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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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阿寒摩周国立公園 阿寒湖

88件の記事があります。

2008年02月18日3度目のオンネトースキーハイキング

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

2月10日(日)晴れ。

  今年もまたオンネトースキーハイキングに参加してきました。オンネトー周辺の森の中を巡るこのコースが私は大のお気に入りで、すっかりとりこになって早3年。一昨年から今年で3度目の参加です。田中ご夫妻(自然公園財団阿寒湖支部)と一緒に、スキー、防寒着などの冬装備を車に積んで準備を整え、阿寒湖畔エコミュージアムセンターを9時過ぎに出発しました。

  9時30分頃に雌阿寒温泉宿舎の野中温泉に到着し、辺りを見回してもまだ関係者の姿がない様子。と、少し余裕ができ、辺りを散策。するといつもの巡視時に見る光景とはうってかわり、とても幻想的な光景が目に飛び込んできました。田中ご夫妻と私はその美しさにただただ圧倒されていました。思わずカメラを持って車から降り、近くまで寄ってみました。その美しい光景とは、シラカンバとアシ(葦)の樹氷です。シラカンバの上部から下部にかけて、樹氷の色彩の変化がとてもきれいでした。

▲シラカンバの樹氷

  またアシ(葦)の樹氷の付き方もとても興味深く、よく見ると右側の片方の部分だけ樹氷が付いていました。田中さんによると、どうやら蒸気が流れてくる方向に樹氷が付くため、このような現象になっているのだそうです。改めて、自然がつくる造形美にため息が出るばかりでした。


▲アシ(葦)の樹氷
 
  そうこうしているうちに、スキーハイキングの参加者の方々が集まりだしていました。慌てて準備を整え、集合場所に集まります。滞りなく開会式が終わり、10時頃一斉に、野中温泉からオンネトー方面へ向けて出発。思っていたよりも、全体的に進むペースが早いかなと感じました。自分自身、自分のペースで、尚かつ景色を楽しもうと心がけたつもりでしたが、実際にいざやってみると、遅れずなんとか後についてかなくてはという焦りと今年初滑りのスキーに少々苦戦したのか、ゆっくり景色を見たり、写真を撮ったりする心の余裕が抜けてしまったことが少々悔やまれます。それでもなんとか意地で、数枚写真を撮りました(苦笑)。


▲オンネトー周辺の森の中をハイキングする参加者の方々
 
  スキーコースの終点(国道241号線)で、迎えのバスに乗り、無事スタート地点の野中温泉に到着したのは、12時前。終了時刻が年々早くなっているような気がしました。ともあれ、参加された方々は、特にケガもなく無事終えることができなによりでした。お昼には、皆さんお待ちかねの豚汁と天然温泉。私もこれをとっても楽しみにしていました。家で作るのとではまた味が一味違って、大鍋に大量に作られた豚汁を大勢の人と食べるからまた格別なのでしょうか。温泉の方も少し熱めのお湯で、体の芯まで温まりました。

  出発前に見たシラカンバとアシ(葦)の樹氷は、お昼にはすっかり陽の光で溶けて消えていました。その樹氷が美しいと感じたのは、常時見られるものではなく、常に変化があって、限りあるものだからなのかもしれません。少々ハイペースではありましたが、オンネトーならではの美しい自然を満喫できたハイキングでした。そんなハイキングにまだ参加されたことがない方は是非ともご参加を。必見です。

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2008年02月06日ヒョウタン沼スノーシューハイキング

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

 2月3日(日)、自然ふれあい行事「ヒョウタン沼スノーシューハイキング」に巡視を兼ねて参加してきました。



▲ヒョウタン沼の氷上を歩く・・・

 ヒョウタン沼は、雄阿寒岳の麓に位置し、雄阿寒岳の噴出によってできた堰き 止め湖です。水深が浅いため日本一早く結氷する湖として知られ、昭和30年代にはオリンピックスピードスケート日本代表選手団がスケート場として冬期間利用されていたという歴史もあります。ヒョウタン沼は、時間が止まったかのような静寂な空気に包まれ、人の気配を感じさせない独特な魅力があります。



