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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 上川

141件の記事があります。

2020年08月06日白雲避難小屋(建替中)

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

こんにちは!大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

大雪山を縦走する上でとても重要な拠点である白雲岳避難小屋ですが、今年の6月から建替工事が行われています。

今回は白雲岳避難小屋の歴史と現在の状況を紹介しようと思います。

白雲岳避難小屋は1954年(昭和29年)に建設されました。資材は現地で採取した石材を使って作った石室でした。その他の資材は旭岳温泉から人力で上げていたようです。

当時は旭岳ロープウェイも開通していなかったので、山麓から歩いて荷を上げたとするとかなりの労力だった事でしょう。

建設された後も、とても過酷な環境のため屋根が飛ばされたり、壁が崩れ落ちるなど、風雪の被害が多かったようです。

大雪山国立公園管理事務所に保管されていた古いスライドに、一枚だけ当時の記録が残っていたのでご覧ください。

【1969年9月23日白雲岳石室】

1976年(昭和51年)に新しく避難小屋が新設されました。

こちらも建設されてから40年以上が経過し、建物が傾くなど老朽化が進んだため、ついに建て替えられることになったのです。

【旧白雲岳避難小屋】

7月24日に建設中の白雲岳避難小屋の様子を調査に行った時の状況です。

建て替え工事中の為、工事資材や作業員の宿舎となるプレハブ小屋が設置されていて、

それらがテント場のほとんどを占領しています。

金土日祝日と休前日は利用できません。今年利用しようと思っていた方には不便をかけております。

新しい白雲岳避難小屋は、周辺の登山道の整備や維持管理の拠点としても活用していく予定です。

【白雲岳避難小屋基礎部分】

昼間の太陽の光に満ちた景色や植物も魅力的ですが、夕焼けや星空や、登った朝日に照らされる山々は宿泊しなければ見る事ができません。

完成した白雲避難小屋に泊まるのが今から楽しみです。

今年は白雲避難小屋管理人が情報を発信しているので、新しい情報はこちらで確認してください。在りし日の懐かしい白雲岳避難小屋の写真もあるようです。

<白雲岳避難小屋管理人のページへLINK>

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2020年07月28日層雲峡の核心部 Part1

大雪山国立公園 岩城大洋

 こんにちは、大雪山国立公園管理事務所の岩城です。

私には、忘れられない風景が層雲峡にあります。そこは、今では立ち入りが禁止されており、

見ることはできません。私の脳裏には今でも子どもの頃に見たそのダイナミックで壮大な情景が、

近くを通るとよみがえります。

 思い出の中の層雲峡の絶景について、今回は3部構成でお伝えします。

     層雲峡小函地域から銀河流星の滝方面

        旧国道沿いの小函地域

 

層雲峡と言えば、柱状節理が有名です。

節理とは、主に火山性の岩石に見られる現象で、岩石の露出部分に見られる規則性のある割れ目を言い、熱いマグマが冷却固結する過程で形成されます。

節理には主に柱状節理や板状節理、方状節理があり、岩石の種類も玄武岩や安山岩など様々です。

層雲峡地域においては、約3万年前の大雪山の噴火により堆積した熔結凝灰岩が石狩川の浸食により削られ長い歳月をかけ現在の姿となりました。

全国では兵庫県の玄武洞や福井県の東尋坊などが有名ですが、層雲峡の柱状節理は規模が違います。石狩川沿いに約25kmあまりにわたり峡谷が続いているスケールなのです。

その中でも、銀河流星の滝から小函、大函までの間は、層雲峡の核心部と呼ばれ、高さ200m前後の天城岩や天柱岩、岩の形が独特な羽衣岩、切り立った岩壁の神削壁などの絶景が点在しています。

 

 

 

この区間は多くの人がその美しさと迫力を見に来る特別な場所でした。

しかし、1985年には天城岩で小規模な崩落が発生。

その2年後の1987年(昭和62年)69日早朝、記憶に残っている方も多いと思いますが、天城岩が大規模な崩落を起こしました。

(この事故は「層雲峡小函天城岩崩落災害」と呼ばれています)

