
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
マタタビ の 乱反射
2025年06月30日
阿寒湖
白化する葉っぱ
あ、またたびだ。
そんなふうに思うので、意外と僕はマタタビが好きなのかもしれない。
動植物種が本州とは色々異なるわけだけれど、
ふいに友人と再会したような、
そんな高揚感も混ざっているような気もします。

マタタビの葉は、梅雨の頃合いに白化します(※花を終えてしばらくすると元に戻る)。
この時期だけ遠く離れていてもはっきり視認できるほど目立つようになるわけで、
突然お化粧したように、鮮やかな装いへの変身を見せてくれて、
なんだかついつい見入ってしまう。
この時期だけ遠く離れていてもはっきり視認できるほど目立つようになるわけで、
突然お化粧したように、鮮やかな装いへの変身を見せてくれて、
なんだかついつい見入ってしまう。

白化現象中の葉っぱですが、
これは葉緑体を失わせたことによる白化ではなく、
白い色素が発生したことによるものでもないというのが面白いところです。
この白化の仕組みは、
葉の表皮細胞たちがこの時期は三角錐の形状になっていることによるもので、
空気や液体を含んだ三角錐形が「光の乱反射」を発生させていると分析されています。
(かき氷や雪の結晶が白いのと同じですね。)
これは葉緑体を失わせたことによる白化ではなく、
白い色素が発生したことによるものでもないというのが面白いところです。
この白化の仕組みは、
葉の表皮細胞たちがこの時期は三角錐の形状になっていることによるもので、
空気や液体を含んだ三角錐形が「光の乱反射」を発生させていると分析されています。
(かき氷や雪の結晶が白いのと同じですね。)
マタタビの花
そしてマタタビの花は、
葉っぱに隠れるようにして下向きに咲いています。
葉っぱに隠れるようにして下向きに咲いています。


葉っぱで傘をさすことで、
花を降雨から守っているようにも見えますし、
白化葉という技によって、
庇護下の花の存在を代わりに訴求しているようにも見えるわけですね。
花を降雨から守っているようにも見えますし、
白化葉という技によって、
庇護下の花の存在を代わりに訴求しているようにも見えるわけですね。

そして花に近づくと甘い香り...
ハチにとってのマタタビ花粉は大事な栄養源で、
マタタビにとってのハチは受粉のための重要な送粉者です。
(※「相利共生」と言ったりします、一応。)
ハチにとってのマタタビ花粉は大事な栄養源で、
マタタビにとってのハチは受粉のための重要な送粉者です。
(※「相利共生」と言ったりします、一応。)
舞い降りてくる白い花

突然よそ行きの恰好になったような白い外見で
なのにその花々はなんだか押しつけがましくなく
リズミカルにひっそりほろほろと咲き降りてくる
そんな複雑なところに
ハチでない僕は惹かれるているのかもしれない
花がだいたい終わったと思われがちなこの時期ですが、
そんな6月も森の中ではいろいろと咲いていたりしますよ。
素敵な阿寒湖畔の森へぜひお越しくださいませ。
そんな6月も森の中ではいろいろと咲いていたりしますよ。
素敵な阿寒湖畔の森へぜひお越しくださいませ。

【マタタビ(Actinidia polygama)】
阿寒湖管理官事務所 熊野
阿寒湖管理官事務所 熊野