▲ヒョウタン沼から雄阿寒岳を望む

 この日は、一般参加者17名に、スタッフ9名。ヒョウタン沼を目指し森へひとたび入ると、多数の野生生物の足跡を発見。まず目にしたのは、エゾユキウサギの足跡でした。その足跡は、林道沿いやヒョウタン沼の氷上、沢沿いなど様々な場所で観察することができました。


▲エゾユキウサギの足跡
  

  その他には、キタキツネやエゾシカ、エゾクロテンなどの足跡も多数見られました。残念ながらその姿は確認できませんでしたが、冬のヒョウタン沼やその周辺の森には、なにもないように見えて実はたくさんの野生生物が活発に活動し、棲息しているのだと改めて実感させられました。ヒョウタン沼に到着した参加者たちは、記念撮影や結氷したヒョウタン沼の氷切り体験を行い周囲の自然を満喫していました。


▲ヒョウタン沼の氷(氷の厚さは約50cm)

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2007年12月27日滝見橋から

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

 
12月27日(木)、曇り時々晴れ。滝見橋へ巡視に行ってきました。
  
  阿寒湖温泉街から釧路方面へ国道240号線をひた走り車で約10分のところに「滝見橋」という景勝地があります。滝見橋とは、阿寒湖の流出口(滝口)から流れる阿寒川にかかる橋のことです。原生林の中を滝のようにダイナミックに流れる阿寒川は、とても見ごたえがあります。またここは四季折々の景色が美しいことから、写真撮影を目的として多くの利用者が訪れます。滝見橋付近には駐車場がありますので、訪れる際は是非、駐車場をご利用ください。
 
  この日(12/27)、滝見橋に着いた10:30頃には、写真撮影用のカメラと三脚を早くも片付け始めている利用者が数名いらっしゃいました。おそらく早朝から訪れていたのでしょう。阿寒川の勢いよく流れる滝の音と周りの木々の美しい樹氷がとても幻想的で、芸術的で、一枚の「絵」を見ているようでした。

  阿寒で暮らし3度目の冬を迎え、阿寒の自然は、年ごとに異なった四季を見せてくれました。この地に初めて住んでみて、「阿寒の自然は本当にすごい、素晴らしい」ということを実感させられました。



▲春の滝見橋から(平成18年5月18日撮影)



▲夏の滝見橋から(平成19年8月7日撮影)



▲秋の滝見橋から(平成17年10月11日撮影)



▲冬の滝見橋から(平成19年12月27日撮影)

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2007年12月10日打ち上げマリモ、湖に帰る

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美


  平成19年10月21日、阿寒湖チュウルイ湾にて湖岸清掃にあたっていた自然公園財団と阿寒湖パークボランティアにより、直径20cm近い球状マリモが多数打ち上げられているとの情報を受けた。このため12月4日、打ち上げられたマリモの凍結による枯死を避けるため、水深50cmの湖底の沖合に移動させる作業が行われた。主な参加団体は、特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」保護会、釧路市教育委員阿寒生涯学習課、釧路市役所阿寒湖畔支所、NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構、まりも倶楽部他、約20名。
 
  作業方法は、ポンプで汲み上げた湖水を流しながらマリモを動かすというもの。しかし実際は想像していた以上の作業で、スコップやツルハシ、ポンプの水などで、ガチガチに固まった土を除去しながらマリモを取り出すという作業だった。


▲ポンプで汲み上げた湖水を流しながらマリモを湖に動かす様子

  早速私も胴長をはいて、作業開始。ポンプの水の甲斐あって、少しずつ2~3cm前後のマリモが出てきた。だいぶ、マリモを取り出せたかと思えば、なにやら数名が一生懸命スコップを使って凍った土を掘っていた。よく見ると、直径20cm近いマリモが土の中で身動きがとれないような哀れな姿になっていた。通常、水中にいるマリモの姿を見ているが、こんな姿のまりもを見たのは初めてだ。