崩落した岩の総量はなんと11,000㎥に及び真横を流れている石狩川を完全に埋め尽くし、対岸の国道上にも岩盤は到達しました。この崩落により岩盤の直撃を受けた3名が亡くなり、6名が重軽傷を負いました。

 

赤枠は天城岩崩落部分(岩肌の色が赤錆びた部分が崩落箇所)

 

 

この崩落災害を受け、小函地域の景観は観光名所から、危険な箇所だと認識されるようになり、銀河トンネルが接続され、1995年(平成7年)には、小函地域は車両では行けない場所へとなりました。ただし、絶景は、しばらくの間、自転車・歩行者専用道路として解放されていましたが、1998年(平成10年)頃から神削壁で落石が頻発したため、その後は、一切の通行が禁止され現在に至っています。

今年に入り、新型コロナウィルスが全国的に猛威をふるい、層雲峡には観光客がいないという状態が続きました。旅館やホテルでは休業が相次いでいました。

そんな折りに、層雲峡再活性化の議論が始まり、層雲峡の歴史を見つめなおす機会がありました。そのような中、注目されたのが、現在では立入りが制限されている層雲峡景観の核心部「小函地域」だったのです。

 

       層雲峡温泉(後方は黒岳)

 

通行止めとなってから約20年余り。

思い出の中の情景がリアルな景色としてよみがえるお話は次回の日記でお伝えします。。

今回のAR日記はここまで。

また、次回をお楽しみに。。。

 

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2020年07月14日松仙園開通

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

こんにちは大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

大雪山も残雪が溶けて、あちこちで花が咲き始めました。

今シーズンの始まりは新型コロナウィルス感染症の流行だと思いますが、昨年迄とはうって変わって、大雪山は静かな山開きとなりました。

そんな状況の中、7月14日に松仙園ルートが開通しました。

2006年から通行止めになっていた松仙園ですが、上川町や地元の山岳会の熱い要望を受けて再整備が始まり、14年ぶりの復活となりました。

木道が敷いてある沼地からは、見た目はそんなに古くないように見えますが樹齢数百年のアカエゾマツの木を見る事ができます。強い風の影響で傾いたり曲がったりしている仙人のように年老いた老木が、松仙園の名前の由来なのかなと思いました。

そして、ここでは発達したケルミ・シュレンケ複合体を見る事ができます。

凸地をケルミ、凹地をシュレンケといいます。常に一体となって形成されるので、ケルミ・シュレンケ複合体と呼ばれます。

水はけの良い場所と、水たまりになりやすい場所で違った植生が見られることが、ケルミ・シュレンケ複合体の特徴です。人為的な影響のほとんどない形で残されているのは、大雪山の中でもここだけです。

晴れていれば愛別岳から旭岳まで綺麗に見えます。

紅葉時期もかなり綺麗な景色が期待できますね。

登山道は大雪山グレード4『大雪山の厳しい自然に挑む登山ルート』となっていて、しっかりとした装備が必要です。植生保護のため登り一方通行、ヒグマの生息地、整備は最小限度の険しい登山道など、「誰でも気軽にどうぞ」とはとても言えませんが、

ルールを守れる者のみが立ち入ることができる特別な場所なのではないでしょうか。

松仙園 登山道利用案内

↑松仙園ルートの登山を考えている方は必ずご覧ください

松仙園登山の帰りは大雪山の秘湯愛山渓温泉で決まりです♨

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2020年03月31日「歴史ありけり、そして未来がある」

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさん、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

新型コロナウィルスの影響は日々深刻な度を増していますね。。。

いつまで続くか分からない現状が、気持ちをナイーブにしてしまいますが、

終息後は「何をしよう」、「どこに旅行へ行こう」など遊ぶ計画を立てながら週末を過ごし気を紛らわせているこの頃です。

いつ終息するかは分かりませんが、みなさんもまずは遊びに行く計画を立ててみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、今後の旅行の計画の参考にしていただくため、層雲峡の歴史から温泉が開拓された当時のお湯の成分までをご紹介したいと思います。

 

