アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。芸術的な鳥の巣
2022年06月24日こんにちは、大久保です。
先日、調査でとある林を歩いていたとき、目の前からアオジが飛び立ちました。
飛び立ったところを見てみたら、シダ植物の根元に鳥の巣と卵があることに気がつきました。
アオジ
私がその場にずっといると、親鳥も帰って来られなくて、卵が冷めてしまいますので、写真をさっと撮影して、その場から離れました。
それにしても、とてもきれいな巣で惚れ惚れします。
枯れ株を屋根にしたおしゃれな巣で、まるで物語などで見るお姫様の天蓋付きのベットのようです。
巣の作りをよく見ると、外側は大きめの葉っぱを使い、内側には繊細な植物を上手に組み込み二重構造になっています。一般に内側の巣のことを産座といい、卵や雛が乗るため温かく安全なように柔らかい素材を選んでいるようです。鳥の巣作りは、くちばしと足で素材を集め、作り上げますが、小さい体ですごい技術を持っていると感心します。
鳥の巣というものは、卵をあたためたり、卵や雛をほかの動物から守るためにあって、卵を産んで雛を育て雛が巣立ってしまうとその巣は使わなくなる鳥が多いようです。
繁殖期育児期間以外、休むときや夜ねるときは枝に止まるだけのようで、人間の家の感覚とは違います。
鳥の巣は、鳥の生態の違いによって、巣の形、巣の素材、巣の場所が異なり、それぞれの生活圏にあった工夫がされているようです。
例えば、
巣を作る場所は、高い崖や木の上、藪の中や石垣の隙間、水の上や地面の上、家屋の隙間や信号機の隙間などいろいろなところで巣をつくります。
巣の形は、お椀型やボール型、木の穴の中、
巣の材料は、木の枝や葉、つるやコケ、羽毛など周りの環境にあるもの。
都会のカラスなどは、ビニールひもやハンガーなどを使うのも知られています。
あまり鳥の巣に出くわすことはないのですが、いままで見つけた鳥の巣を見比べてみるとそれぞれ鳥種によっても違いますし、きっと同じ種でもそれぞれの個性があるような気もしています。改めて鳥の巣の素晴らしさに感動しました。
シジュウカラの巣 ハクセキレイの巣とヒナ アオジの巣と卵