
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
上士幌管理官事務所はトムラウシ南沼汚名返上プロジェクトの一員として、南沼野営指定地の野外し尿痕ゼロ、トイレ道の植生復元に取り組んでいます。トムラウシ南沼汚名返上プロジェクトは、南沼野営指定地の野外し尿痕ゼロ、トイレ道の植生復元を目指し、2017年に、新得山岳会、十勝山岳連盟、山のトイレを考える会、上士幌自然保護官事務所(当時)、十勝西部森林管理署東大雪支署、新得町、上川総合振興局、十勝総合振興局が集まり始まりました。
トムラウシ南沼汚名返上プロジェクト
2025年12月09日
上士幌
これまでの取り組み
トムラウシ南沼では、野営地の周囲に使い終わったティッシュやし尿痕が残され、植生が踏み荒らされトイレ道の拡がりが問題となっていました。
本プロジェクトは、南沼野営指定地の「野外し尿痕ゼロ」と「トイレ道の植生復元」を目指し、2017年に、新得山岳会、十勝山岳連盟、山のトイレを考える会、上士幌自然保護官事務所(当時)、十勝西部森林管理署東大雪支署、新得町、上川総合振興局、十勝総合振興局が集まり始まりました。野営地や登山口でのアンケート、自動カメラによる利用数調査、野営地周辺のし尿痕調査と回収、携帯トイレの普及啓発、携帯トイレブースの増設、トイレ道へのヤシネット敷設など植生復元。様々な取り組みを経て、使用済み携帯トイレの回収数は増加し、野営地周辺に残されるし尿痕はひと桁に減りました。
本プロジェクトは、南沼野営指定地の「野外し尿痕ゼロ」と「トイレ道の植生復元」を目指し、2017年に、新得山岳会、十勝山岳連盟、山のトイレを考える会、上士幌自然保護官事務所(当時)、十勝西部森林管理署東大雪支署、新得町、上川総合振興局、十勝総合振興局が集まり始まりました。野営地や登山口でのアンケート、自動カメラによる利用数調査、野営地周辺のし尿痕調査と回収、携帯トイレの普及啓発、携帯トイレブースの増設、トイレ道へのヤシネット敷設など植生復元。様々な取り組みを経て、使用済み携帯トイレの回収数は増加し、野営地周辺に残されるし尿痕はひと桁に減りました。
- 南沼野営指定地とその周辺に残されたし尿痕を調査、回収しています。
- 登山口の使用済み携帯トイレ回収ボックスに投入された回収数を調査しています。
- 入林簿の携帯トイレ有無記入欄を集計し、携帯トイレ保有率を調査しています。
- 登山口に登山者カウンターを設置し、利用者数を調査しています。
- 南沼野営指定地に自動カメラを設置し、テント数を調査しています。
これまでの調査結果
プロジェクトが始まった2017年からこれまでの結果は次の表のとおりです。
このうち、携帯トイレの保有率については、野営指定地や登山口での対面アンケートであったり、東大雪荘にアンケート用紙を置かせてもらったりと調査手法が変遷しましたが、2022年からは、十勝西部森林管理署東大雪支署の協力により、入林簿に携帯トイレ有無の欄を設け、これを集計しています。
また、南沼野営指定地のテント数は、視界がなく調査できなかった日もあり、調査日数や期間が一定ではありません。
これらの推移をグラフにしてみました。
| 年 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
| トイレ痕 | 43 | 38 | 13 | 14 | 16 | 4 | 5 | 5 | 4 |
| 回収数 | 556 | 429 | 1271 | 881 | 1433 | 866 | 1602 | 1252 | 1,210 |
| 携帯トイレ保有率 | 84 | 93 | 96 | 79 | 64 | 91.2 | 93.2 | 93.5 | 92.6 |
| 入山者数 | 3217 | 2499 | 2740 | 2433 | 3145 | 2401 | 3538 | 3489 | 3601 |
| テント数 | 324 | 308 | 469 | 302 | 223 | 422 | 429 | 439 | 497 |
このうち、携帯トイレの保有率については、野営指定地や登山口での対面アンケートであったり、東大雪荘にアンケート用紙を置かせてもらったりと調査手法が変遷しましたが、2022年からは、十勝西部森林管理署東大雪支署の協力により、入林簿に携帯トイレ有無の欄を設け、これを集計しています。
また、南沼野営指定地のテント数は、視界がなく調査できなかった日もあり、調査日数や期間が一定ではありません。
これらの推移をグラフにしてみました。
プロジェクトの成果
登山者カウンターによる利用者数の調査は2011年に始まり、短縮口と温泉口の合計で3,700人余りを記録したこともあります。直近の3年はこれに迫る3,500人前後で推移しています。
南沼に張られるテントの数も少しずつ増えています。プロジェクトの始まりに現地アンケートで算定したテント1張り当たりの利用者は2.1人でした。コロナ渦を経てソロテントが増えているようにも感じていますが、南沼にテント泊する利用者は1,000人ほどでしょうか。
入林簿による調査によれば、携帯トイレを持参していただいている利用者の割合は高く、行程に南沼泊と記した方に限れば100%です。登山口に設置した使用済み携帯トイレの回収ボックスでの回収数も増えています。トムラウシ山では、携帯トイレが知られ、使われるようになりました。
そうして何より、南沼野営指定地で見つかるトイレ痕が、4~5個と少なくなりました。
「野外し尿痕ゼロ」を目標にしていますが、ゼロはなかなか難しいのかもしれません。4~5個という数が、この先、再び増えることのないよう啓発と観察を続けていきます。
南沼に張られるテントの数も少しずつ増えています。プロジェクトの始まりに現地アンケートで算定したテント1張り当たりの利用者は2.1人でした。コロナ渦を経てソロテントが増えているようにも感じていますが、南沼にテント泊する利用者は1,000人ほどでしょうか。
入林簿による調査によれば、携帯トイレを持参していただいている利用者の割合は高く、行程に南沼泊と記した方に限れば100%です。登山口に設置した使用済み携帯トイレの回収ボックスでの回収数も増えています。トムラウシ山では、携帯トイレが知られ、使われるようになりました。
そうして何より、南沼野営指定地で見つかるトイレ痕が、4~5個と少なくなりました。
「野外し尿痕ゼロ」を目標にしていますが、ゼロはなかなか難しいのかもしれません。4~5個という数が、この先、再び増えることのないよう啓発と観察を続けていきます。
トイレ痕は減ったけれども
野営指定地周辺の野外し尿痕は確かに減ったのですが、登山道の途中でわずかながら見つかることがあります。
このほか、今年は、携帯トイレを使ったのに、持ち帰らず置き去りにしていくという出来事がありました。残念です。
トムラウシ山の温泉コース登山口と短縮コース登山口には、使用済み携帯トイレの回収ボックスがあります。大雪山のほかの多くの登山口にも備え付けられています。どうか回収ボックスまでは持って下ろしてください。
トムラウシ山では携帯トイレを使いましょう。
そして、持ち帰りましょう。
このほか、今年は、携帯トイレを使ったのに、持ち帰らず置き去りにしていくという出来事がありました。残念です。
トムラウシ山の温泉コース登山口と短縮コース登山口には、使用済み携帯トイレの回収ボックスがあります。大雪山のほかの多くの登山口にも備え付けられています。どうか回収ボックスまでは持って下ろしてください。
トムラウシ山では携帯トイレを使いましょう。
そして、持ち帰りましょう。