         上川町から層雲峡方面 ※層雲峡は見えませんが真ん中奥が層雲峡方面

さて、上川町史を調べると層雲峡で温泉が発見されたのは安政4年(1854年)。石狩在勤の足軽松田市太郎によって「大川端に温泉数カ所有之」と記述されています。

その後、約半世紀の間、層雲峡の記述はほとんど無く再び上川町史に登場するのは、明治30年代に入ってから。もちろんその頃はまだ層雲峡とは命名されていません。

明治33年(1900年)には温泉開発が始まり、大正4年(1915年)頃には層雲峡温泉は様々な温泉名でと呼ばれるようになりました。

有名なところでは塩谷温泉、国沢温泉など、ほとんどは事業者の名字を取った温泉名だったようです。

また、興味深いことに明治33年当時の温泉(現層雲峡温泉)の温泉成分が上川町史には記載されていましたので紹介します。

鉱泉証明書には

・有機物 少量

・安母尼亜(アンモニア)痕跡

・亜硝酸 無シ

・格魯兒 (塩素) 少量

・炭酸 多量

・硫酸  少量

・硫化水素 無シ

・石灰 少量

・苦土(マグネシウム) 無シ

・加留謨(カリウム) 痕跡

・那篤倫(ナトリウム)痕跡

・亜酸化鉄 痕跡

いまから120年前の温泉成分。和名からも歴史を感じさせますね。

明治44年(1911年)頃には愛別村長太田龍太郎氏が塩谷温泉を訪れ「霊山碧水」と命名。

大正10年(1921年)には、大町桂月が黒岳から大雪山を縦走する際に霊山碧水を訪れ、そのときに「層雲峡」と命名。

大雪山を縦走したときの紀行文「層雲峡より大雪山」にはかの有名な「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って、山岳の大さ(おおい)を語れ。」との名文があります。紀行文は雑誌「中央公論」に掲載され、層雲峡は景勝地として全国的に有名になりました。

昭和に入ってからは、黒岳ロープウェイが開業し夏は登山、冬はスキーを楽しめる山岳観光の拠点となり、平成には「上川・層雲峡圏プラン65基本構想」により、建物の色彩、デザインの統一などを生かした街並みが整備されました。

長い時間をかけて層雲峡はいまの姿、形へと進化してきました。

 

             現在の層雲峡温泉  (右奥に見えるのは黒岳)

層雲峡と命名されてから今年で99年。来年には命名100周年を迎えます。

いまは、新型コロナウィルスの影響で国内の観光地は非常に厳しい状況となっています。

ウイルスが終息するまでは、前には進めませんが、準備をすることはできます。

2021年は層雲峡に取って大切な年。

大雪山国立公園のためにも層雲峡地区の活性は重要だと思っています。

今後、復活の日に向けて様々なアイディアを絞り出し多くの観光客が戻っている層雲峡に少しでも協力できればと思っています。

99年前の層雲峡。そしていまの層雲峡。そして未来の層雲峡のために。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

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2020年03月31日大雪山国立公園管理事務所へ変わります

大雪山国立公園 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャー忠鉢です。

春分の日が過ぎ、ようやく冬の終わりがきたようです。

今シーズンは雪が少なかった為か、上川町はほとんど道路の雪も消えて春らしくなってきました。

(上川町から見える大雪山)

卒業、旅立ちのシーズンですが、今回はご報告があります。

4月から上川自然保護官事務所は大雪山国立公園管理事務所へと名称が変わり、

人員も今までの3人体制から5人体制になります。

新年度からは自然保護に加えて、大雪山国立公園をよりよく利用するためにはどうするべきか、そのために何ができるかということにも力を入れて活動していくことになります。

特に層雲峡地域の活性化や大雪山の情報発信に力を注げるようになっていくと思います。

今までやりたくても手が足りなくてできなかったこと等試していけたらいいなと思っています。

(上川自然保護官事務所の看板も見納めです)

