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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

パークボランティアの皆さんとアカエゾマツの森探勝路の看板整備を行いました!

2022年11月15日
川湯 栗原詩
こんにちは。
阿寒摩周国立公園管理事務所の栗原です。
 
 今回ご紹介するアカエゾマツの森散策路は、川湯温泉街南側のアカエゾマツの純林を通る全長約1.8kmの散策路です。アカエゾマツは栄養の少ない土地でも生きていける強い植物であり、火山灰が降り積もった川湯地域に純林を形成しています。倒木等のために数年間通行止めになっていましたが、今年、環境省の歩道としてオープンしました。
アカエゾマツの森(8月撮影)
 
 この散策路には、川湯ビジターセンターから硫黄山方面に抜けるアカゲラコース(2.2km、所要時間1時間程度)と、川湯ビジターセンター発着でアカエゾマツの森をグルリと散策できるゴゼンタチバナコース(0.8km、所要時間25分程度)の2通りのコースがありますが、景観に配慮した分かりやすい誘導看板の設置が課題となっていました。そこで、パークボランティアの皆さんにご協力いただき、アカエゾマツの木材を活用した案内看板の作成に取り組みました。
 まず、道迷いをするおそれがある場所に設置する矢印標識を作成しました。輪切りにした丸太板に矢印の焼き印を押し、焼きごてを使って各コースのマークや文字等を刻印します。焼きごてでの作業は、失敗できない緊張感と自分の手で作るわくわく感で大盛り上がりでした。

焼きごてを使用した作業の様子
          
    ゴゼンタチバナコースの矢印標識               アカゲラコースの矢印標識
 
 分岐点には、分かりやすい大きめの案内看板を作成しました。案内看板には防腐剤として柿渋を塗ったため、赤みが強い綺麗な色の看板に仕上がりました。

分岐点に設置した案内版
 
      案内看板設置の様子          バネで取り付けた矢印標識
 案内看板の設置もパークボランティアの皆さんと一緒に実施し、10月中旬にすべての案内看板及び矢印標識を設置することが出来ました。8月から制作を始め、完成まで約3ヶ月かかりました。時間をかけて作り上げたものには自然と愛着がわきます。
 アカエゾマツのアカエゾマツの森では、アカエゾマツの香りが充満する癒しの空間の中、アカゲラやヒガラ、エゾリスのような様々な動物に出会え、初夏に花を咲かせるゴゼンタチバナやハクサンシャクナゲ、秋に「白葉」するコシアブラなど、季節によって異なる姿の植物を楽しめます。冬は川湯ビジターセンターでスノーシューを借りて、雪が積もった森を散策することもできます。是非皆様も疲れた体をリフレッシュするために、散策してみてはいかがでしょうか。もし訪れた際には、手作りの案内看板にも目を向けていただけると嬉しいです。