▲土の中で身動きがとれない哀れなマリモ
 
  そもそもマリモの打ち上げとは、阿寒湖チュウルイ湾の水深1.5m前後に生育する球状マリモが風波によって湖岸まで大量に運ばれる現象のこと。マリモは、最大で年間3~4cmほど直径を増大させ、直径が20cmを超えるようになると風波で容易に移動しやすくなるという。


▲直径20cmのマリモ

  マリモの打ち上げが発生したのは、平成19年10月21日に、低気圧が道東を通過中で強い風が吹いていたためと推察されている。昔は、湖岸に打ち上げられた球状マリモは、細かくなってしまうため、被害とみなされてきたが、今日では、細かくなっても再び生長ができるため、生態的過程として捉えられている。阿寒生涯学習課の若菜氏によると、保護・管理上の措置として、乾燥や凍結による枯死が発生しない限り、自然の推移に任せる方針でいるという。しかし、今回、湖岸に打ち上げられたマリモは、すでに低気圧や寒波により凍結し始めていたため、早急に沖合に移動させる必要があったという。
 
  吹きすさぶ冷たい風の中の作業だったが、こんなに間近にマリモを見る機会はない貴重な体験だった。すでに白い雪をかぶり寒々とした雄阿寒岳と雌阿寒岳に見守られながら、もうじきマリモが氷の下で眠る長い冬の訪れを感じた。



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2007年09月14日アウトドアクッキング体験会 ?エゾシカとウチダザリガニの料理?

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

  9月9日(日)。阿寒湖畔キャンプ場にて、阿寒湖畔エコミュージアムセンター運営推進協議会主催自然ふれあい行事「アウトドアクッキング体験会」が催されました。今回の行事では、シカ肉やウチダザリガニ(阿寒湖では「レイクロブスター」という名前で売り出している)を使ってアウトドアクッキングを体験し、舌で味わいながら自然食材としての利用のあり方や野生生物問題、外来種問題について考えてみようというのが目的です。

  今回の料理では、「ダッチオーブン」という調理器具を使いました。「ダッチオーブン」とは「オランダのオーブン」と言う意味で、西部開拓時代にカウボーイが愛用していた黒い鉄の鍋のことです。今回はその鍋、「ダッチオーブン」を使ってウチダザリガニのパエリアとエゾシカ肉の串焼きを作りました。

  4つの班に分かれて、野菜を切ったり、火をおこしたり、具材を混ぜたり、ウチダザリガニの殻むき、シカ肉を串に刺したりとそれぞれ役割分担をします。


それぞれ役割分担をして調理していく…。


エゾシカ肉とウチダザリガニを切っていく
  
  材料の下準備を終え、そしていよいよ、鍋に油をしき、手順通りに具材を炒めていきます。タマネギ、ニンニク、バターのいい香りが食欲を誘います。バターがなじんできたところで米を加え、ゆっくり混ぜながら炒めていきます。


お米を焦がさないよう炒めていく


ミックスベジタブルなどで彩りよくします

  米が透き通ったところでレイクロブスタースープ缶を加えます。その後、スープ、具を入れて、塩こしょうをしたところで蓋をして弱火で20~25分炊きます(※詳しくは下記のレシピ参照)。

  40分経過。重い蓋を開けた瞬間、真っ白い湯気がたちこめます。真っ赤なウチダザリガニとほくほくと炊きあがった米や具材が見るからにおいしそう。完成です。エゾシカ肉の串焼きの方もいい具合に焼き上がりました。参加者、スタッフともにエゾシカ肉やウチダザリガニの料理を味わっていました。


ウチダザリガニのパエリア完成!おいしそう!



