ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園

112件の記事があります。

2017年06月22日旭岳、山開きです。

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 いよいよ、大雪山でも山開きとなりました。

 今年は例年よりも雪が多いと言われている表大雪。

 618()、安全に旭岳で登山をするため旭岳~中岳のロープ張りやゴミ拾い、薄くなった標識のペンキの塗り直し、雪のカッティングをパークボランティアと総勢14名で行いました。

 当日は快晴微風の整備日和。

 旭岳の山頂に至るには左手に地獄谷の荒々しい噴火口、右手には原生林の樹海と残雪の十勝岳連峰を見ながら上を目指します。

 パークボランティアの皆さんや私にとっては馴染みある道や風景やお花たち。それは何度登っても飽きることはなく、登るたびに自分自身の心の中にある大雪山と、実際に目の前に広がる大雪山とを山座同定することで、大雪山から安らぎや力をもらっているのだと思います。

 いつもは咲いているイワウメが今年はまだ固いツボミでした。「今年はお花の開花が遅いね」「イワウメ見たかった~」など言いながらも、お楽しみが先になったことも嬉しく、毎年少しずつ違う雪形やお花の開花など山の醍醐味を存分に感じながら、ナイスチームワークで整備が出来ました。

 今回、整備に参加してくださったパークボランティアの皆さん、お疲れさまでした。

 山男、山女の皆さんに元気に引張っていって頂けたこと、とても励みになりました。

 高山蝶パトロール、植生復元モニタリング、外来種駆除など、今シーズンもパークボランティア活動、目白押しです。パークボランティア活動はFacebookでも随時更新しています。是非、「いいね!」お願いします。

https://www.facebook.com/%E5%A4%A7%E9%9B%AA%E5%B1%B1%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E9%80%A3%E7%B5%A1%E4%BC%9A-210276582645252/

 

*裾合平の残雪*

 裾合平は例年7月中旬まで目印もほとんどない平らな雪原が広がり、ガスがかかると道がわからなくなります。地図とコンパス、GPSでのナビゲーションが出来る方でないと、複雑な地形で迷いやすく、とても危険です。ナビゲーションすることに自信がない方は7月中旬の木道が出るまでは待ちましょう。そのときはチングルマの大きなお花畑が広がっています。

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2017年06月02日層雲峡クリーンデー

大雪山国立公園 大久保 智子

こんにちは。

上川自然保護官事務所の大久保です。

5月31日に、今年も層雲峡町内会の方々と大雪山国立公園パークボランティア、上川自然保護官事務所で、お客様を迎えるために層雲峡地区のゴミ拾い活動を行ってきました。

 

 

層雲峡を綺麗にするぞと気合いをいれてくれた20名のパークボランティアさんも参加し、層雲峡の各ホテル、商店街、清掃員など総勢50名ほどで温泉街に散らばってゴミを拾いました。

 

ゴミがなくなるといいのですが、残念ながらまだまだありました。

回収したゴミの量は

燃やせるゴミ(主に吸い殻や食品の容器など):23kg

燃やせないゴミ(傘など):40.3kg

缶・瓶類:3.5kg

でした。

 

 

綺麗になった層雲峡温泉街は、エゾハルゼミが賑やかで、新緑がまぶしい季節なので、明るい峡谷を楽しめると思います。是非お越しください。

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2017年05月25日アクティブ・レンジャー写真展 開催のお知らせ!

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

環境省 北海道地方環境事務所には12名のアクティブ・レンジャー、希少種保護増殖等専門官が在職しています。


山・海・森・川・動植物、自然を愛する私たちは、美しく希少な北海道の自然環境を大切に活用し、そしてその自然を次世代へ繋いでいくため、国立公園や日本有数の渡り鳥の渡来地である鳥獣保護区の維持管理や現地調査、動植物との共存方法を考えながら保護・増殖をしたり、地域の関係者と現地で汗を流しながら、日々様々な業務に励んでいます。

そんな私たちの活動を知ってもらい、北海道の自然の素晴らしさを伝え、自然環境保護への理解を深めてもらうため、今年度「アクティブ・レンジャー写真展」を開催することとなりました!


