釧路湿原国立公園 釧路湿原
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2018年04月11日パークボランティア研修会を開催しました!<パート2>
釧路湿原国立公園 渡辺欣正
釧路湿原国立公園パークボランティアたちの活動がより深く、より楽しくなるために開催している研修会。
前回の応急手当につづき、3/24(土)にも開催しました!(フレッシュな報告ではなく、ごめんなさい...。)
今回は、バスをチャーターしてラムサール条約登録湿地「厚岸湖・別寒辺牛湿原」へ!
私たちのフィールドである釧路湿原から一歩外に出て、厚岸水鳥観察館の澁谷さんから、お隣の湿原のこと、水鳥のことを学びました。
座学の冒頭。
澁谷さん「この鍋、なにかおかしいことに気づきませんか?」
(ヒントは右の写真)
「こういう誤認はよくあります。全種を覚える必要はないですが、大きさ、色、形、行動の特徴といった識別ポイントはおさえておきましょう!」と。
専門家ならではのおもしろい小ネタを交えながらの座学の後は、野外で実物の観察へ。
「全体的に黒い!あ、潜った!キンクロハジロのようだけど、白い部分は腹から背中で、くちばしの根元が白いのもいるから...スズガモだ!」と習ったばかりの観察のコツが活きました。
当日の資料はコチラ。カモの観察にオススメのポケット図鑑です。
http://www.biodic.go.jp/gankamo/seikabutu/data/report/IdentificationGuide_bypage.pdf
そして、釧路湿原国立公園にも、ただいま北帰行中の水鳥たちがやって来ていますよ!果たしてどんな鳥が見られるのでしょうか。水鳥調査から帰ってきたばかりの佐野アクティブレンジャーにバトンタッチ!
2018年03月20日パークボランティア研修会を開催しました!
釧路湿原国立公園 渡辺欣正
釧路湿原国立公園パークボランティア研修会「応急手当講習~活動時の事故に備えよう~」を温根内ビジターセンターで開催しました。
私たちの活動拠点である温根内木道で病人がでたら...?巡視中にケガをしたら...?地元の鶴居消防署にお願いをして、実践的な救命救急を教えていただきました。日頃の消防活動でお忙しい中、時には真剣に、時にはおもしろおかしい寸劇を交えて教えてくださった村上さん、菅原さん、加藤さん、どうもありがとうございました!
場面設定は、"野外で、限られた道具で"。
「加藤くん!大丈夫かい?いま助けてあげるからね!」と安全な所へ移動。
「加藤くん!もしかして腕の骨折れてない?もう心配いらないよ!ほら!」と言って出てきたのが、やぶれたスーパーのビニール袋...。いったいどうするんでしょう...。
おおお!!!
骨折した腕を固定することができました!ビニール袋は、止血で直接圧迫する際の感染症予防にも使えるので、リュックに大小1枚ずつ入れておきたい便利グッズとのことでした。ガムテープかビニールテープもあると、なお良し!
その他にも、湿原で起こりうるさまざまな事故を想定して訓練しました。私たちが安全に活動できるよう、そして来訪者に安心して楽しんでいただけるよう準備してお待ちしております!
2018年02月15日雪がふったら温根内木道へGO!
釧路湿原国立公園 釧路湿原 渡辺欣正
こんにちは、釧路湿原国立公園の渡辺欣正です。
温根内ビジターセンターの冬の目玉は、歩くスキーとスノーシューの無料レンタル!
観光で来られた方にも、この頃運動不足を感じるな...という地元の方にも、気軽に冬の湿原歩きを楽しんでもらいたいです。歩くスキーやスノーシューの購入を検討している方も、一度無料で体験してみては?
それにあわせて温根内木道自然情報も更新しました!ダウンロードはコチラから。
オススメスポットを紹介しているので、ルートを決める時に参考にしてみてください。
先日は、鶴居小学校と庶路小学校の子どもたちが歩くスキー体験をしに来てくれました!子どもたちに人気だったのは「チャレンジ坂」と「堤防ゲレンデ」!なだらかな斜面を何度ものぼったりすべったり、気分はクロスカントリースキーオリンピック選手!
そしてもうひとつのオススメが「湧き水」。2/11(日)に開催された自然ふれあい行事「歩くスキーで湿原ハイク」で観察をしに行きました。気温マイナス20℃まで下がる氷の湿原において、この凍らない水はまるで砂漠のオアシス。いろんな動物たちが水を求めて集まります。いったい誰の足あとでしょう?