名前も体制も変わり、4月付で配属される新しいメンバーと共に新年度を迎えます。

今後ともよろしくお願い致します。

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2020年03月23日スノーモビルを使った荷上の調査

大雪山国立公園 忠鉢伸一

登山道を直すための道具や材料を運ぶ荷上には大変な労力と時間がかかります。

長い登山道を重い荷物を背負って数時間歩き、そこから整備して日没までには下山する。

登山口から近い場所なら可能かもしれませんが、登山口から遠く、アプローチに数時間かかる場所での登山道整備は困難を極めます。

(荷上イメージ図)

「じゃあヘリで運べば良いじゃないか」と思うかもしれませんが、ヘリはコストがかかりすぎて現実的ではありません。特に最近はヘリコプターのチャーター代も高騰し、1日数百万円とも言われています。

秋から冬の時期に次の年の準備をして、夏場の登山道の補修を効率よく進められないだろうか?夏季の登山道整備に使う資材の運搬を雪がある時期にスノーモビルで運べないだろうか?

そういう思いから314日にスノーモビルによる荷上が可能なルートがあるか調査を行いました。

今回は上川地区登山道補修業務の一部として、請負者がスノーモビル技術者の協力を得て行いました。旭川市ぺーパン地区から入林して、当麻乗越まで行けるかどうか、

目的地まで安全に資材を運搬できるルートを探すという調査ミッションです。

距離は約30km、植物が混んでいないなるべく傾斜の少ないルートを地図やドローンを使って探しながら行きました。

(この調査にあたり、環境省が道有林の入林申請を行い、また国立公園内の乗り入れ規制区域でのスノーモビル使用手続きをとりました。許可無く国立公園内にスノーモビルの乗入れ規制区域に入ることは禁止されています。レジャー目的では許可はできません)

機動力のあるスノーバイクが偵察して、無線で連絡をとりながらスノーモビルが続き、牽引力のあるバギーが後ろからついていくという形で走行しました。

埋まったモビルを救出したり、斜面が氷結していて登れず引き返したり、時間的な活動限界を迎えた為、あと一歩の所で目的地には到達できませんでしたが、時期や走行ルートを見直せば行ける可能性は高いことがわかり、試していく価値は十分あると感じました。

(ピウケナイ展望台から国立公園区域方面を望む)

冬季のスノーモビルによる運搬が可能になれば、いままでヘリに頼っていた山小屋のトイレの問題も、今までより少ないコストで解決できるようになるなど、さまざまな維持管理の問題を解決する切り札になるかもしれません。

今年は暖冬の影響で、3月の例年の積雪量から比べると約半分程しかなく、雪のコンディションも良いとはいえませんでしたが、十分可能性を感じられる試みだったのではないかと思いました。今後もベストな方法を探っていきたいと思います。

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2020年03月19日静かなる層雲峡温泉

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

今日(3/19)は雲一つない晴天で、外に出ると春の香りが胸を満たしてくれます。

長―い冬が終わりを迎え、吹く風の冷たさが和らぎ、心地よい日差しが心を包んでくれる

待ちに待った春の到来。

外へと出かけたくなる季節なのですが、こちらでも新型コロナウィルスの影響は深刻です。

そこで、今回の日記では大雪山国立公園層雲峡地区での新型コロナウィルスの影響について

お伝えします。

環境省上川自然保護官事務所が管理している層雲峡集団施設地区* には有名な層雲峡温泉があります。

春は新緑、夏は登山の拠点、秋は紅葉、毎年厳寒期には氷瀑まつりが開催され、

美しい氷瀑が幻想的な世界へといざなってくれます。

一年を通して多くの観光客が訪れる観光拠点となっているのです。もちろん温泉も最高です。

*集団施設地区

国立・国定公園の特に重要な利用拠点で宿舎、野営場、園地などを総合的に整備する地区として、

公園計画に基づき環境大臣が指定する地区(自然公園法第36条)。

指定されると集団施設地区計画が樹立され、これに基づき各種の施設の整備が図られる。

北海道では支笏洞爺国立公園の支笏湖温泉、定山渓、洞爺湖温泉、登別温泉地区などが代表的。

(参考:自然公園法第36条 集団施設地区)

層雲峡温泉地区も集団施設地区である。

 

 

               20202月上旬の氷瀑まつりの様子

 