写真は、私たちが業務中に撮影したもので、各地域の特性・魅力が伝わりやすい作品になっています。

写真の他、アクティブ・レンジャー紹介パネルや撮影地パネル等も展示します。

道内各地で展示をしますので、スケジュールをご覧になって頂き、お近くの方は是非ご来場ください。

また、会場にはアンケートを設置します。写真展の感想など、アンケートに回答してくださった方には記念ポストカードをお渡ししますので、是非アンケート記入のご協力をよろしくお願いします。

アクティブ・レンジャー写真展はいよいよ6月1日(木)サロベツ湿原センターからスタート!

是非、私たちの写真展にご来場頂き、北海道の雄大な自然・動植物の魅力を見に来てください。また、アクティブ・レンジャーの活動を知ってもらえたら嬉しいです。

【北海道アクティブ・レンジャー写真展のお知らせ】

http://hokkaido.env.go.jp/to_2017/29.html

先日、パークボランティアの皆さんと春山研修のため、スキーで三段山に登りました。

ピークから見た十勝岳連峰は、春山から夏山へと季節が大急ぎで移っていくのを感じました。

稜線の向こう側では鈴なりのツボミが待ち受けていること、響き渡るウグイスの鳴き声、雪解け水の音...ただ季節が巡ることがどうしてこんなにも心を温めてくれるのでしょう。まばゆい白銀の山に後ろ髪を引かれつつも、生き物の息づかいがする緑色の山や靴の底から伝わる土の感触も愛おしく、いつの季節も何度でもこの景色に励まされ、自分にとっての楽園はここであると、山からまた生きる糧をもらいました。


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2017年01月27日厳寒の青空のもとで

大雪山国立公園 岩城大洋

   みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

  年が明けてから、上川地方では晴れた日が多く、放射冷却の影響で朝晩と凍てつく日が続いていますが、

  みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

  今回は1月22日に行いましたスノーモビル乗り入れ規制地区での合同パトロールの様子をお伝えしま 

  す。

  大雪山国立公園には、貴重な自然があり、そこには希少な動植物が生息・生育しています。

  特別保護地域及び十勝川源流部原生自然環境保全地域では動植物に悪影響や深刻なダメージを

  与えないために、スノーモビルの乗り入れを規制しています。

  そのことを周知するために、毎年、合同パトロールを実施しているところです。

   パトロールは北見峠とペーパン21世紀の森の2箇所で実施し、私は北見峠に行ってきました。

   この日は朝から澄みきった青空で、北見峠に到着した時点で気温は-17度でした。

   車から降りるとみるみるうちに手足がかじかんできましたが、それを忘れてしまうくらいに綺麗な

   青色のもと、のぼりを設置して、パトロールを開始しました。

   我々の気合いが遠くまで伝わったのか、この日はスノーモビルをけん引する自動車や、

   けん引トラックの姿はなく、北見峠周辺をパトロールした結果、スノーモビルの走行の痕跡なども

   ありませんでした。

 

   林野庁及び地元警察による日頃からの巡視の効果が現れ、北見峠からの乗り入れは、確実に減少してい 

   る傾向となっています。

     ※レジャーでスノーモビルを楽しむときは、上記の地図に示している規制地区内には絶対に

      進入しないでください。国有林・道有林も進入はできません。

   まだまだ寒い日が続きますが、次回は層雲峡氷瀑まつりの様子をお伝えしたいと思っています。

   ではまた次回をお楽しみに・・・。

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2016年12月26日100年後も守り続けていくために

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

皆さん、原始が原湿原をご存知ですか?

原始が原湿原は大雪山国立公園の最南端に位置している1000ha(東京ドーム210個分)の広大な湿原です。

湿原には木道が敷いてある、もしくは展望台から眺める等が一般的ですが、原始ヶ原には木道や展望台、明瞭な登山道さえなく、湿原の好きな場所を歩ける日本の国立公園では大変珍しい場所です。今までそれが出来ていたのは、原始ヶ原の入山者が少なく踏圧によるインパクトが最小限で済んでいたからですが、最近その湿原も裸地化・複線化が進み、何らかの対策が必要だと地元や環境省で考えはじめ、調査や植生復元を始動しました。