ミニ図鑑も載せているので、ぜひ見つけた足あとを調べてみてください。て、実はクイズなのです(意地悪?!)。歩く前にスタッフと答え合わせしても、歩いた後にセンターの暖炉で温まりながら考えてもOK!そして友だちや家族に温根内のことを宣伝してくれたらなお◎
今しかできないことをめいっぱい楽しもう!
皆さまのお越しをお待ちしております!
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■温根内ビジターセンター
TEL:0154-65-2323
開 館:午前9:00~午後4:00(11月~3月)
休 館:毎週火曜日
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平成30年3月4日(日)10:00~12:00
「湿原の裏山でスノーシューハイク」@温根内木道
普段行けない所から湿原を眺めます|参加無料|要予約|
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2018年01月24日冬の釧路湿原でしかできない体験3選
釧路湿原国立公園 渡辺欣正
釧路湿原国立公園の渡辺欣正です。本年もよろしくお願いします。
さて、厳冬の釧路湿原には寒さを忘れるほど楽しいことがいっぱい!
この時期にここでしかできない体験3選、勝手にランキング、発表します。
3位 雪よりも白いタンチョウ観察
朝早くならポストカードなどでも見る名所「音羽橋」。日中ならスタッフが常駐している「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」がオススメです。おもしろい生態や涙ぐましい保護活動のお話も聞けますよ。施設が休館の際は、「鶴見台」へ。長く厳しい冬を生き抜くタンチョウのたくましさと美しさに、心温まることでしょう。
写真左)音羽橋 右)鶴見台
2位 歩くスキーで湿原散策
じっと観察するだけでは物足りない、白銀の湿原の中を自らの足で歩いてみたい!という方は「温根内ビジターセンター(火曜休館)」へ。歩くスキーとスノーシューを無料で貸し出ししています。優しいスタッフが装着の仕方やコースを丁寧に教えてくれるので、初心者でも安心して楽しむことができます。今冬は雪が少ないので晴れ続きの時は長靴が一番便利です。
写真左)スノーシュー 右)歩くスキー
1位 湿原を疾走!SL冬の湿原号
1/27(土)から運行開始の観光列車「SL冬の湿原号」。乗って湿原を眺めるも良し、展望台から汽車の勇壮な姿を眺めるも良し。
写真左)茅沼蝶の森にて 右)サルルン展望台にて
特に、サルボ・サルルン展望台は、塘路駅で途中下車して訪れたり、勇壮な汽車を撮影しようと"撮り鉄"の皆さまにも人気のスポットです。
ということで、パークボランティアの佐々木稔さんと一緒に展望台へ巡視に行きました。倒木を処理したり、ロープを張りなおしたりと、来訪者に安心して楽しんでいただけるよう準備をしました。1/19(金)現在、雪は少なく長靴で展望台まで行くことができました。
周辺マップもつくりましたので、散策の際にお使いください。積雪などの情報入手やお手洗いは「塘路湖エコミュージアムセンター」でお済ませください。水曜休館です。
皆さまのお越しをお待ちしております!
2017年12月06日エゾシカカウント調査中!
釧路湿原国立公園 渡辺欣正
12/4(月)にエゾシカカウント調査をおこないました。
北海道をはじめ全国各地で被害が起きているシカ問題・・・。この調査は、釧路湿原ではいったいどうなのだろう?増えている?いついる?どこに多い?といったことを把握するためのものです。
方法は、釧路湿原で一番見晴らしのいい細岡展望台と、湿原の奥まったところにあるコッタロ湿原展望台から、フィールドスコープをのぞいて見える範囲でエゾシカをカウントしています。
この日は、釧路湿原国立公園パークボランティアの小川さん、加藤さん、佐々木さん、そして西村さんにご協力いただきました。毎冬のご協力、本当にありがとうございます!
肝心のエゾシカはというと、スコープを使っても見える大きさは、このくらい。本当にいますか?(笑)
写真の中には、草を食べているシカのほかに、すわって休んでいるシカ、森のふちにいるシカもいます。全部で10頭くらいでしょうか。もっと発見できましたか?
調査を手伝ってくださるパークボランティアさんたちは、普段から生きもの観察が大好きで、遠くのエゾシカも見逃しません!
調査範囲を分担してカウントしていただいたところ、1回目の合計216頭、2回目が214頭。たった2頭しか差がでない高い精度!
周辺の牧草地などで夏を過ごしたエゾシカは、冬になると湿原の中に集まってきます。昨年、一昨年の同時期には150頭程度だったので、今年は少し多いようです。佐々木さんが担当してくださったコッタロも、17頭。例年は1、2頭なので、引っ越してくるのが早いですね。これからどのように推移するか、地道に調査を続けていきたいと思います。
ただいま検討が進められている国立公園内でのシカ対策。増えすぎてしまったエゾシカは悪者扱いされることが多いですが、いなくなってもいけない釧路湿原の大事な一員です。対策を通じて、湿原生態系のバランスを保っていくことが求められています。
2017年11月07日今月の温根内木道マップお待たせしました!