私が氷瀑まつりへ行った2月上旬、すでにテレビや新聞では、新型コロナウィルスのニュースが連日取り上げられていました。そのため、人出を心配していましたが、思いの外会場は賑わっていました。

しかし、その後、新型コロナウィルスの猛威は、瞬く間に日本各地へと広がり、その影響は特に観光資源が豊富な北海道の各地域へ波及しはじめました。

また、228日には、北海道知事が緊急事態宣言を発表し、週末の外出自粛を要請すると状況はさらに厳しいものに。層雲峡温泉の各宿泊施設ではキャンセルが急増、残念ながら氷瀑まつりも、228日(315日まで開催の予定)をもって終了せざるを得ない状況に。

層雲峡温泉地区のキャンセル数(34日時点のキャンセル数)は下記の通り。

2月約7,600人、

3月約15,600人に上っています。

観光への影響は想像していたよりかなり深刻です。

しかし、今はただ新型コロナウィルスが一刻も早く終息することを願うことしかできません。

そして、一番大事なことは終息してからどのように従来の層雲峡温泉の姿を取り戻すのかを考えることだと

思います。

そのため、今から様々なことを提案し議論しなければならないでしょう。

北海道の春は一年で最も美しい季節。

そんな季節に静かなる層雲峡は似合いません。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

 

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2020年02月26日タウシュベツ川橋梁自然観察講座

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャーの忠鉢です。

2/16日に糠平湖のタウシュベツ川橋梁で行われた自然観察講座の様子を紹介します。

上川町公民館主催、上川自然保護官事務所の共催で、主に上川町内の住民を対象に行っているイベントです。

「タ・ウシュ・ベツ」アイヌ語で沢山の白樺の沢という意味。

かつて帯広から十勝三股までを結ぶ、旧国鉄士幌線に作られたアーチ橋の一つである

タウシュベツ川橋梁を観察に行きました。

講師の上川山岳会の皆さんと参加者総勢23名で目的地を目指します。

この日はあまり積雪もなかったのですが、練習も兼ねてスノーシューで橋を目指すことにしました。

 

氷結した糠平湖ではワカサギ釣りも楽しみ方の一つです。

遠くの方に結構な数のテントが見えます。

まるで氷を突き破って木が生えてきたように見えます。

水面が氷結した後も湖底の水が発電などに使われているので

徐々に水面が下がりこんな現象が起きます。

 

タウシュベツ橋梁は、毎年季節が来ると湖に沈んだり、氷雪にさらされたり。

作られてから半世紀以上が経ち、「崩壊も時間の問題」「美しいアーチはもう見られなくなるかもしれない」そんな事が言われはじめてからさらに何年も経ちました。

風化が進んでいるものの、今年も橋梁は健在でした。

遺跡のように朽ちた橋ですが、なぜか違和感のない美しさを感じます。

橋が完全に姿を見せるのは冬の終わり頃から春先、渇水期になる秋頃のようです。

湖に水があって、橋が水面に映っている時期も良さそうですね。

天気が良ければニペソツ山やウペペサンケ山もよく見える良い場所です。

冬以外の季節にも訪れてみたいと思いました。

ひがし大雪自然ガイドセンターでは「今日のタウシュベツ」を見ることができます。

ガイドツアーも行っているので興味のある方は是非見てみてください。

ひがし大雪自然ガイドセンターHP

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2020年02月21日上空からのパトロール

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

今回の日記は、2月9日に実施したスノーモビル等乗り入れ規制啓発合同パトロール(以下、合同パトロール)の様子をお伝えします。

大雪山国立公園の一部の地域では、スノーモビルなどの乗り入れを規制しています。

なぜ規制されているかというと、スノーモビルなどの無秩序な走行が自然環境や動植物の生息・生育環境に悪影響を与えるからです。

規制区域への侵入を防ぐため、環境省及び関係機関では、毎年1月から3月にかけて、監視・普及啓発活動を目的とする合同パトロールを実施しています。

さて、今回の合同パトロールでは、私は北見峠を担当しました。

当日は今年一番の冷え込みとなり、北見峠に到着すると車の外気温度計はなんと氷点下26度ととんでもない数字を表示。

車から下りると、皮膚が露出している顔部分が冷気でピィーンと張り、すぐに鼻の先端が痛くなりました。

駐車帯にはスノーモビルの姿はなく、スノーモビルを牽引してきたと思われる車が10台残された状態で、遠くからはかすかにスノーモビルのエンジン音が聞こえ、駐車場には僅かに排気ガスのニオイがしていました。