そんな原始ヶ原について考えるため12月4日(日)、シンポジウムを富良野市で開催しました。

シンポジウムのプログラム①の特別講演は、株式会社モンベル代表取締役会長兼CEOの辰野勇氏から「地域活性を考えるアウトドアスポーツ7つのミッション」というタイトルでモンベル社が取り組んでいる事業の紹介をして頂きました。

7つのミッションには、青少年や子供への野外活動プログラムや、自然災害への対応、エコツーリズムによる地域経済の活性などがあるのですが、ご紹介頂いた様々な事業の中で特に印象的だったことは、冒険を応援する「チャレンジアワード」や「チャレンジ支援プログラム」事業でした。オモシロイのが、成功したものに対して賞を出すのではなく、チャレンジしている現在進行形のものに対して賞(軍資金)を贈っているのだそうで、何もないものを1から創り上げていくにはエネルギーやリスクが要るけれど、それを冒した先にある達成感や満足感を味わうことが人間にはとても大切だと辰野会長は考えており、大小様々な冒険の応援をしているのだそうです。

次に自然災害への対応です。1995年に起こった阪神大震災のとき、まだ大企業ではなかったモンベル社は全国各地のアウトドア協会等の支援を得て「アウトドア義援隊」を立ち上げ、テントや寝袋等の救援物資を寄付したそうです。それは2011年東日本大震災でも再発足し支援活動を行いました。大津波の被害で、遺体の収容に大変な時間がかかったと捜索隊から聞いた辰野会長は被災地から本社に戻ってすぐに、失神しても気道が確保できる枕や救助を求めるための笛が付属しているライフジャケット「浮くっしょん」を製作したそうです。「大きな津波が来たとき、浮くっしょんで命は助けられないかもしれないけど、沈むことはないから遺体の収容は早くできる」という現地の痛切なる声を聞いたからこそ開発できた活きた商品だと思いました。

辰野会長の柔軟なアイディアや若々しいエネルギー、フットワークの軽さは、自然から多くことを学び実体験を重ねた知恵と経験からみなぎってくるものなのでしょう。バイタリティーに溢れた貴重なお話を聞くことが出来、大変光栄でした。また大らかなお人柄もとても素敵でした。

プログラム②は、富良野市役所と原始ヶ原のルート調査や整備を行った北海道山岳整備岡崎哲三氏から原始ヶ原コースの紹介や、市民登山会で行ったヤシネットによる植生復元活動、原始ヶ原の重要性についての報告がありました。

そして最後のプログラム③は原始が原に関わる行政や山岳会等7名+辰野会長による「原始ヶ原の利用と保全の在り方」についてのパネルディスカッション。

貴重な原始ヶ原を色んな人に知ってもらいたいが、来る人が増えれば湿原は痛んでしまう。それを今後どうしていくのか。

「人を入れる前に保全の重要性を認知してもらうことが必要」、「ガイド付きで利用を制限しつつ、保全の重要性や原始性の楽しさ・素晴らしさを知ってもらう」...等、辰野会長からは海外のいくつかの入山制限の事例をご紹介頂き、白熱した議論となりました。

人を受け入れるにしても、ただ単に重要性を唱えても登山者に響くことは少ないでしょう。登山者の質を求めるのにしても、それは受け入れる側の体制作り、伝え方の工夫、発信の仕方等にもかかっているのだと思いました。

私の中に思い浮かぶ原始ヶ原・・・

若草色の湿原が一面に広がり、人工物は何もなく、正面には「独立峰」と化した富良野岳が大きく聳えています。ワタスゲがポンポン綿毛をつけ、足元をよく見るとトキソウやヒメシャクナゲが咲いています。エゾマツ林からはカッコウの声が聞こえ、時に湿原のぬかるみにはまりながら歩きます。派手さや飾り気はないですが、まさに原始的で素朴な印象です。私にとってはこれが原始ヶ原の当たり前の風景でしたが、もしかするとこれからは当たり前じゃなくなるかも知れない・・・。

100年後も、その先も、この湿原を歩く人たちがどうかこの素朴で原始な自然に出会えていますように。

良いお年をお迎えください。

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2016年11月24日今、富良野・原始ヶ原がアツイ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川の渡邉です。

