年度の4月より、利尻島担当のアクティブ・レンジャーとして着任いたしました、稚内自然保護官事務所の福田です。
どうぞ、よろしくお願いします。
さて、今回は5月中旬に利尻島のポン山で行った山頂のロープ張りについて、ご紹介します。
ポン山は登山口となる北麓野営場駐車場から片道1時間ほどで登れる標高444mの山で、
利尻山登山の足慣らしや、短時間で利尻島の自然を満喫したいという方におすすめのトレッキングコースです。
道中には日本の名水百選に選ばれた甘露泉水があり、山頂からは利尻山の全貌を望むことができます。作業当日はとても天気が良かったので、雪解けがすすむ美しい利尻山の景色を楽しむことができました!
ポン山の山頂から望む利尻山
また、ポン山の山頂は在来種のエゾタンポポなど、貴重な植物に出会える場所でもあります。しかし、美しい景色に気をとられてしまった登山者の方によって、足下の植物が踏みつけられ、山頂の植生が次第に損なわれてしまうという恐れがあります。
今回行ったロープ張りの作業は、山頂の貴重な植物を登山者の踏み付けから守るために行っています。
作業の様子
当日はとても風が強く、会話もままならない状況でしたが、地元のガイドさんや自然公園指導員の方のご協力もあり、なんとかロープの設置をすることができました。
山頂は、高山植物の生育地を避けつつ、登山者の方に景色を楽しんで頂けるように、今年は特殊な形状に設置しました。
山頂の様子
その他にも、エゾタンポポの周囲を大きめの石で丸く囲い、登山者の方の目に入るように目印をつけています。
山頂に咲くエゾタンポポ
この目印を見付けられましたら、注意深く見守っていただけると、植物たちも喜びます!
これからも利尻島の自然や活動について幅広くご紹介していきますので、よろしくお願いします。