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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
その準備、本当に大丈夫ですか?
2022年08月18日
羅臼
みなさんこんにちは!羅臼自然保護官事務所の吉田です。
羅臼町は7月20日からコンブ漁が解禁となり、町は活気に満ち溢れています。
最近は、昆布が干される匂いを感じながら出勤する日々を送っています。
さて、7月19日~21日の3日間で硫黄山登山道から羅臼岳羅臼温泉登山道のルートをウトロ自然保護官事務所と合同で巡視に行ってきました。
登山道上に危険箇所や支障となる樹木はないか、ゴミが投棄されていないかなどをチェックしながら巡視をします。
【こけし岩を抜けて知円別岳へ】
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突然ですが、みなさん登山に向けての体力づくりや登山計画は「万全」ですか・・・?
僕は万全と思っていた体力づくりが不足していました・・・。
私事ですが、年度初めに怪我をしてしまい、山行を伴うような巡視に行くことができず、今回の巡視はシーズン初の長期巡視となりました。久々に背負う大荷物と羅臼では体感する機会が少ない暑さ、巡視中盤からの雨により疲労困憊でした。汗
【こけし岩を抜けて知円別岳へ】
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ただし、あるアイテムのおかげで行動不能に陥ることはありませんでした。
それは…
トレッキングポールです!
正しく使用することで、膝への負担を軽減でき、上下山時にとても重宝します。
体のコンディションや登山へ行く山の状況を把握するだけでなく、使用する道具の選択も改めて大切だと感じました。
【硫黄沢でトレッキングポールを使用する様子】
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今回巡視を行った知床連山には危険な箇所がいくつも存在します。
その中でも、特に危険と感じた2カ所を紹介します。登山を計画中の方はご参考に!
まず一つ目はトラバース箇所です。
特に尾根大岩を過ぎた硫黄山直下の登山道には目印がついていますが、登山道を少しでも外れると足場は崩れやすく、滑落や落石の危険性があるので十分注意して歩きましょう。
二つ目は雪渓です。
知床連山の登山道上には7月下旬頃でもいたるところに雪渓が残っています。この時期に登山を予定の方はアイゼン及びピッケルを必要装備として持っていくようにしましょう。
【雪渓が残る羅臼岳直登コースを降りる】
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硫黄沢やミクリ沼~サシルイ岳ピーク間(写真上)、羅臼岳直登コース、屏風岩、泊場周辺(写真下)に雪渓が残っている箇所があります。
【ミクリ沼~サシルイ岳ピーク間の雪渓】
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【泊場周辺で確認された雪渓の様子】
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特に屏風岩では雪解けにより雪渓下部が空洞になっており、アクティブレンジャー1名が雪渓を踏み抜き、落ちてしまいました(写真左)。幸い骨折等の大きな怪我はなく、唇を切る軽傷ですみました。また、メンバーが数人いたため、協力して脱出することができました。
【雪渓を踏み抜く】
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【2人で救助を試みる】
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【無事脱出】
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雪渓上を歩く際は、周辺にクラックがないか、雪渓下部が空洞化していないか注意が必要です。
【屏風岩周辺で確認されたクラックの様子】
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今回のように注意していても不意に起こってしまうのが事故です。
しかし、多くの事故は未然に防ぐことができます。そのため、「無理のない登山計画の作成、きちんとした体力づくり、道具の選択」を行った上で登山を行うよう心がけて下さい。
また、事故が起きてしまった場合に緊急連絡ができるか、事前に携帯電話の電波状況を確認することや、友人や知人に定時連絡を入れるなどの対策をすると良いでしょう。
【咲き残っていたシレトコスミレ】
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何事にも準備は「万全」に行いましょう!
以上、次の長期巡視に向け体力づくり真っ只中の吉田でした。
羅臼町は7月20日からコンブ漁が解禁となり、町は活気に満ち溢れています。
最近は、昆布が干される匂いを感じながら出勤する日々を送っています。
さて、7月19日~21日の3日間で硫黄山登山道から羅臼岳羅臼温泉登山道のルートをウトロ自然保護官事務所と合同で巡視に行ってきました。
登山道上に危険箇所や支障となる樹木はないか、ゴミが投棄されていないかなどをチェックしながら巡視をします。
【こけし岩を抜けて知円別岳へ】

突然ですが、みなさん登山に向けての体力づくりや登山計画は「万全」ですか・・・?
僕は万全と思っていた体力づくりが不足していました・・・。
私事ですが、年度初めに怪我をしてしまい、山行を伴うような巡視に行くことができず、今回の巡視はシーズン初の長期巡視となりました。久々に背負う大荷物と羅臼では体感する機会が少ない暑さ、巡視中盤からの雨により疲労困憊でした。汗
【こけし岩を抜けて知円別岳へ】
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ただし、あるアイテムのおかげで行動不能に陥ることはありませんでした。
それは…
トレッキングポールです!
正しく使用することで、膝への負担を軽減でき、上下山時にとても重宝します。
体のコンディションや登山へ行く山の状況を把握するだけでなく、使用する道具の選択も改めて大切だと感じました。
【硫黄沢でトレッキングポールを使用する様子】
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今回巡視を行った知床連山には危険な箇所がいくつも存在します。
その中でも、特に危険と感じた2カ所を紹介します。登山を計画中の方はご参考に!
まず一つ目はトラバース箇所です。
特に尾根大岩を過ぎた硫黄山直下の登山道には目印がついていますが、登山道を少しでも外れると足場は崩れやすく、滑落や落石の危険性があるので十分注意して歩きましょう。
二つ目は雪渓です。
知床連山の登山道上には7月下旬頃でもいたるところに雪渓が残っています。この時期に登山を予定の方はアイゼン及びピッケルを必要装備として持っていくようにしましょう。
【雪渓が残る羅臼岳直登コースを降りる】
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硫黄沢やミクリ沼~サシルイ岳ピーク間(写真上)、羅臼岳直登コース、屏風岩、泊場周辺(写真下)に雪渓が残っている箇所があります。
【ミクリ沼~サシルイ岳ピーク間の雪渓】
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【泊場周辺で確認された雪渓の様子】
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特に屏風岩では雪解けにより雪渓下部が空洞になっており、アクティブレンジャー1名が雪渓を踏み抜き、落ちてしまいました(写真左)。幸い骨折等の大きな怪我はなく、唇を切る軽傷ですみました。また、メンバーが数人いたため、協力して脱出することができました。
【雪渓を踏み抜く】
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【2人で救助を試みる】
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【無事脱出】
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雪渓上を歩く際は、周辺にクラックがないか、雪渓下部が空洞化していないか注意が必要です。
【屏風岩周辺で確認されたクラックの様子】
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今回のように注意していても不意に起こってしまうのが事故です。
しかし、多くの事故は未然に防ぐことができます。そのため、「無理のない登山計画の作成、きちんとした体力づくり、道具の選択」を行った上で登山を行うよう心がけて下さい。
また、事故が起きてしまった場合に緊急連絡ができるか、事前に携帯電話の電波状況を確認することや、友人や知人に定時連絡を入れるなどの対策をすると良いでしょう。
【咲き残っていたシレトコスミレ】
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何事にも準備は「万全」に行いましょう!
以上、次の長期巡視に向け体力づくり真っ只中の吉田でした。