香ばしく焼き上がったエゾシカ肉の串焼き!いただきます♪


その他にも…。ウーロン茶でじっくり煮込んだエゾシカ肉のウーロン茶煮。臭みもなく味がしっかりしていてとても柔らかい。

  食事終了後、すぐさま後片付けをし、自然公園財団スタッフによるシカと外来種のお話がありました。そのお話では、エゾシカ増えることにより交通事故の増加、農林業被害の増加、植生の変化など、人のみならず自然環境へも大きな影響を与えてしまうとのこと。また、崩壊した食物連鎖のピラミッドの話や近年では、新たな対策として「生体捕獲」から食肉の流通を確立し、シカ肉を世間一般に普及し始めているとのことでした。もちろん肉以外にも骨や皮もアクセサリーやバックに利用され、シカという資源を有効活用しようという動きが目立ってきている話がありました。


シカと外来種のお話の様子
 
  一方、ウチダザリガニでは、そもそもなぜ外来生物が問題となっているのかという説明と、外来種が入り込むことによって、在来種を食べてしまったり、在来種の生息地を奪ってしまったり、病気を持ち込む、在来種と交雑するなど、さまざまな問題を上げて説明されていました。
 
  エゾシカとウチダザリガニ。一見聞くと関係がないように思いますが、これらの問題の背景に共通してあるのは、どちらも人為的影響によるもの。であれば、私達が自然環境に対してできることは、自ら体験し、学ぶこと。そこから正しい自然との接し方、あり方を考え、保ち続けながら、広めていくことが大切です。皆さんもエゾシカ肉やウチダザリガニの料理を一度味わって「体験」してみてはいかがでしょうか。まずは体験から。

 *ウチダザリガニのパエリア*
●材料(5人前)             
・ウチダザリガニ(ボイル済み)…飾り用3匹、むき身用5匹   
・イカ…………………………1枚
・具(アサリなど)……………むき身 100g
・鶏肉………………………200g
・ミックスベジタブル…………60g
・ピーマン……………………2個
・タマネギ……………………1/2個
・ニンニク……………………1かけ
・マッシュルーム……………半缶
・バター………………………大さじ3杯
・レイクロブスタースープ缶…80cc(半缶)
・レモン(お好み)……………数切れ
・米(できれば古米)…………3合
・スープ………………………水3カップとコンソメ1個
・塩……………………………適量
・コショウ………………………適量

●作り方
?材料の下準備。それぞれ食べやすい大きさに切る。ウチダザリガニは、飾り 用は縦半分に切り、むき用は身をほぐしておく。
?鍋に油をひきイカを炒めて取り出す。
?残りの油で鶏肉を炒めて取り出す。
?タマネギ、ニンニクをバターで炒め、タマネギが透き通ったらピーマンを加 え炒める。(中火)
?全体にバターがなじんだら米を加え、ゆっくり混ぜながら炒める。
?米が透き通ったらレイクロブスタースープ缶を加え混ぜる。
?スープを入れ強火にし、煮立ったら具を並べる。
?塩・コショウで味を調え、蓋をする。蒸気が出始めたら弱火にする。
?弱火で20~25分炊く。(蒸らしは15分)
?お好みでレモンを絞ってできあがり。

  *エゾシカ肉の串焼き*
●材料(串1本分)
・シカのもも肉……2~3切れ(50g)
・タマネギ…………1/8カット

●作り方
?串に刺しやすいように材料を切り、串に刺す。
?塩・コショウをふり、炭火でじっくり焼く。


?特定外来生物とは?
 外来種と呼ばれる生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又はその恐れがあるものを「特定外来生物」として政府が指定し、指定された種はその飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取り扱いが規制される。
 ウチダザリガニは、平成18年2月から特定外来生物に指定されたため、阿寒湖から生きた状態で持ち出すことは違法となります。



ウチダザリガニ(ボイル済み)

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2007年08月29日「ボッケの森」の毎木調査開始!