釧路湿原国立公園 渡辺欣正
こんにちは、釧路湿原の渡辺欣正です。
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温根内木道とビジターセンターは、アプローチ歩道の工事のため、下記の日程で閉鎖します。
11月7日(火)~9日(木)
11月13日(月)~16日(木)
利用者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただきますようお願いします。
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それ以外の日は、秋晴れが気持ち良い静かな湿原歩きを楽しめますよ。
11月の温根内木道の自然情報マップは、湿原にまつわるクイズを10問。
中には難問も?!
最後の問いは、想像力が試されます!
最近、このマップを毎月楽しみにしてくださっているという方たちと出会い、嬉しい気持ちでいっぱいです。ただいま温根内ビジターセンター、釧路湿原野生生物保護センター、たんちょう釧路空港にて配付中です。
↓ネット版のバックナンバーはコチラから!
2017年09月13日釧路湿原鳥獣保護区パトロール
釧路湿原国立公園 佐野 綾音
皆さんこんにちは。釧路湿原自然保護官事務所の佐野です。
9月に入り、釧路湿原は秋の装いに変わり始めてきました。
今回は釧路湿原における鳥獣保護区の巡視について投稿させていただきます。
国指定釧路湿原鳥獣保護区は、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」に基づいて、指定されています。国指定鳥獣保護区とは、国際的又は全国的な鳥獣の保護の見地からその鳥獣の保護のため重要な区域として、環境大臣が指定するものです。釧路湿原における国指定鳥獣保護区指定面積は、11523haで、東京ディズニーランド約226個分の広さになります!
この鳥獣保護区という地区が分かるように環境省では下の写真のように鳥獣保護区という制札を立てています。
今回はこの鳥獣保護区制札が倒れたりしていないか、鳥獣保護区やその周辺で何か変わったことが起こっていないかパトロールを行いました。
パトロール中、鳥獣保護区内を観察してみると...
少し拡大してみると...
この鳥は...さらに拡大すると...
1羽のタンチョウを確認しました。
また、今年の春に生まれたタンチョウの幼鳥も親と共に確認することができました。(写真下:鳥獣保護区外)
今回のパトロールでは、怪我や病気の鳥等もおらず特に問題は見つかりませんでした。
これからの季節、釧路湿原にはオオワシやオジロワシといった希少猛禽類や白鳥やカモ類等、渡り鳥が飛来する時期となります。今後も継続してパトロールを続けていきたいと思います。
2017年07月24日2017年釧路湿原野生生物保護センターバックヤードツアー参加者を募集いたします。
釧路湿原国立公園 佐野 綾音
みなさまこんにちは、釧路湿原自然保護官事務所の佐野です。今回は、釧路湿原野生生物保護センターで毎年恒例のバックヤードツアーについてご紹介をいたします。
釧路湿原野生生物保護センターでは、交通事故などで保護されたシマフクロウ・オジロワシ・オオワシ3種の希少猛禽類をメインに、治療や野生復帰に向けたリハビリ飼育を行っています。
当センターに保護されている猛禽類たちは、野生復帰を目指しているので、人に慣れさせないため飼育施設は一般の方に公開していません。そのため、普段は展示室から窓越しに眺めることしかできません。
ただし、当センターでどのような取り組みをしているのか、どのような理由で本来は野生に生息しているはずの猛禽類たちがここへ保護され飼育されているのか、彼らに関する様々な現状などを知っていただく機会として、2日間限定のバックヤードツアーを実施いたします!大好評につき1回目の募集は締め切りとなりましたが、2回目の9月17日(日曜日)を現在募集いたしております。
普段、見ることのできない釧路湿原野生生物保護センターの裏側を、是非一度見て一緒に学びませんか?