今年はいつになく早い冬の訪れとなりました。

東川町も11月と思えない軽い雪が舞い、自然から冬山へのいざないを受けているかのようです。

これから半年間、モノクロの世界となる大雪山、十勝岳連峰。

アイゼンをきしませ雪稜を一歩ずつ確かに登っていく、吐く息は凍りフェイスマスクも段々固くなっていくー。

困難と知りつつも無限に湧いてくる山への情熱。それは岳人を引きつける冬山の力なのでしょう。

また今年も白い頂きの旅へー。

【富良野岳へ】

さて、今年から8月11日が新たに「山の日」として国民の祝日に加わりました。

これを記念して、富良野市において12月4日(日)にシンポジウムを開催することとなりました。

急なご案内となりますが、モンベル辰野会長のご講演や、今年山の日に原始ヶ原湿原で植生復元のために設置したヤシネットの報告、原始ヶ原の今後についてのパネルディスカッションなど、原始ヶ原にスポットを当てた一日となります。

皆様のご来場、是非お待ちしております!!!

山の日制定記念シンポジウム 富良野で国立公園を考える

~世界に通用するナショナルパーク・大雪山の隠れた魅力「原始ヶ原」の保全と利用について~

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2016年10月24日黒岳の雪

大雪山国立公園 岩城大洋

こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

 

ヘリコプターによる黒岳石室バイオトイレのし尿の搬出作業のために、

10月13日に黒岳石室まで行って来ましたが、残念ながら雪と強風のため作業は

中止となってしまいました。

そこで今回は、黒岳石室へ至る雪の状況を写真でお伝えします。

 

 

もうすっかりあたりは冬です。

 

 

この時期になるとリフトは寒さとの戦いです。

スキーを滑りに来ていたら寒さもなんのそのなんですが・・・・。

雪が十分に積もると黒岳スキー場は11月11日にオープンする予定です。

(リフトは10月17日~11月10日まで整備運休しています)

 

 

7合目には大きな雪だるまが僕たちを出迎えてくれました。

 

 

ラッセルしながら登ってきましたが、雪が深くなってきたのでスノーシューを装着。

ふかふかの新雪の上を歩くのは気持ちがいいものです。

 

 

 

あたりが眩しくなったので、空に顔を上げると、雲の切れ間から青空が出てきました。

あたりは一面銀世界なので、照り返しの太陽光が目に焼き付きます。

雪の季節はサングラス、またはゴーグルを常備することをおすすめします。

雪目にならないように注意してくださいね。

 

 

雪のある山頂はやっぱり迫力があります。

 

 

雪をかぶった凌雲岳です。圧倒感が漂っていました。

この付近は風の通り道になっていたので、とにかくものすごく寒かったです。

 

 

黒岳石室が先に見えてきました。

 

 

この日作業の予定だった石室に無事に到着です。

周りを見渡すと、雪の世界。多いところでは約2mの積雪がありました。

この状況を見て、今回の作業は中止になりました。

これから大雪の山々は厳冬の季節へと進みます。

山へ入る際は、登山計画書の提出、しっかりした冬山の装備、また単独での登山は避け、天候の

状況にあわせた登山を心がけてください。決して無理な登山は行わないでください。

 

大雪山は四季折々のすばらしい景色が見えるところです。

みなさんも冬の大雪に遊びに来てくださいね。

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに。

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2016年10月12日黒岳バイオトイレの冬支度

大雪山国立公園 岩城大洋

こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

 

今回は黒岳石室の隣にある黒岳バイオトイレのくみ取り作業に行って来ましたので、

その様子をお伝えします。

 

上川総合振興局では、短い大雪山の山シーズンの間に6回のくみ取り作業を実施しています。

今年度最後のくみ取りは、10月3日に上川総合振興局、上川町、山のトイレを考える会、

上川自然保護官事務所で行いました。

 

天気はあいにくの雨模様。

時折吹きつける突風が体を冷やします。

雨具のフードをしっかり被り、15分ほどリフトに揺られると7合目に着きました。

 

7合目より登り始め、マネキ岩が見えてきました。もう少しで山頂です。

すっかり紅葉も終わり、あたりはさみしい景色になっていて、それはまるで

雪を待っているかのよう。でもそんなさみしい景色も僕は好きです。

 

