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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の使者

2022年11月16日
稚内 津田涼夏
みなさん、こんにちは!

いきなりですが、クッチャロ湖がラムサール条約に登録されていることをご存じですか?

クッチャロ湖は日本最北のラムサール条約登録湿地として、1989年に日本で3番目に登録されました。
ラムサール条約とは、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で、国境を越えて移動する水鳥にとって重要な生息地である湿地を登録し、国際的な協力の下で保護・保全するとともに、賢明な利用を目指す世界的な条約です。
簡単に説明すると、水鳥が生息している湿地を守り、大切に利用するための条約です。

日本では53箇所がラムサール条約登録湿地として登録され、そのうち北海道では13箇所が登録されています。(2021年現在)
クッチャロ湖は大陸からの渡り鳥にとって日本の北の玄関口となっており、日本で越冬するコハクチョウのほとんどが中継地として飛来します。コハクチョウの他にもオオハクチョウ、オナガガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロなどの多くの水鳥が訪れます。
クッチャロ湖の湖岸では、シベリアからの長旅を終えたハクチョウたちが羽を休めていました。
今後は本州の越冬地に向けて、さらに南下していきます。中には、本州へ渡らずにクッチャロ湖で冬を越すハクチョウもいます。観察館の職員によると、今年は10月19日がピークだったようで合計2140羽が確認されました。その後ハクチョウたちは一気に南へ通過をし、11月1日時点では約200羽がクッチャロ湖に残っています。ハクチョウやカモを驚かせないようにクッチャロ湖で観察してはいかがでしょうか。
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コハクチョウの親子
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オナガガモ
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湖畔のハクチョウとカモ
只今、浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館では11月2日(水)~11月25日(金)までの期間
「環境省アクティブ・レンジャー写真展2022~北の自然の舞台裏~」を開催しています。

 

この写真展は、北海道の国立公園や国定公園での魅力や環境省の仕事を多くの人に知ってもらい、自然環境保護への理解を深めてもらうことを目的に行っています。
私はクッチャロ湖のハクチョウと、礼文島のレブンシオガマ群落の写真を展示しています。2022年度宗谷地区での開催はこれが最後です。ご来館の際は是非ともご覧下さい。