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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

宮島沼でオオハンゴンソウ駆除作業してきました

2022年07月26日
苫小牧 大久保 智子
こんにちは、大久保です。

毎年夏になると、沼周辺を黄色く彩っているオオハンゴンソウ。
ひまわりみたいなこの花は特定外来生物に指定されている外来種です。


オオハンゴンソウは、北アメリカ原産で、明治中期に観賞用に導入され、それが野生化し、現在では全国に分布しています。
横に広がる地下茎から茎を生やし、寒さや湿地に強く盛んに繁殖するため、在来種や希少な植物の生育を阻害します。現在の宮島沼でも在来種にとって深刻な状況なので、在来種を保護するために駆除しています。

宮島沼を本来の姿に戻していきたいという思いで、宮島沼水鳥・湿地センターの職員の方と宮島沼鳥獣保護区管理員さんが、少しずつ駆除していると聞いて、7月13日に保護官たちと一緒に作業してきました。

*鳥獣保護区管理員とは、鳥獣保護法に基づき、委嘱する民間人で、地方環境事務所長の指揮下において国指定の鳥獣保護区で管理業務等を行う者のこと。

この日のメンバーは、センター職員、鳥獣保護区管理員とそのお友達、環境省3人の6名での作業です!!
沼周辺には広範囲に繁茂しているので、今回は、来訪者が多い突堤(観察エリアの沼に突き出た場所)を重点的に作業しました。ほとんどの株は開花していませんでしたが、背丈は1m60㎝超えで結構立派になっている株が相手です。抜き取り方法は、一株ごと手で引っこ抜くか、固まった株をスコップでまとめて抜取るかのどちらか。当日朝方まで雨が降っていたらしく、多少は地面が柔らかくなっていたものの、引っこ抜くには全身で渾身の力をかけます。突堤の砂利の上に次々と抜取った株が山になっていき、1日の作業で見た目は結構すっきりした感じにはなりました。


ますはセンター職員からオオハンゴウソウのレクチャーを受けてから、茂みに突入。




みるみる山積みになった抜取った株は、拡散防止を防ぐ措置をとった上で適切に処分しました。



茂みの中の木陰で涼んでいたアマガエルやバッタから声援を受けながら、腰に痛みを感じたり、手にマメができたりするほど、みんなで頑張りました。



根絶は難しいと言われていますが、継続して駆除作業を行い、株を弱らせていこうと思っています。外来生物の駆除作業は、終わりがみえなく、期間が長いので、できる限り関係者と協力しながらモチベーションを保っていきたいと思います。


抜取った株と集合写真

7月13日の宮島沼


カンムリカイツブリが数羽。


手間の個体をよく見ると・・・


背中にヒナ2羽乗せていました。

すくすくと育ちますように。