【日時】 2017年9月17日(日曜日) 10:00~12:00
【対象】 どなたでもご参加いただけます。(定員:20名程度)※小学生以下は保護者同伴でご参加下さい。
【場所】 釧路湿原野生生物保護センター展示室前(北海道釧路市北斗2-2101)
【参加費】 保険代・テキスト代として100円/人
【申し込み先】(株)猛禽類医学研究所(事務局)FAX:0154-56-3466 E-mail:irbj@irbj.net
詳しくは別途、下記案内をご覧下さい。
☆追伸:7月25日(火)をもって、好評につき定員に達しましたので、募集を締め切らせて頂きました。
2017年07月13日世界最大級のフクロウ!シマフクロウ調査結果報告
釧路湿原国立公園 佐野 綾音
みなさま、はじめまして。季節はあっという間に夏となりすっかりご挨拶が遅れてしまいましたが、4月より釧路湿原自然保護官事務所アクティブ・レンジャーに着任しました、佐野と申します。主に希少種の調査や保護、傷病収容、鳥獣保護区巡視等を担当しています。今後、日々の活動を皆様に日記を通じてお伝えしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、今年5月~6月に実施したシマフクロウの調査結果を皆様にご報告したいと思います。
と、報告の前にシマフクロウについて簡単に説明したいと思います。ご存じの方も多いと思いますが、シマフクロウとは、国の天然記念物であり絶滅危惧種に指定されている世界最大級のフクロウです。世界最大級の大きさとは、翼を広げると180cmにもなるのです!現在このシマフクロウは北海道に約140羽しか生息しておらず、この子達を守らないと絶滅してしまう可能性があります。そこで、シマフクロウの生態を調査するために、毎年シマフクロウのひなに標識を付けています。そして今年の標識調査結果が、7月6日の北海道新聞に掲載されました。
今年は21羽のひなに標識装着を実施しましたが、例年よりやや少ない結果となりました。来年は今年よりも多くのひなに標識装着が出来ることを祈っています。
皆さまこんにちは。
4月に入り、釧路湿原にも少しずつ春の訪れを感じるようになりました。
先ほど、日記を投稿した釧路湿原自然保護官事務所渡辺アクティブレンジャーよりバトンを受け取り、今回は春の訪れとして、釧路湿原国立公園内にある、3つの湖とそこに飛来している水鳥(カモなどの渡り鳥)についてご紹介したいと思います。
北海道東部の湖は水鳥にとって、渡りの途中に翼を休める「経由地」となっています。越冬のため南方に移動する9~12月、越冬地から繁殖地へと移動する4~5月に、いろいろな種類の水鳥が見られます。一方、1~3月は湖全体が凍ってしまうため、水鳥のすみずらい環境になってしまいます。
釧路湿原の東部にある、シラルトロ湖・塘路湖そして達古武湖にも現在多くの水鳥が飛来しています。私たちは、いつ、どんな水鳥が、どのくらい飛来しているのか、毎年9月頃から湖面の完全結氷までと、湖面の氷が解ける4月から5月頃まで調査を行っています。
3月20日に調査を行った際は、シラルトロ湖及び塘路湖では、解氷面が一部出てきていましたが、達古武湖では全面結氷していました。
シラルトロ湖
塘路湖
達古武湖(全面が凍結している)
湖のほとんどが凍っている真冬の時期は、水鳥はほとんど見られず、オジロワシやオオワシ、タンチョウといった鳥が多く見られます。
シラルトロ湖に集まる鳥たち
達古武湖の凍結した湖面上にたたずむオジロワシ
その後、4月5日に湖へ調査へ行くと...
いずれの湖も全て解氷していました。
シラルトロ湖
塘路湖
達古武湖
そして双眼鏡や望遠鏡で湖を覗いてみると...
上の写真でみると、中央上部にいる2羽がヒシクイ(国の天然記念物、環境省レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類)です。写真下部にいるのはオオハクチョウ、そして左側にいるのがヒドリガモです。
上記の写真の鳥は、白ベースに目の周囲が黒いことからパンダガモとも呼ばれているミコアイサです。他にも多くの種類の水鳥が飛来していました。
これらの水鳥は、これから、シベリアなどの繁殖地に向けて渡っていきます。
また秋に、繁殖地で生まれた子どもたちを連れて、釧路湿原に戻ってくるのでしょう。
釧路湿原はまだまだ寒いですが、ぜひ一度、この時期ならではの水鳥観察にいらしてください。水鳥はもちろんのこと、晴れた日には湖面がキラキラと輝き素敵な景色を眺めることが出来ます。
4月21日(日曜日)には、平成30年度自然ふれあい行事イベントとして、「早春の湿原 野鳥観察会」が標茶町にあるシラルトロ湖・蝶の森周辺で開催されます。このイベントでは、森の野鳥やシラルトロ湖に飛来している水鳥について、専門家の解説を聞きながら観察できるので、是非ご参加ください。お申込みやお問合せ先は塘路湖エコミュージアムセンターへ。
お申込み・お問合せ先
塘路湖エコミュージアムセンター
電話番号:015-487-3003
開館時間:午前10:00~午後5時(4月~10月)
休館日:毎週水曜日