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

  8月27日(月)。晴れ。本日の業務は、10月14日(日)に予定されている阿寒湖畔エコミュージアムセンター運営推進協議会主催イベント「ボッケの森のエゾシカ被害木調査体験」の準備調査です。
 
  調査を行ったのは、ボッケの森を知り尽くす阿寒湖パークボランティアの大石さんと自然公園財団スタッフの小薬くんとの3人です。


毎木調査をする大石さんと小薬くん

  調査を始めた場所は、阿寒湖畔の観光スポットのひとつ、アイヌ語で煮え立つという意味を持つボッケ(泥火山)周辺の樹木の毎木調査です。毎木調査では、樹木1本1本の樹種、樹高、胸高直径などを調べていきます。これは、ボッケの森の樹木がエゾシカにどれだけ樹皮を食べられているかを知るための大切な調査です。   


ボッケ(泥火山)


奮闘中の福井AR

  ボッケ周辺にはヤケドなどの危険防止のため柵が設置され、今回はその柵内部の樹木を調べました。普段なかなか見ることのない角度からのボッケはまた新鮮で、木漏れ日でボッケの表面がキラキラしていました。調査場所では、傾斜のある足下が不安定な場所なので、調査は予想以上に時間がかかりました。少しバランスを崩せば、ころころっと転がってしまいそうな箇所もありましたが、それでもなんとか木にしがみついたり、ふんばったりでなんとかめどをつけて本日の調査を無事終えることができました。大変ではありましたが、普段なかなか見ることのない角度からのボッケがとても新鮮に映りました。イベントの本格的な準備はこれから。私たちの奮闘はまだまだ続きます。


木漏れ日とボッケの森

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2007年08月29日阿寒湖の湖岸清掃

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

 8月26日(日)、阿寒湖パークボランティア活動で阿寒湖の湖岸清掃に巡視を兼ねて参加してきました。今回の清掃活動では、シュリコマベツ湾付近の湖岸からゴミ拾いをしました。胴長を着て、ゴミ袋、火箸を持ち、お昼ご飯をつめたリュックなど準備を整え、阿寒湖畔エコミュージアムセンターから午前10時頃に出発。


阿寒湖の湖岸を歩く

 午前10時30分頃に現場に到着し、阿寒湖の湖岸に沿って歩きながらゴミ拾いを開始しました。ごつごつした石ころだらけの湖岸沿いを注意しなら進んでいくと、右斜め前方には、阿寒湖とフップシ岳、雌阿寒岳、雄阿寒岳など、輪郭がくっきりとした山々を眺めることができます。


阿寒湖とフップシ岳

 湖岸沿いには、土にうもれかかったペットボトルや空き缶、ビニール、ロープ、またタイヤやドラム缶、古くさびついた鉄くずなど、さまざまな大型ゴミも多く目につきました。こういった大型ゴミの運搬に最適なのは、カヌーです。カヌーであれば、大きなドラム缶もスイスイ運べます。


ゴミをカヌーに積み込む


ドラム缶も難なくスイスイ

 清掃活動は午後3時頃終了し、回収されたゴミを車の荷台に積み込みました。阿寒湖畔エコミュージアムセンターに戻り、今度はゴミの分別作業。可燃と不可燃、そしてドラム缶やタイヤなどの大型ゴミと分けていきました。最後は、本日の収穫?(回収したゴミ)の前で記念撮影!みなさんお疲れ様でした!

  今回ゴミを回収した場所は、一般車両や一般の方は通行規制がなされているところです。湖岸といったなかなか足を踏み入れにくい場所でもあり、さびついた鉄くずなどの状態から、かなりの月日の経過が伺えることなどから、なかなかゴミを回収することが困難な場所であると思います。そういった意味で今回ゴミの回収ができたことは良い事なのですが、こういったゴミ回収をする人の労力が報われるためにも、日頃から「ゴミは捨てず、持ち帰る」といったひとりひとりの習慣、認識を持つことが大切です。



記念撮影!お疲れさまでした!