今回の合同パトロールからドローンを使用し、上空から監視することができないか検討を始めました。

早速、規制区域の方角ではありませんが、かすかに聞こえるエンジン音へ向けて飛行させることに。

※(ドローン(無人小型機)は入林届を提出し飛行させています)

 

まずは、上空約80mまで上昇させ、

 

 

その後、エンジン音がする方角へと進路をとります。

 

 

スノーモビルの走行痕が上空からハッキリと確認できます。

さらに進路を進めると、

 

 

無数の走行痕が見えてきました。

しかし肝心のスノーモビルが見当たりません。

 

 

さらに、走行痕を追跡しますが、スノーモビルを発見できません。

耳を澄ますとエンジン音もいつの間にかに聞こえなくなっていました。

 

 

前方の山を越えたのかもしれません。走行痕をたどり山を越えたかったのですが、

この日の記録的な冷え込みの影響でバッテリーの減りが思いの外早く、ここは無理をせず引き返すことにしました。。。

 

 

無事に駐車帯へ戻ってきました。

残念ながら、低温の影響もあり、想定より、飛ばすことができませんでしたが、

上空からは、スノーモビルの走行痕がしっかりと確認できたのは、ドローンを飛行させた意義があったと思います。また、今回使用したドローンは半径約5キロ程度まで飛行させることが可能であり、スノーモビルが規制区域へと侵入しているかを上空から確認するには非常に有効な方法だと思いました。

今年度は、これからも定期的にパトロールを実施する予定です。

次回は、どこまでスノーモビルが乗り入れているかを検証できればと思っています。

今回のAR日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。

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2020年01月28日層雲峡ビジターセンター冬季観察会

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャーの忠鉢です。

雪の降り始めは早かった今シーズンですが、12月の暖かさと降雪量の少なさが影響して、例年の半分も積雪が無いこの頃です。

降りすぎも大変ですが、雪の中で遊びたい自分としてはなんだか物足りなさを感じる冬です。

 

さて、暖冬であっても層雲峡の冬は安定の極寒。

層雲峡ビジターセンターで実施している、冬季観察会の様子を紹介します。

1月19日、天気は良いけどとても冷え込みました。

朝の気温は氷点下18度でした。

観察会に出かける前にビジターセンターで大雪山の生い立ちと、層雲峡の柱状節理について説明を受けてから出発します。

柱状節理とは、熱い溶岩が冷えて固まる過程で収縮して、規則的な柱状の岩になったものです。

層雲峡ではよく見られる岩です。

この辺り一帯は火山の噴火で溶岩に埋もれ、冷えて固まった岩石を長い年月をかけて川が削り、今の状態になったと言われています。

それはもう気が遠くなるような長い年月です。

この日は運良く状態のいいフロストフラワーが見られました。

フロストフラワーが見られる条件としては、氷点下15度以下であること、無風状態であること、そして氷結した氷の面にしかできないそうです。

最後に立ち寄った洞窟の入り口には綺麗な霜が着いていて、水晶の洞窟のようでした。

こんな場所があったなんて初めて知りました。

近づいた自分の熱で溶けてしまいそうな位繊細な氷の結晶でした。

冬季観察会は2月23日まで(土日のみ)午前と午後の1日2回の開催となっています。

とても寒いですが防寒対策をしっかりして、層雲峡の冬景色を楽しんでみてはどうでしょうか?

層雲峡ビジターセンター講座案内

参加人数には定員がありますので、事前予約が必要です。

スノーシュー、ヘルメットなど必要な装備はレンタル可能です。

知識豊富なガイドさんが同行してくれるので、層雲峡の色々なお話が聞けてとてもおすすめです。

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