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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

藻琴山のエゾノハクサンイチゲを守る

2022年08月17日
阿寒摩周国立公園 栗原詩
タイトル:「藻琴山のエゾノハクサンイチゲを守る」
 
こんにちは。
阿寒摩周国立公園管理事務所の栗原です。
 
 今回ご紹介する藻琴山は、日本最大のカルデラである屈斜路カルデラの最高峰(標高はぴったり1,000m)であり、「北海道自然100選」にも選ばれている山です。
6月3日にパークボランティア活動の一環で、藻琴山の登山道に侵入防止ロープを張りました。このロープは登山者がつかまって歩くためのロープではありません。藻琴山で生育するエゾノハクサンイチゲという高山植物を守るためのロープです。
花が咲いている植物

自動的に生成された説明
エゾノハクサンイチゲ
 
エゾノハクサンイチゲは東北地方北部から北海道の亜高山帯や高山帯に生育する高山植物です。花のように見える白い部分は実は花びらではなく、萼片(がくへん)です。不思議ですね。
開花時期は6月~8月で、その花を近くで見ようと登山者が道を外れてしまい、草花が踏みつけられてしまう問題が発生しています。踏みつけにより、草花の生育が衰退するおそれがあり、それを防ぐためにパークボランティアの皆さんと協力してロープを張りました。
屋外, 人, 草, 男 が含まれている画像

自動的に生成された説明 山の前に立つ男性

中程度の精度で自動的に生成された説明
                  ロープ張りの様子                   ぐらついた杭を打ちなおしました
 
今年はエゾノハクサンイチゲの分布調査も並行して行いました。調査は3年間行う予定で、ロープ張りの効果の程度や、エゾノハクサンイチゲの分布状況の把握に役立てたいです。
草, 屋外, 座る, グリーン が含まれている画像

自動的に生成された説明
1mの折尺を映しこみ画像データからエゾノハクサンイチゲの株数を数えます
 
また、登山口から山頂までの間に多くの植物を発見し、その名前を勉強しました。パークボランティアの皆さんは知識が豊富で、まるで歩く植物図鑑のようでした。私も阿寒摩周国立公園でよく見かける植物の名前は言えるように勉強したいです。
花が咲いている植物

自動的に生成された説明 草の上にいる鳥

中程度の精度で自動的に生成された説明
   ミヤマオダマキ              コケモモ
 
藻琴山は約1時間で登頂でき、初心者や体力に自信の無い方でも登りやすい山です。山頂からは美しい屈斜路湖や、オホーツク海が眺望できます。近くには「ハイランド小清水725」というレストハウスもあるので、下山したらソフトクリームや冷たい飲み物で登山の疲れを癒やしてみてはいかがでしょうか?山登りは自信がないけど興味はあるという方!是非夏休みを利用して遊びに来てください!
 
藻琴山へのアクセスや、詳細な情報は川湯ビジターセンターのサイトをご覧下さい。
(藻琴山登山道 | 川湯ビジターセンター (kawayu-eco-museum.com))