アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
春の自然観察会を実施しました
2023年05月24日
支笏湖
暖かい日差しと爽やかな風が心地よい5月の支笏湖。
外歩きが楽しくなるこの時期から、支笏湖事務所では自然観察会を実施しています。
今年1回目の観察会は、5/20(土)に実施した「春の自然観察会」。
15名の参加者とともに、休暇村支笏湖周辺の森の中をじっくり散策しました。
今回はその様子をかいつまんでご紹介します。
この日最初に観察したのは、足もとに咲くコテングクワガタの小さな花でした。
案内役のボランティアが声をかけると、「え?花があるの?」と最初は戸惑っていた参加者たち。
しゃがんで視点を下げた途端に「あった!」「模様があるよ」「かわいいね」とあちこちから歓声があがりました。
言われて初めて気づくような小さい花ですが、よく見てみると可憐でかわいらしい姿をしています。
足もとの自然は目に入りにくいため、特に背の高い大人は見過ごしがち。
でも実はたくさんの動植物が季節ごとにあふれていることを知れば、その後の散策がもっと楽しくなります。
次は何があるだろうとわくわくしながら、散策路を進みます。
今度は目線を上にあげて、頭上の新緑に注目です。
大きな葉っぱが特徴のトチノキです。
本州や道南の森林では普通に見られる種なのですが、ここでは珍しいです。
ひと回り大きい明るい色のものは外側の殻。
中に入っているこげ茶色の栗のような実は、手に取ってみるとスベスベしていて、おいしそう。
しかしアクが強く、栗のように簡単には食べられないのだそうです・・・。
歩き始めて1時間。
支笏湖を見渡すことができる展望台に到着しました。
ここでボランティアが紹介してくれたのは、幕末の探検家、松浦武四郎のお話。
支笏湖を訪れた際に描かれたというスケッチは、展望台から臨む風景とよく似ています。
100年以上前に生きていた人物と同じ景色を見ていると思うと、まるで自分もその時代にいるような不思議な感慨がこみあげてきました。
ちなみに、支笏湖ビジターセンターには松浦武四郎に関する展示があります。
湖を見た後は、ぜひご覧になってください。
今回のご紹介はここまで。
これからは葉の緑が濃くなり、様々な生きものが登場する季節。
自然観察や散策に、支笏湖畔へぜひお越しください。
また、もし観察会に興味を持っていただけましたら、下記の通り夏と秋にも開催を予定しておりますので、参加をご検討ください。
8月6日(日)「夏の自然観察会」
11月3日(金・祝日)「晩秋の自然観察会」
場所は休暇村支笏湖周辺、参加費は無料です。
開催日が近づきましたらホームページやフェイスブック、インスタグラム、近隣自治体の生活情報誌などで広報いたします。
ご応募お待ちしております。
(支笏湖アクティブ・レンジャー/阿部)