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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。

宮島沼鳥獣保護区

2022年06月23日
苫小牧 大久保 智子

こんにちは、大久保です。

 

早速ですが、

鳥獣保護区という区域があるのをご存じですか?

 

 

鳥獣保護区とは、鳥獣の保護のため必要と認める区域のことで「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づき指定されます。鳥獣保護区は、環境大臣が指定する国指定鳥獣保護区と、都道府県知事が指定する都道府県指定鳥獣保護区の2種類があります。また、環境大臣又は都道府県知事は、鳥獣保護区の区域内で鳥獣の保護又はその生息地の保護を図るため特に必要があると認める区域を特別保護地区に指定することができます。鳥獣保護区内においては、狩猟が認められないほか、特別保護地区内においては、一定の開発行為が規制されます。

 

 

簡単にいえば、指定された区域に生息する鳥獣の保護とその生息地の保護をするために規制しているというもの。

 

 

私が担当するエリアではウトナイ湖と宮島沼が国指定鳥獣保護区に指定されています。

 

 

そして、鳥獣保護区の区域には、その場所が鳥獣保護区ということがわかるように、赤い看板を立てています。その国指定鳥獣保護区の看板維持管理も環境省職員の仕事の一つです。

 

 

雪の影響か、ちょっと鳥獣保護区をアピールするには心許ない、曲がってしまった看板が、宮島沼鳥獣保護区にありましたので、保護官たちと看板交換を行いました。

 

 

 

 

美唄市に位置する、宮島沼鳥獣保護区は渡り鳥の集団渡来地として指定されています。宮島沼は周囲を水田に囲まれた平均水深55cmほどの浅くて小さな沼です。水辺にはマコモ、ヨシ群落が広く分布し、沼には春と秋にマガン、ヒシクイなどのガン・カモ類、ハクチョウ類などが渡りの中継地として利用します。夜、沼の中心部をねぐらとしているマガンは、早朝になると一斉に周辺の水田に落ち穂を食べに飛び立つ「ねぐら立ち」を観察できます。繁殖地である極東ロシアから越冬地の宮城県までは約4,000km。人々の営みがマガンの大移動を支えています。

 

 

この春、4月19日に7万羽もいたのもあっという間、繁殖のためロシアへわたり、マガン飛来数が1万羽を切ったのは5月5日だそうです。マガンたちが渡りの休息地として選んでくれた宮島沼は、とても静かで優雅に沼を縦横無尽に泳ぐ水鳥をじっくり観察することができます。

 

 

 

5月中旬、静かな宮島沼を貸し切っていたカンムリカイツブリ。