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2007年07月31日雌阿寒岳の自然

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

 
 7月26日(木)。今日は、雌阿寒岳へ巡視に行ってきました。雌阿寒岳へは阿寒湖畔コース、野中温泉コース、オンネトーコースの3つのコースから登山することができます。今回は、阿寒湖畔コースから登山し、野中温泉コースから下山することにしました。

 阿寒湖畔コースの登山口からスタートし、しばらくアカエゾマツやササが中心となった森林の中を歩きます。

 アカエゾマツの樹林帯をぬけると、イタドリやハイマツ帯が見え始めます。ここには、センダイハギという黄色い花がたくさん咲いていました。また、ハイマツの間に所々に見え隠れするコケモモ。まだ完全に熟していない赤い小さな実でしたが、これから大きくなるのが楽しみです。



センダイハギ


 トンネルのようなハイマツ帯をすぎると、しだいにごつごつとした岩場の登山道に変わっていきます。しばらくすると阿寒富士の山頂部分や雌阿寒岳の山頂、「ポンマチネシリ」が見えてきます。植物など育たないまるでどこかの遠い惑星に舞い降りてしまったかのようなこの岩石と砂れき帯を歩けば、メアカンキンバイやメアカンフスマ、イワブクロなど雌阿寒岳の代表する可愛らしい高山植物たちが出迎えてくれます。


イワブクロ


ガンコウラン


メアカンフスマ


 やっとの思いで雌阿寒岳の山頂に到着。そこから見る景色がまた格別。スタート地点の阿寒湖畔側を見るとナカマチネシリと遠くの方にうっすらと見える阿寒湖。そして後ろを振り返ると雌阿寒岳の主峰ポンマチネシリの火口と阿寒富士を望むことができます。


阿寒湖とナカマチネシリの火口



ポンマチネシリの火口と阿寒富士

 
 思わず足がすくんでしまいそうな外輪山に立ち勇気を出して(?)雌阿寒岳の火口を覗くと、青く透きとおった「青沼」、そして下山途中で見えた「赤沼」をはっきり見ることができます。その名の通り、「青沼」は青く見え、「赤沼」は赤く見える不思議でいて、とても美しい沼です。いつのまにか登山の疲れを忘れさせてくれる雌阿寒岳の豊富な自然に感謝です。


青沼


赤沼

【雌阿寒岳】

 阿寒湖の南西部に位置し、標高1,499mの阿寒山群の主峰。約2万年前に火山活動を開始し、何度も噴火をくり返し複雑な山体をつくっている。主峰のポンマチネシリは、約1万5千年前にでき、南側に位置する標高1,476mの阿寒富士は、約2千年前に誕生した。


【雌阿寒岳登山コース案内】

●阿寒湖畔コース(6.0km)登り3時間・下り2時間
温泉街の西部のフレベツ林道を車で登山口まで向かう。登り時間は3コースの中で一番長いが、ゆるやかな登りが続き、植生の変化も楽しめる登山コースとなっている。

●野中温泉コース(3.3km)登り1時間50分・下り1時間20分
登り時間が3コースの中で、最短で山頂に辿り着ける一般的な登山コース。火山れきがある急な登りがあり、高度が増すにつれオンネトーなどを望むことのできる見晴らしの良いコース。

●オンネトーコース(4.2km)登り2時間20分・下り1時間40分
オンネトー野営場からほど近く、途中から阿寒富士へ登るコースもある。コケモモやガンコウランなどの植物を見ることができ、頂上へは噴煙を上げる雌阿寒岳の火口の外輪を通って登るコースとなっている。

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2007年07月31日オンネトー自然探勝会

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

 
 7月22日(日)、阿寒湖畔エコミュージアムセンター主催の自然ふれあい行事「オンネトー自然探勝会」が催され、巡視を兼ねて行事に参加協力してきました。
 
 今回の行事の一般参加者は7名、スタッフは9名、あわせて16名での自然探勝会となりました。当初、一般参加者は倍以上の人数が見込まれていましたが、なぜか阿寒地域以外の釧路、弟子屈、網走地方では、どしゃぶりの大雨の天気だったようで、急遽行事への参加をキャンセルされる参加者の方もみられました。なぜか阿寒地域だけ『台風の目』のような天気で、幸運にも自然探勝会日和となり予定どおり行事が行われることとなりました。
 