山頂に到着です。リフトでは強風にあおられたので、山頂もさぞ風が強いと危惧していましたが、

心配するほどではありませんでした。

 

黒岳トイレまであと少しです。先を急ぎます。

山頂より20分ほど歩いて現場にたどり着きました。

 

作業は2班に分かれます。

トイレで実際にくみ取りをする班と、シーズン中に保管していたくみ取り済みの糞尿を

広いスペースへと運び、ヘリコプターでつるし上げられる状態にパッキングする班に分かれます。

 

私はくみ取り班で作業にあたりました。

 

まずは汚れたもいいように、白い作業服に着替えます。

 

くみ取りが始まりました。糞尿は、二重にした厚手のビニール袋に入れていきます。臭いとの戦いです。

 

一袋の半分ほどくみ取ると、中側の袋を縛り、外側の袋は結束バンドできつく縛ります。万が一でも漏れないようにするためです。それから重さを量ります。1袋平均約20kgでした。

 

 

 

黒岳バイオトイレはA、B、C、Dと4つのトイレがあり、それぞれくみ取った量を算出します。

          

         今回は Aトイレ 350kg

             Bトイレ 340kg

             Cトイレ 170kg

             Dトイレ 130kg でした。

 

総くみ取り量は990kgになります。くみ取りはこれで終了です。

すべてくみ取るまで2時間ほどかかりました。

 

パッキング班も作業が終わったようです。約20個にパッキングされた糞尿は、10月13日の予定で

ヘリコプターにより上川町に運ばれ、その後適切に処理されます。

 

順調に作業が終わったので、トイレの冬囲いを行いました。

 

 

厳しい冬を越え、来年の6月まで約9ヶ月間の冬眠に入ります。

 

もともと黒岳のバイオトイレは、おがくずに付着している微生物の分解能力によって糞尿を分解処理

する予定でした。

トイレは1日あたり最大200人の利用を想定し設計されましたが、利用者数が想定以上だったため、

トイレを維持するには、くみ取り作業を導入するしかありませんでした。

またこのバイオトイレは高山帯に位置するため、低温により微生物が予想より活発には働かない点も

くみ取りが必要な原因のひとつになっています。

トイレがオープンしている期間(6月中旬~10月初旬)の間に合計6回のくみ取り作業を行ってトイレを

維持しています。

 

少しでもくみ取りの量を減らすためにも、各登山者の携帯トイレの持参をお願いします。

登山者の1割が携帯トイレを持参することによって、くみ取り量は年間で約600kgの減少になります。

 

今まで黒岳バイオトイレを使用した方たち、これから使用するかもしれない方たちにも、

このような作業が行われて、はじめてトイレが維持されているのを記憶にとどめて頂ければと思います。

 

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに。

 

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2016年09月21日久しぶりの山仕事

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさま、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。日に日に秋めいてきましたが、

いかがお過ごしでしょうか。

 

8月は度重なる台風の上陸により、大雪山の各所でも被害が出ました。

特に各地の登山口までのアクセスは8月下旬から9月中旬までできない状況でしたが、

関係者の方々の懸命の復旧により徐々にアクセスは正常化しつつあります。

 

8月中旬以降は台風の影響で大雪山への巡視もできない状態でしたが、9月に入り

ようやっと山へと行く仕事も順次できるようになってきました。

 

今回は9月12日に上川総合振興局、上川中部森林管理署、上川自然保護官事務所が

合同で行った登山道補修の様子をお伝えします。

 

 

久しぶりの山仕事で気合い入りまくりです。

 

もちろん現場へは、まずは登山しないと着きません。

この日は薄曇りの中、黒岳7合目より背負子に補修に使う道具を取付け出発しました。

 

紅葉はまだ始まって間もない感じで、今年は例年より1週間くらい遅いようです。

 

山頂までせっせと登ると、雲はすっかり抜けきって青空が現れました。

その青空には、筆で薄く描いたような雲が連なっていて、その光景は秋を感じさせてくれます。

 

 

山頂をあとにして、黒岳石室まで進みます。石室の分岐まで来ると現場はもうすぐです。

 

 