 今年度のオンネトー自然探勝会の散策コースは、雌阿寒岳温泉を出発し、オンネトー野営場を通り、最後の目的地であるオンネトー展望台を目指すルートでした。主な見どころは、雌阿寒温泉からすぐの湿地帯。ここをじっくり観察しながら歩くと、赤褐色の水面を見ることができます。これは、水底に鉄鉱(酸化鉄)が堆積しているためと言われています。



赤褐色の水面(湿地帯)



 湿地帯を過ぎると、まただんだんと植生が変化し、高く真っ直ぐそびえるアカエゾマツの純林に出会いました。「アカエゾマツの純林?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、丁度見頃を迎えていたハクサンシャクナゲとともに見るその光景は本当に美しいもの。スタッフの解説によると、アカエゾマツは他の樹木が育ちにくい厳しい環境のところでも生育できるという特徴を持っていて、逆に条件の良い環境では他の木との競争に負けてしまうのだそうです。静寂した森に包まれながら、改めて自然のたくましさを目の当たりにしました。


アカエゾマツの純林



ハクサンシャクナゲ

 
 アカエゾマツの純林を過ぎると、ようやく青いコバルトブルー色に輝く水面、「オンネトー」が見えてきました。昼食場所は、そのオンネトーをゆっくりと眺めることのできる、湖畔にあるオンネトー野営場。皆それぞれ思い思いのところで、昼食をとりました。


コバルトブルー色したオンネトーの湖面
 
 昼食後は、オンネトー野営場から再び歩き、最後の目的地、オンネトー展望台にたどり着きました。オンネトー展望台は、よく晴れた日にはコバルトブルー色のオンネトーの湖面と雌阿寒岳、阿寒富士を望むことができ、多くの観光客が訪れる名所となっています。この日は、雌阿寒岳の山頂部分が雲で少し隠れてはいましたが、オンネトー展望台からの美しい景色を望むことができ、参加者もスタッフも皆さん満足されていました。最後に展望台で記念写真を撮り、車で雌阿寒温泉に戻り現地解散しました。



オンネトー展望台にて

 
 誰一人ケガもなく、楽しくオンネトー周辺の生き物を観察することができ、なによりの自然探勝会でした。オンネトーへの利用者の多くは、オンネトー展望台や雌阿寒温泉に集中していますが、今回の自然探勝会で散策したコースは、なかなか表では見ることのできないもうひとつのオンネトーの美しい自然の姿を見ることができる素敵なコースでした。


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2007年06月11日ボッケの森のこみち

阿寒摩周国立公園 阿寒湖 福井 絵美

6月8日(金)

  今日は、ボッケの森の巡視の日。昨日に巡視した際に、森のこみちの自然解説板が汚れていたのを確認したため、今日は、その清掃作業とともに巡視を行うことにしました。   

  この自然解説板は、阿寒湖畔エコミュージアムセンターの施設の一部であり、自然公園財団が維持管理を行うことになっています。清掃には、自然公園財団のスタッフと協力して作業にあたりました。


Before(ビフォー) 汚れた自然解説板

  春の雪解けとともに土やホコリだらけで文字が読みづらくなっている看板を、ひとつひとつ丁寧に雑巾で拭いていきました。




自然解説板の清掃作業の様子

  汚れたモノを綺麗にする。なんだか気持ちも晴れ晴れしてきました。



After(アフター) 綺麗になった自然解説板

  

  ふと、森のこみちの脇に視線を向けると、エゾオオサクラソウやニリンソウなどのたくさんの野花たちが見頃を迎え咲いていました。清掃作業は、頑張りの甲斐あって自然と心が和むひとときでした。



エゾオオサクラソウ

  皆さんも森の成り立ちなどの自然解説板を読みながらボッケの森のこみちを散策してみてはいかがでしょうか。

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