当初は登山道の石組みが外れている箇所や、大雨の影響で壊れてしまったところを

補修する予定でしたが、赤石川の少し手前まで来てみると、昨年度に水が流れる区間の浸食を防止する

ために設置したワラムシロが大雨の影響で1箇所に集積してしまっている状況でした。

 

 

 

これはほうっておけません。

 

集積してしまったワラムシロを分け、大きめの石をワラムシロに包んで設置し、

土砂を堆積させ浸食を防止することとしました。

 

 

石を包んだワラムシロを真ん中に配置し、両サイドには石をしっかりと設置し雨水のせき止め土砂などが

堆積する効果を狙います。

おおよそ2m間隔でワラムシロを包んだ石を設置しました。

 

 

すっかりきれいになった現場。

 

この写真ではわかりにくいかもしれませんが、ワラムシロで補修を行った左側には

昔もう一本の登山道がありました。

見た目では自然に戻っているように見えますが、底の方は今現在も掘れた状態のままです。

自然が元の姿に戻るまでには、とてつもなく長い時間が必要になります。

 

今回、補修した箇所も元の様に戻るには長い時間が必要でしょう。

しかしゆっくりでもいいので、少しずつ確実に本来の自然の姿に回帰してくれたらと願っています。

 

今回のAR日記はここまでです。

また次回をお楽しみに・・・・・

 

 

 

 

 

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2016年08月31日3年目のテンサ-

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

ご無沙汰していました、東川の渡邉です。

短期間に凝縮された大雪山の四季。この夏はタイミングを逃し高山植物の大群落には出会えず...気づけば9月を目前となっていました。

赤・黄・橙・茶になるモザイク色の山の斜面や、陽に当たる美しい黄金色の穂、冬眠の準備に忙しそうな動物たちの残した食べ殻や足跡。淡々と、着々と、長い冬を受け入れる前のいつもより静寂を増した秋の大雪山は一段と美しく、山の稜線に立ち、乾いた透き通った風に吹かれると、このまま風になり山肌を撫でたり、稲穂を揺らす風になりたい、と願ってしまいます。

山が白くなる前に、まだまだたくさん大雪山を歩かなければ。

先日、パークボランティアと裾合平で登山道補修をしました。

流水で洗掘が進む登山道に、河川の土留めとして使われるテンサーを使い、土留め補修をするようになり3年目。

今年も北海道山岳整備の岡崎講師に来て頂き、頭の体操をしながら土木作業の開始です。

つくづく、登山道整備は体力はもちろん必要ですが、相手は山。

その場しのぎの整備では誤魔化しが効かず、中途半端な施工をするとすぐにひっくり返され、前より状態が悪化してしまうこともあり、そこで何が起こっているのかよくよく観察することが重要なのだと感じます。次にこれに対応するためにはどうすれば良いのか考える柔軟な頭、その次が技術...と登山道整備に関わるようになり駆け出しですが、毎回新たな発見と感動を覚えつつ、作業をしています。

2年前に置いたテンサーには土砂が満タンまで溜まり、予想よりもうまく機能していることに一安心。

しかし去年置いたテンサーに土砂はあまり溜まっていない・・・流速が早いところでは土砂が水と一緒に勢いをつけてテンサーを乗り越えて流れ出していってしまうようです。なので、昨年度の検証を生かし、大きな水たまりが出来易い、流速の弱まる部分にテンサーを設置することにしました。

3年連続参加してくださる方もいるので安心して作業をお任せでき、ARは石運搬係に徹します。(ときどき口うるさく監督します。)

そして設置したテンサーは10基。水たたき石代わりにササをはさみ石運搬は最小限にし労力を削減、ヤシロールで土砂を誘導しテンサーに土砂を溜まり易くするなど、確実に進化している3年目のパークボランティアでの登山道整備!!

嬉しく、燃えますね。

作業中、当麻岳の斜面には食事中のヒグマを見ることが出来ました。

100年後、200年後...山にはヒグマが悠々と草を食み、裾合平にはチングルマの大群落が咲き、毎年そこを訪れることを楽しみにしている人がいること、そしてその人たちが大自然から無限の癒しと力をもらい続けていること、それがいつまでも続くことを心から願い、今年も登山道整備をしました。

参加された皆さん、岡崎講師、楽しい作業でした。お疲れさまでした。

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